何事!?
3人と1匹が着いたのは、ルクスという町。
ぐったりしながらマニュアが叫ぶ。
「あ――――……っ!! つっかれた――! この町に着いた人なんているんかね?」
「俺ら俺ら」
マニュアの言葉に、ストームが自分を指差してニヤリと笑う。
「でも――なんでこんな魔物がいっぱい出るような森の合間に……?」
ティルが言うと、今度はそれに頷いた。
「確かに。どうやって作ったんだぁ?」
ティロの町でも森を越えたが、それの比ではないくらいに、このルクスの周囲の森には魔物が潜んでいた。
更に言うと、ルクスでは四方八方すべてが森に囲まれていて――3人は知らなかったのだが、その森は『迷いの森』とも呼ばれているのだ。
それを考えると、ここまで辿り着けたのは運が良いとも言える。
「もう。とにかく、宿、行こ!!」
――早く休みたい。そう思い、マニュアは駆け出した。
町に踏み込んだその時、町の人々が3人の方を向いた。
一瞬の沈黙。
「え? な、に……?」
思わず立ち止まる。
次の瞬間――
「う、うぁ~~ん。ママァ~~」
「坊や! 早く、隠れなさい!」
「キャ――――ッ! イヤぁ~~っ!!」
「に、逃げろ――――――っ!」
町の人は口々にそう叫ぶと、家の中に隠れてしまった。
「な、なに、ナニっ!?」
それは一瞬の出来事で。あっという間に通りには人っ子1人いなくなってしまった。
「なぁーんか……あんまり歓迎されてないみたいだねぇ……」
ティルが呆然と呟いた。
「な、なんか変だよ、この町……。みんな隠れちゃった」
マニュアもよくわからないといった表情で言った。
「ホワイト。そりゃ、おまえが怖かったんだろー?」
そこへ、ストームが余計な事を言う。
「ほほう?」
バキョ!!
ストームの頭が地面にめり込んだ。
「――それにしても、宿、入れてもらえるかなぁ……」
ティルが言う。
「「「うーん……」」」
一抹の不安を抱えつつ、3人と1匹は宿へと向かった。




