表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
グローリ・ワーカ  作者: 川柳えむ
第2章:災難
12/46

何事!?

 3人と1匹が着いたのは、ルクスという町。

 ぐったりしながらマニュアが叫ぶ。


「あ――――……っ!! つっかれた――! この町に着いた人なんているんかね?」

「俺ら俺ら」


 マニュアの言葉に、ストームが自分を指差してニヤリと笑う。


「でも――なんでこんな魔物がいっぱい出るような森の合間に……?」


 ティルが言うと、今度はそれに頷いた。


「確かに。どうやって作ったんだぁ?」


 ティロの町でも森を越えたが、それの比ではないくらいに、このルクスの周囲の森には魔物が潜んでいた。

 更に言うと、ルクスでは四方八方すべてが森に囲まれていて――3人は知らなかったのだが、その森は『迷いの森』とも呼ばれているのだ。

 それを考えると、ここまで辿り着けたのは運が良いとも言える。


「もう。とにかく、宿、行こ!!」


 ――早く休みたい。そう思い、マニュアは駆け出した。


 町に踏み込んだその時、町の人々が3人の方を向いた。

 一瞬の沈黙。


「え? な、に……?」


 思わず立ち止まる。

 次の瞬間――


「う、うぁ~~ん。ママァ~~」

「坊や! 早く、隠れなさい!」

「キャ――――ッ! イヤぁ~~っ!!」

「に、逃げろ――――――っ!」


 町の人は口々にそう叫ぶと、家の中に隠れてしまった。


「な、なに、ナニっ!?」


 それは一瞬の出来事で。あっという間に通りには人っ子1人いなくなってしまった。


「なぁーんか……あんまり歓迎されてないみたいだねぇ……」


 ティルが呆然と呟いた。


「な、なんか変だよ、この町……。みんな隠れちゃった」


 マニュアもよくわからないといった表情で言った。


「ホワイト。そりゃ、おまえが怖かったんだろー?」


 そこへ、ストームが余計な事を言う。


「ほほう?」


 バキョ!!


 ストームの頭が地面にめり込んだ。


「――それにしても、宿、入れてもらえるかなぁ……」


 ティルが言う。


「「「うーん……」」」


 一抹の不安を抱えつつ、3人と1匹は宿へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ