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疑問  作者: 成瀬なる
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ひそかな戦い

 セレンはとっさに身をよじってそれを避けたが、それはあらぬ方向へ飛んで行った。ソフィアは軽く舌打ちをした。

小刀が刺さったところからは煙が立ち上った。

「せっかく高価な毒草を煎じたものを塗ったというのに」

 心底残念そうにそうつぶやいてソフィアはレナーシャをみた。

「お嬢さん、どうだい。一緒に来ないかね」

「いやよ。大体小刀に毒を仕込んでくるあたりが嫌いよ」

 まぁそう言わずに、とソフィアはレナーシャをなだめる。

「レナーシャ?」

 セレンは思わず振り返った。

「隙あり、だよ、お兄さん」

 ソフィアはセレンにそう声をかけると、首筋に手刀を落とした。

「セレン!」

 意識を失う前にセレンはレナーシャの声を聞いた気がした。

 セレンが意識を失ったのち、レナーシャはソフィアを睨みつけた。が、人質をとられている以上、うかつなことはできない。しかもソフィアはレナーシャよりも地位が上だった。下手に反抗すれば、自分の立場すら危うくなる。

 それを理解すると同時に、レナーシャから殺気が消えていく。

 ソフィアはそれを見てにんまりと笑った。

「聞き分けのいい子は嫌いじゃないよ」


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