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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
新人育成編

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83話 「期待しておくスラよ!」


 さて、色々なことが起こりながらも……遂に実験興行当日を迎えてしまいました。いつも通り、山田さんは早朝から会場設営に向かいます。


「寒っ」


【まだ日が昇ってないから、仕方ないですよ】


「そうだよな。でも、朝から会場を設営しないと……興行に間に合わなくなったら一大事だ」


【魔物が街に来る方が……普通、一大事でしょうけどね】


「そういうもん?」


【そういうもんです】


「しかし……常設会場があればな……準備も楽になるんだけど……」


【その為にも……死刑にならない為にも、とにかく今日の興行は成功させましょう。頑張ってくださいね】


 そんな感じの会話を交わしつつ、山田さんは中央広場へと辿り着くのでした。




「お疲れ様でーす」


 先に設営作業に当たってくれている冒険者や選手達に、そう声をかけながら山田さんはリング設営地点へと足を運びました。その時…………


「おはようございますスラ、お疲れ様でスラ!」


 スライムさんが元気に挨拶をしてくれました。どうやら人目につかないよう、深夜には会場入りしていたみたいです。そして朝一から設営に協力してくれていた……そういう事らしいですね。




「スライムさんが協力してくれたんで、リングの設営も楽になってますよ」


「師匠ってばスゴイのよ! マットの汚れとか……全部、吸収してくれたの!!」


「じゃあ、後で……観客席の清掃の方にも手を貸してくれると助かるのです」


 冒険者の方、ルカさん、カルラさんがスライム師匠の貢献を語りました。どうやら……設営現場の人達には既に受け入れられているようですね。


 スライムさんは他にも色々な冒険者の方々と会話をし、交流を行っています。




「あ……お前は覚えているスラよ! 久しぶりスラ、元気してたかスラ!?」


「お久しぶりです。あの頃は申し訳ありませんでした。自分も……当時は若輩者でして…………」


 スライム師匠は冒険者ギルド内でも腕利きの……しかも高齢冒険者との思い出話に花を咲かせています。あんな強そうな人にも歴史あり。きっと若い頃にスライムさんを狩っていたんでしょうね。




「この前のルーキー冒険者スラね。狩り場のレベルアップは順調スラ?」


「はい。今はエビルウッドを倒しています。あの頃はお世話になりました!」


 今度は新人から中堅にかけての冒険者と会話するスライムさん。どうも人望ならぬスライム望厚いみたいですね。人は見た目によらないと言いますが……スライムも見た目によらないんですね。勉強になります。




「スライムさーーーん。こっちの汚れ……お願い出来ますかーーー?」


 さて、そんなスライムさん。遠くの方で呼ばれると…………


「任せておくスラ!」


 サッと、そちらへ向かうのでした。




***




 こうして順調にリング設営が終わり、観客席や選手控室の設営が始まりました。スライムさんは観客席や花道の汚れを落としています。そんな時…………


「師匠ーーー。そろそろ控室が完成するから、入ってくれー」


 どうやら、山田さんに呼ばれたようですね。


「申し訳ないスラ。残りの席の清掃……お願いしていいスラ?」


「大丈夫、やっときますよ。そんなことより……今日の試合、頑張ってくださいね! 応援してます!」


「俺は……信じてますよ!」


 スライムさんは申し訳なさそうに、周りの冒険者さん達に残務を任せました。しかし、そんな事……誰も気にしません。むしろ冒険者の方々はスライムさんを応援してくれるのです。




「ありがとうスラ! 期待しておくスラよ!」


 こうして皆の応援や期待を背負い……スライムさんは控室へと向かうのでした。



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