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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
新人育成編

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76話 「山田は生きていなかったと思います」


 二人の出会いについて、お客さんの前で披露することになりました。


「えっと……俺がスライムを倒してたら、なんかテンションが高い変なお姉ちゃんが…………」


 まずは山田さんが語り始めました。しかし、横から凄まじい視線が襲ってきます。鬼の形相で山田さんを睨みつけるルカさん。その迫力に……山田さんは言葉が詰まってしまいました。その隙にルカさんが割り込みます。




「まずはですね……スライムの生息地で狩りをしていた時に、変な男性がスライムと戦っていたんですよ」


 確か、フォークでスライムを刺殺ばかりしているとレスラーとしてのスタイルがブレるだとかで……スライムとプロレスしてた時の事ですよね。まあ、ルカさん視点では……そう見えたのでしょう。変な男性であることに異存はありません。


「そしたらですね、山田が……結構、苦戦していたんですよ」


 そうでしたね。体当たりをもろに喰らって苦しんでました。


「アタシ……スライムに苦戦する冒険者なんて見たことがなかったんですよね」


 私もないです。山田さんが来るまで皆無でした。




「だから……アタシが助けてあげたんです」


 ん? あれ? そんな事ありましたっけ? 山田さんも斜め上を見上げ……記憶を探っているみたいです。


「アタシが助けなきゃ……山田は生きていなかったと思います」


 これは……捏造の出会い話の予感がしますね。しかし、山田さんは……まだ記憶を深堀りしているみたいです。この人……ひょっとしたら、にわとりマン以上に記憶力がないのかもしれませんね。


「それで、助けた後に聞いたんです。その変な技は何かって? そしたら……プロレスとか言い出したんですよ」


 プロレスとか言い出したのは間違ってませんし、変な技も否定しませんが……何かおかしいですよー。




「それで……山田の方からですね。是非とも、俺のプロレス団体に入ってほしいって懇願されました」


 私の記憶だと……プロレスラー二号になりたいって、力尽くで押し込んできた人がいるんですけどね。


「それでアタシ、断ったんですよ。でも、その後に三顧の礼ならぬ万顧の礼みたいに頼まれちゃって……それが出会いですね」


 涼しい顔で出会いを捏造するルカさん。山田さんはやっと捏造に思い至ったようです。山田さんは抗議の視線を送るのですが……ルカさんには無視されてしまいました。いつもとは逆ですね。


「なるほど……そんな出会いがあったんですね。ルカさんが抱きつき魔さんを助けたのが出会い。皆さん、覚えていってくださいね」


 受付二号さんは捏造を事実として拡散すると……この話題は終了となりました。




 してやられた山田さんは、ルカさんに……不穏な笑みを浮かべています。




「さて、ここには旗揚げ戦で対戦されたお二人がいることもあってですね。旗揚げ戦の感想を伺いたいと思うんですが」


 次の話題は旗揚げ戦です。この二人の対戦から始まったスカイハイですからね。当然、避けては通れない話題です。


「そうですね。アタシは……セクハラをしてきた山田を、皆さんの応援のおかげで倒すことができたなって感謝の気持ちでいっぱいです」


 まあ、理解できる感想ですけど……感謝の仕方がわざとらしいですね。




「そうだな……まあ、あの試合は…………敢えて、負けてやったんだよ。皆も観たと思うが……イクセントラのカウントが異常だっただろ? アレ……実は俺が指示したんだ」


 なんと、山田さん。ぶっちゃけトークです。裏話を全力で投下し始めました。


「ルカは初試合の緊張に飲まれちまって……試合どころじゃなく見えたからな。だからイクセントラを使って、俺が試合をコントロールしたんだ」


 聴衆の皆さん、ザワザワしています。ただ……そんなに悪い方向ではないですね。思いがけない裏話に興味を持ったと言うのが正解かもしれません。山田さんは、まだ話を続けます。


「だから……あの試合を勝って喜んでる程度では…………勢いのある後輩達に抜かれちまうんじゃねえかな」


 ここで出会いの捏造に対しての反撃が決まりました。ルカさん、再び鬼の形相で山田さんを睨みつけますが……山田さんは慣れた感じで無視するのでした。




「勢いのある後輩と発言がありましたが、先日の興行でルカ選手はカルラ選手と激戦を繰り広げました。あまりの激闘に不仲なんじゃないのか……などと推測する声もあるんですけど、いかがでしょう?」


 受付二号さんも、思った以上に踏み込んで来ますね。この質問に……ルカさんは口を開きます。


「不仲とは思ってないわ。それに……そもそも後輩ってそういうものじゃないかしら?」


 その答えに……聴衆からは安堵の声が上がりました。


「仲良し小好しでヌルい技をしてくるくらいなら……アタシはガツガツと来てくれる方が好きね。だからアタシは、カルラのこと……嫌いじゃないわ」


 この発言には、山田さんも頷いています。


「でも……カルラがアタシをどう思ってるかは知らないわ。今度、トークショーに呼んで聞いてあげてみて?」


 こうして、いずれは後輩もトークショーに呼ばれるよう営業活動を挟むと……ルカさんは回答を終えました。




「さて、それではトークショーの最後には……皆さんからの質問コーナーを行いたいと思いまーす」


 受付二号さんは聴衆にレスラー二人への質問を募集しました。何を食べれば、そんなに大きくなれるの? とか、ボクもプロレスラーになれますか? のような可愛い質問に答える二人。


 ですが、答えにくい質問もあるわけでして…………とある成人女性からの質問です。


「この前の興行で山田さんの試合を拝見したんですが……公式的には山サルですか? それとも……サル山ですか?」


 この質問に、山田さんは……『どうぞ……お好きな方で』と答えるのに精一杯でした。




 そして、最後の質問です。この質問を持って今回のサイン会・トークショーは終了になります。


「次の興行は、どんなマッチメイクになりますか?」


 この質問を受けた山田さん。極めて興味深いことを告げます。




「うーん……そうだな。次の興行には、俺に考えがあって……とんでもない事をするつもりだ。だから、ある種の実験興行になると思う」


 そんな思わせぶりな事を言うのでした。更には…………


「まあ、秘密ってのは知りたいよな。だから一つだけ教えよう……タッグマッチを組むのは確定だ」




 こうして、次回の興行は実験興行として……タッグマッチを行うことが決まりました。




 でも、まだ……何か隠してそうですよね。


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