67話 「ブルンブルンしてるぞ!」
リング上ではイクセントラさんのルール説明が終了しました。いよいよ……選手入場、試合開始です!
「それでは、第一試合…………ターリア VS ヴィクトリア。三十分一本勝負を開始致します」
「青コーナーより…………ヴィクトリアの入場」
イクセントラさんの呼び込みが終わると入場曲が流れました。場内にはキャッチーなポップソングが流れています。
さて、花道に登場したヴィクトリアさん……一礼するとリングに向かい歩き始めました。右手と右足が一緒に出ています。ついでに言うと、次は左手と左足ですね。どうやら……スカイハイの伝統行事になるかもですね。
〈受付の姉ちゃん、頑張れよ!〉
〈ヴィクトリア、勝ったら何でも買ってやるぞー!〉
ヴィクトリアさんの入場中、冒険者の皆さんやパパから歓声があがりました。彼女は父以外の歓声、全てに頭を下げています。そしてガチガチに緊張したままリングインすると……四方に向け、深々と頭を下げるのでした。
「赤コーナーより…………ターリアの入場」
ターリアさんの入場にも音楽が流れます。ノリの良いダンスビートに観客の皆さんも盛り上がりながら、手拍子でターリアさんを迎えました。ターリアさんもノリノリで入場してきます。こうして……右手右足が同時に出てくることが伝統行事化することは無くなりました。
〈でけー!〉
〈すげー!〉
〈プルプルしてるー!〉
何がデカくて凄くてプルプルしているかは……敢えて言いません。しかし入場は、ターリアさんの胸部が如く……とても盛り上がっていますね。そんな大歓声に、手を振りながら入場するターリアさん。まったく緊張していませんね。やっぱり……色んな意味で大者なのでしょう。
これでリング上に対戦者二名が揃いました。イクセントラさんから紹介コールが行われます。
「青コーナー…………体重は秘密…………ヴィクトーーーリーーーアーーー」
再び深く頭を下げるヴィクトリアさん。緊張のせいか……動きがロボットダンスみたいになっています。
「赤コーナー…………110パウンド…………ターーーーーリアーーーーー」
こちら、ターリアさんはアイドルのように飛び跳ねながら、お客さんに手を振って歓声に応えています。
〈すげー! 飛ぶと……ばるんばるんしてるぞ!〉
「レフェリー……イクセントラ」
イクセントラさんは自身の紹介を小さめに発しました。さあ、試合開始です!
カーン!
高らかに響くゴングの音と共に、ターリアさんとヴィクトリアさんは間合いを詰めると……組み合いました。しかしパワーの差は圧倒的です。ターリアさんの怪力の前に、ヴィクトリアさんは青コーナーへと押し込められてしまいました。
そのままロープブレイク。組み合いは、イクセントラさんが間に入ることで解かれました。そしてイクセントラさんが離れた瞬間……ターリアさんは逆水平チョップをヴィクトリアさんに見舞います。
パシーン!
会場に、ヴィクトリアさんの胸部が張られた音が響きました。すると……今度はヴィクトリアさんがターリアさんを赤コーナーへ押し込んでいます。次は……ヴィクトリアさんが逆水平チョップをお返しする番でしょう。
パチーン!
〈うおおおおおおおおおお!〉
観客は大盛況。何故かと言えば、逆水平チョップによって……ターリアさんのおっぱいがゆっさゆっさと揺れるからです。もっと逆水平チョップを打つよう……ヴィクトリアさんに頼んでいるお客さんもいますね。
パチパチパチペチペチペチ
その声を受けてでしょうか……ヴィクトリアさんはチョップを連打するのでした。
〈うおおおおおおおおおおお! ブルンブルンぷるんぷるんしてるぞ!〉
〈あの揺れ方は、わしと同じだスラ〉
まあ、そんな感じで……不純な盛り上がりをみせた試合は中盤戦を迎えます。
「ターリアの垂直落下式ブレーンバスター……喰らってくださーーーい!」
中盤からでも、平然と大技を繰り出すターリアさん。ヴィクトリアさんを脳天からマットに突き刺します。
ズドーン!
〈おぉ! すげぇ! いいパワーしてるな!〉
垂直に落とされたヴィクトリアさん。このままフォールされてはたまらないのでしょう、マットを転がりながら……場外へと逃げていきます。ターリアさんもそれを追って……場外へと向かいました。
しかし……これこそがヴィクトリアさんの…………真の狙いだったのです。




