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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
団体創成編

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47話 「ルカファンの皆さん、目を覚ましてください!」


「喰らえっ、山田チョップだ!」


 パシーン!


「喰らいなさい! ルカ・エルボーよ!」


 ボコーン!


 リング中央では山田さんがチョップを打てば、ルカさんがエルボーでやり返す。そんな意地の張り合いが行われていました。


「チョップでも揺れない胸しやがって!」


 パシーン!


「エルボーで殴るたび、アンタの頭の中……空洞音がするのよ!」


 ボコーン!




 程度の低い口喧嘩と、激しい打撃音が会場に鳴り響いています。ある意味では……こういった明快に意地を張り合う打撃戦こそが、お客さんを一番盛り上げるのかもしれませんね。




〈ルカー、負けるなー!〉

 

〈山田ー、揺らしてやれー!〉

 

〈どっちも頑張れー!〉

 

 と、このように様々な歓声が試合を彩っています。




 そんな意地の張り合いが六往復ほどすると……ルカさんはロープに走りました。打撃勝負は分が悪いとみたんでしょうね。ロープによる加速を利用して、体重差による威力の差を埋める作戦でしょう。


 山田さんは体勢を低くして待ち構えました。すると…………




「これが……フライング・ヘッドシザースよっ!」




 その叫びと共に、ルカさんは片脚を山田さんの頭部に引っ掛けました。そして走り込んだ勢いを持って跳び上がります。その後、空中でもう片脚を上げ……両脚で山田さんの頭部を挟み込むと、相手を軸にしたまま回転しました。すると、遠心力によって山田さんは吹っ飛ばされてしまいます。




 ドサッ!

 

〈ワーワーワーワー!〉


〈ドドドドドドド!〉




 この、見た目も派手な大技に……お客さんも大興奮ですね。気づけば歓声以外にも……地鳴りのような音がしています。どうやら、観客の皆さんが足踏みで鳴らしているようですね。


 さて、ルカさんの華麗な技によって吹っ飛ばされた山田さん。その勢いのまま、寝転がると最下段のロープの下をくぐり……場外へと逃げ出しました。




「逃げてんじゃないわよ!」


 そんな山田さんを、ルカさんはリング内から挑発しています。しかし、山田さんは……それを無視しました。目もくれません。まるで、いつもの赤面ルカさんを相手にしている時のようです。しかし、赤面時以外に無視するのは……やめたほうが良さそうですよ。


「今がチャンスね!」


 山田さんがリング内に視線を向けていない事を確認したルカさん。山田さんがいない方のロープに走ると、反動をつけて戻ってきます。そして山田さん側のロープの隙間から………体を一直線にして飛び出しました!




  


「喰らいなさい! これがトペ・スイシーダよ!!」




 ドカーーーーーン!


〈うおおおおおおおおお!〉


〈凄え、こっちに飛んできやがった!〉


〈あれ、危なくないのかよ!〉


 まさかのリング内から場外への飛翔突撃に……会場は大盛況ですね。


 トペ・スイシーダをもろに喰らってしまった山田さん、そして敢行したルカさんは……共に場外でダウンしています。




「ワン………………………………ツー………………………………」


 そんな状況に、イクセントラさんはリングアウトのカウントを取り始めました。




「痛てて……ちくしょう」


 少し時間が経過すると、ようやく山田さんが起き上がりました。ルカさんはトペ・スイシーダの衝撃で……まだ立ち上がれません。すると山田さんは、近くのお客さんの椅子を奪いました。そして、それをダウン中のルカさんに……叩きつけます。




 バコーーーーーン!


〈Boo Boo Boo Boo ! 〉  


〈そんなん反則だろー!〉


〈ルカを叩いた椅子、俺に売ってくれー!〉


 椅子を叩きつけられる、そんな非日常の出来事に会場はブーイングの嵐です。そんな事、知らぬ存ぜぬの山田さん。ルカさんの髪の毛を掴むと立たせました。そして、髪を引っ張ったまま…………四方の観客席を引き回すのでした。 




「ルカファンの皆さん、目を覚ましてください!」




〈Boo Boo Boo Boo !  Boo Boo Boo Boo ! 〉



 北へ東へ南へと移動する度に強まるブーイング。ですが、山田さんはブーイングにすら……気を良くして見えます。もはや……完全なヒールレスラーですね。


 しかし、髪の毛を引っ張られたままのルカさん。ここで隙をみて脱出しました。そして、手近な椅子を掴むと……見事に山田さんにやり返します。これには、お客さんも満足でしょう。




 あれ、そう言えば……いつの間にかリングアウトのカウントが止まってましたね。どうやら、イクセントラさん……会場の空気を読んでか、先の展開を読んでか、カウントを止めていたみたいです。


 こうして見ると、試合をしているルカさんは当然ですが……イクセントラさんも随分と成長したものですね。




 さあ、二人はボロボロになりながらも……リングに戻りました。




 決着の時が…………近づいています。



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