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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
団体創成編

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45話 「さあ、恥をかけ。とことん恥をかけ!」


 イクセントラさんのゴング要請を受け、観客席最前列……冒険者ギルドの受付のお姉さんがゴングを鳴らしました。




 カーーーーーーーーン!




 にわとりマンさんの魔力によって、より高らかに鳴り響くゴングの音。遂に始まりました……スカイハイ旗揚げ戦です!


〈ワーワーワーワー!〉


 お客さん達は一斉に歓声を上げました。なるほど。私だけではなく、私の世界の人々も……これほどまでに娯楽を必要としていたんですね。皆さんの期待は……今、最高潮に達しています。もちろん、私もですよ。




 さて、リング上では……山田さんとルカさんが互いの距離を保ちつつ、牽制し合っていますね。




「さあ、かかってこい!」




 山田さんは大きな声でルカさんを挑発しました。それが聞こえてか、観客の皆さんも盛り上がっています。


 しかし、ルカさんはその手には乗りません。まだ山田さんとの距離を保ったまま……リングを右往左往していました。


 あれ、ひょっとして……ルカさん。緊張のあまり、何をしたらいいのか困ってるみたいですね。山田さんが左に動けば右に、右に動けば左にと……距離を取ることしか出来ていません。


 リング上では何の技も出されない時間が続いています。観客の皆さんも何が起こるのかという期待と、何をしているんだという疑問で半々になってきました。




「来ないのか……それならば、こっちから行くぞ!」




 そこで空気を読むのが山田さんです。会場の空気の異常を察知するやいなや、ルカさんに直進的に飛びかかりました。いきなりの突進に、なす術がないルカさん。マットにダウンさせられてしまいます。




 ドサッ




 ルカさんは仰向けに倒れました。その上にマウントポジションを取った山田さん。何故か両手をワキワキとさせていますね。




「リングの上では何が起こっても、誰も助けてはくれないからな。ここで、ルカを欲望のままに弄んでも構わんのだろう……さあ、恥をかけ。とことん恥をかけ!」




 そんな内容を……観客に聞こえるほどの大声で叫ぶ山田さん。ワキワキさせた手をルカさんの体に近づけていきました。




〈Boo Boo ! Boo Boo !〉

 

〈羨ましいぞ! その場所替われ!〉


〈筋肉、死ね!〉




 観客の皆さんが、山田さんにブーイングや罵倒を飛ばし始めました。なんだか、変な意見のお客さんもいますが、気にしないようにしましょう。


 その罵声に反応する山田さん。憤慨した表情で観客席に視線を向けました。その時…………




「余所見してるんじゃないわよ!」




 ルカさんは山田さんをマウントポジションから引き剥がすと、立ち上がり……ロープへ駆け出しました。そしてロープに全体重を預けると……反動で速度を増して戻ってきます。


 山田さんは起き上がりの途中でした。そこに勢いよくルカさんが駆け込んできます。ルカさんは……本来なら高く跳ぶところを、敢えて滑るように低く跳びました。そして両足裏を山田さんに向けて……叩き込みます。




 ドンッ!




「これが……低空ドロップキックよ!」


〈ワーワーワーワー!〉


〈いいぞー! かわいいよー!〉


〈ルカの足裏……クンカクンカしたいぞー!〉


 ルカさんの低空ドロップキックは……山田さんの顔面を見事に蹴り飛ばしました。低い姿勢のまま吹っ飛ばされる山田さん。これは……かなり痛そうですね。


 ダウン状態の山田さん。ルカさんは歩み寄ると、山田さんの胴体目掛け……大きく右足を上げて……下ろします!




 ドン! ドン! ドン! ドン! ドン! ドン! ドン! ドン!




 この技はストンピングと言って……まあ、わかりやすく言えば踏みつけですね。ルカさんが踏みつけると同時に、マットからは大きな衝撃音がするのです。この音は……プロレス慣れしていないお客さんにとっては印象的でしょう。




〈やっちまえー!〉


〈俺も踏んでくれー!〉


 会場からは大声援が上がっていますね。




「何よ、いきなりセクハラとか! 頭……おかしいんじゃない?」




 ルカさんは山田さんを踏みつけながら、山田さんの正気を疑っています。まあ、疑われても仕方ありません。だって……山田さんですし。




〈やっちゃえー!〉

  

〈変態筋肉痴漢をぶっ殺しちゃえー!〉

 

〈やっぱり男って屑だわ! 暑苦しいし!〉


 女性のお客さん達からは、こんな声も上がっていますね。しかし…………




〈ふざけんな、お前だって屑だろ!〉

 

〈お前の化粧の方が厚苦しいんだよ!〉


 と……反論する男性のお客さんもいました。




 会場の声が大きくなってきたところで、リング上を見ると……山田さんは起き上がっていますね。再びルカさんと対峙しています。そして……呟くのです。


「ふふっ……観客の掴みはバッチリだな」


【男女対立煽りは感心しませんね】


「それはわかっちゃいるが、明確な対立軸があれば……初めてプロレスを観る人にとっては感情移入しやすいだろ?」


 あぁ……そういう事でしたか。いきなりセクハラするとか、山田さんの常識を疑ったんですけど……初めてプロレスを観るお客さんに、ルカさんを応援させる方針を提示したという事ですね。




 その効果は抜群で……今ではルカさんを応援する声が、山田さんを応援する声を遥かに上回っています。

 



 思った以上に抜群な効果を発揮した山田さんの作戦。


 しかし、その効果は……お客さんに対立軸を見せるだけではありませんでした。


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