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冴えないプロレスラーの俺がツッコミの女神に転移させられたのは娯楽のない世界だったので、プロレス団体を設立して人々に娯楽と笑いを届けよう  作者: マスクドぷるこぎ
団体創成編

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41話 「大丈夫だ。俺は生まれてから疲れたことがない」


「あ……そうだ、言い忘れていた」




「旗揚げする前に決めないといけないことがある。それはだな……」




 と、切り出しました。少しの沈黙の間を縫って、ルカさんには思い当たることがあるのでしょうか。決めるべき何かについて返答します。


「衣装ね! アタシはフリフリで可愛いのがいいわ!!」


「我は…………貧相な体を装飾できる…………ヌーブラが…………六枚は欲しい」


 遅れてイクセントラさんも乗っかってきました。山田さんは目を伏せ、ため息をつくと…………


「自分で作れ」


 と、二人に言うのでした。




「衣装なんて何時でも考えられるだろ。そんなことより問題は…………ウチの団体…………正式名称がないんだ」


 あ、言われてみれば……確かにそうですね。団体を作る資金集めに奔走するあまり、すっかり忘れてました。ルカさんとイクセントラさんは唖然としています。そりゃ、そうですよね。


「それでだ……何か考えがあるなら言ってほしい」


 そうやって提案を求めた山田さん。しかし、二人だって突然言われたことですし……すぐには出てきません。そうして無言の時間が続きました。


「それなら…………名称は俺が決めていいか?」


 山田さんは二人に了承を求めました。二人とも、自分が決めるよりは山田さんが決めるべきだと思ってるみたいですね。頷いて了承しました。




「それなら、正式名称は……………………スカイハイだ」


 正式名称はスカイハイですか。まあ、今作ったにしては悪くないんじゃないですか。


 それを聞いた二人。山田さんから出た名前にしては割と常識的だった事もあり、特に異論はないようです。こうして正式名称も決定したことで、山田さんは二人にリングの撤収を指示しました。




 山田さんは鉄柱等の重い物を撤収させています。その時…………


「スカイハイという名前には、俺にとって重要な意味があるんだが…………気付けるか?」


 周囲には誰もいないにも関わらず、問いかけたのです。それは……当然、私宛の発言でした。


【意味……ですか? 空高くって感じでしょうか?】


 私は意味に思い当たることがありませんでした。よって直訳っぽいことを解答として提示したのです。それに対して……


「この名前はな……すーさんの名前の頭文字から拝借したんだ。ほら、スーサレム・カウンティー・インドメタシン・ハルサメ・イデアの頭文字だろ」 


 それを聞かされる、ハッとなりました。山田さん……私の名前を覚えてたんですね。なんだか……感動してきました。今、山田さんと話したら泣いちゃいそうです。だから、山田さんに返答するのは……今は、やめておきましょうか。




***




 さて、旗揚げが決まった山田さんは忙しく走り回っています。今日はセパラドスの中央広場の貸し出し手続きの為に、役場に訪れていました。


「それで……この書類に名前と借りる日時、そして使用目的を書いて提出すればオッケーです」


 山田さんは広場の使用許可申請を、冒険者ギルドの受付のお姉さんに手伝ってもらっています。


「名前は……抱きつき魔。日時は……◯月◯日、時間は……これくらいですかね。目的は……プロレスでいいんです?」


 代筆してもらっている山田さん。ここで訂正しないと、公的に名前が抱きつき魔になりそうなんですが……気づいていません。早く書類を提出したくて……気が急いているみたいですね。そんな事より、早く文字を書けるようになりましょう。




 次はイクセントラさんの家に足を運びました。


「これが…………頼まれていた…………宣伝用のビラ」


 山田さんはイクセントラさんからA4サイズほどの紙を受け取りました。そこには山田さんとルカさんの顔が大きく載せられており……下の方には開催日時、場所が書かれています。そして、最後には大きく無料と書かれていました。


「これは…………お化け鏡の魔石を使った魔具で作った…………それより…………本当に無料?」


 イクセントラさんはビラの制作法を述べると、観戦料に異議を唱えました。その気持ちはわかります。ここまでの出費を考えれば……多少なりとも回収したいと思うのが普通ですよね。しかし、山田さんは違いました。


「ああ、これはセパラドスへの恩返しだからな。それに……まずは多くの人にプロレスを知ってもらうことが肝心だ」


 そうして無料を押し通した山田さん。ビラを数十枚受け取ると、イクセントラさんの家を後にします。




 ビラを手に冒険者ギルドへ行くと、壁に貼る許可を取ろうとする山田さん。受付のお姉さんはそれを了承しました。粘液にまみれていない時なら、この人は本当に優しいですね。山田さんは壁にビラを貼ると、次はいつもの食事処に向かいます。


 店長にビラを渡して、貼ってくれるように頼む山田さん。お得意様の頼みですからね、店長も快く引き受けてくれました。その後も山田さんは……セパラドス中のお店にビラを貼ってくれるよう頼みに駆け回るのでした。




【お疲れ様です、山田さん】


「大丈夫だ。俺は生まれてから疲れたことがない」




「なになに……スカイハイ旗揚げ戦。六十分一本勝負……山田 VS ルカ。山田ってのは、あの抱きつき魔だよな。遂に何かでっかいことをやりやがるみたいだな」


「山田って……いつも、このルカって女ににわとりマンステーキを泣くほど喰わせてるヤツだよな」


「◯月◯日……△時。セパラドス中央広場……無料ねえ。無料なら行ってみようかしら」


 


 冒険者ギルドで、ご飯屋さんで、雑貨屋さんで……街中がスカイハイの旗揚げ戦の話題で持ち切りでした。



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