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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
王都外征編

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109話 「典型的な悪役令嬢か、典型的バカか」


 魔物バトルロイヤルを含めた興行が終わって数日後。スカイハイは今日から練習を再開しています。ということは……墓地スタートですね。選手の皆さんは練習を、山田さんは泥パックを行っているようですね。もう少しすれば、山田さんも戻ってきて練習に参加するんじゃないでしょうか。




「泥パック終わったぞー。それじゃ皆……集合してくれー」


 あ、予想通り……帰ってきましたね。山田さんは両手を泥で汚したまま、練習場所に帰ってきました。他の皆さんは山田さんの下に集まってきます。


「はい、前回の興行はお疲れ様ー。今回も満員、大盛況で興行を終えられたのは……皆のおかげです。ありがとう!」


 山田さん、選手の皆さんに深く頭を下げました。こういう所、律儀なのは長所ですよね。そして頭を上げると…………




「それで、前回の興行の MVP は……スケさんにあげてもいいよな?」


 周囲の反応を覗う山田さん。誰からも異存は上がりません。それも当然、カルラさん以外は試合を組まれてませんでしたからね。異議を唱える資格に欠けているとでも思ってるんじゃないでしょうか。


「それじゃスケさんにはご褒美の……肉襦袢だ! これで筋肉が付いた気分に浸ってくれ」


 こうして……肉襦袢の授与式が行われるのでした。恐縮しながら肉襦袢を受け取るスケルトンさん。


「これはスケルトン全員の共有資産として……宝物にするスケ!」


 大事そうに肉襦袢を抱えるスケルトンさん、皆からは盛大な拍手が送られています。ちょうど、その時…………




「また……ここにいるのかね? 道場の土地は貸与したのだから、そちらで練習すればよかろうに」


 ヴィクトリアさんのパパこと区長、もしくは区長ことヴィクトリアさんのパパが来訪しました。


「パパ、言ったでしょ……来る時は先に言っておいてって。いい加減にしないと……ママに手紙で書いちゃうわよ」


「ああ……ヴィクトリア、それだけは許してくれ。そんな手紙がママの下に届いたら……命がいくつ合っても足らん」


 ヴィクトリアさん、パパの来訪を責めていますね。しかし、ここに来てママの存在が明らかになりました。しかも……強そうですね。きっとヴィクトリアさんの性格は……ママから遺伝しているんでしょう。


「それで……区長は何をしにきたんだ? また、俺に議会に参加でもしてほしいのか?」


 山田さん、絶対にありえない可能性を探っていますね。区長はそれに答えるべく、口を開きます。


「ああ、それはだな……この手紙を見てくれ。緊急だ」


 そう言うと区長は……緊張に震えながら手紙を取り出すと、山田さんに手渡すのでした。


「なんだか、たいそうな便箋だな……」


 山田さんは大雑把に便箋を破ると、中の手紙を取り出します。そして……それを開くのでした。




***




下々の方々、ごきげんよう。


この手紙を手にしたとき……お前のような卑しい身分がワタクシの直筆に触れる光栄に浴し、どれほど見苦しく歓喜に震えているかを想像すると……ふふ、実に愉快ですわ。


風の噂によれば……近頃はプロレスなどという、低俗極まりないお遊戯が流行しているとのこと。


本来……このワタクシの高貴な視界に、そのような泥臭い茶番など入れる価値もございませんけれど……あまりに退屈が過ぎるゆえ、一度くらいは庶民の下品な余興とやらを見物してやってあげてもよろしくてよ。


来たる〇月〇日までに、一族郎党引き連れて王都フライ・トルメンタへ来なさい。


そして、ワタクシの御前でプロレス興行とやらを催すのです。


ワタクシを愉しませるために……血の滲むような道化を演じて見せなさいな。


もし、このワタクシの期待を裏切るようなことがあれば……その時は、死を与えて差し上げますわ。


それと、王都までの道中の経費くらいは……ワタクシの慈悲で恵んであげてもよろしくてよ。


それでは当日、せいぜいワタクシを飽きさせないように励みなさい。


オーーーホッホッホッホッホ…………


第三王女 スーサレム・ウドン・ウィンチェスター・フィオレンティーナ




***




「手紙で笑い声まで文章化したり、三点リーダーなんか使うヤツなんているんだな。初めて見た」


 手紙を読み終わると……あの山田さんですら唖然としていますね。ちょっと気になるので、私も読んでみましょうか。




【うわぁ……これは典型的な悪役令嬢か、典型的バカかのどちらかでしょうね】


「多分、どっちもじゃねえかな。もしくは悪役令嬢って書いてヒール令嬢って読ませるパターンかもな。それにしても第三王女の名前なんだが、最初の部分が……すーさんと同じじゃない?」


【ああ、これはですね……この国の王家が神の血を受け継いでいるって、そんな意味で付けてるんだと思いますよ】


「じゃあ、このバカ悪役令嬢は……すーさんの子孫なの?」


【違いますよ。要は設定です。私の血を継いでいるってことにすれば……正統性のアピールになりますし、勝手に名乗ってるんでしょうね】


「ふーん。そういうもんか。まあ、とりあえず……このバカ悪役令嬢はすーさん二号ってことにしとくか」


【別にいいですけど……本当に血の繋がりとかはありませんからね。そんな事より、山田さん。また死刑を宣告されてますね】




「俺……もう慣れちゃったよ」




 そういった訳で、典型的悪役バカ令嬢によって……スカイハイは王都に呼ばれたのでした。




 果たして山田さんの命はどうなってしまうんでしょうね。まあ、大丈夫だと思います。


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