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1+1は200の奇跡!異世界レスラー山田、プロレス愛で団体設立。10倍だぞ、10倍!  作者: マスクドぷるこぎ
王都外征編

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101話 「普通ではない興行を…………やってみるか」


 クモ男さんから魔石を受け取った山田さん。次にするのは……ルカ・カルラさんが納められた繭を開くことですね。山田さんは力任せに繭をこじ開けました。そして繭の中……両者はノックアウト状態で発見されるのです。いったい繭の中で……どんな戦いが行われたんでしょうね。


 さて、その後です。山田さんは金策として他のクモ男も探すのですが……地中に住む生態のせいでしょうか、なかなか見つけることが出来ません。ルカ・カルラさんも意識を取り戻すと、クモ男探索に加わるのですが……成果は芳しくなく、木々の影が細長くなってきました。つまり……日没が近づいたという事ですね。


「マズいな……あと少しで日が沈んでしまう」


「どうしますのです?」


「カルラだけ置いて帰りましょ?」


 こうして三人は……セパラドスへの帰途に着くのでした。




***




「報酬の方は銀貨六枚になります。お収めください」


 受付二号さんから銀貨六枚を受け取る山田さん。つまり、クモ男の討伐数は……たったの一体です。丸一日をかけて、この成果……かなり不本意そうですね。


 そして、山田さんは席を立つと……ルカさん、カルラさんに今回の討伐の成果を報告するのでした。




「これなら……泥パックしてた方がマシだったわよね」


 ルカさん、遠慮なく率直な感想を口にしました。かといえ、私も……そう思います。


 あれほど発見しにくくて、しかも……かなりの強さを持つ魔物ですからね。それなら、あっちから寄ってきてくれて……しかも安全なフライング・ヘッドさんが、圧倒的に金銭効率が良いのは間違いありません。


「無駄足だったのです」


 カルラさん、本日の行動そのものに……憚られることなく辛辣な感想を口にしました。山田さん、なんだか責められてるみたいですね。ちょっと悲しそうな顔になっています。


「今日は……正直スマンかった。もう、クモ男で金策するのはやめよう。いくら銀貨六枚とはいっても、あそこまで見つからないとは思わなかった。あれじゃ……収入がまったく安定しないからな」


 山田さんの発言に頷くルカさんとカルラさん。しかし、クモ男さんを狩るのをやめるのならば……何か別の金策を考える必要が出てきます。さあ、どうするんでしょうね。




「で……どうするの? やっぱり普通に興行して稼ぐ?」


「ボクがにわとりマンを自慢の飛び技で倒してきてあげるのです」


 ルカさん、カルラさんは各自、金策の提案をしてくれています。しかし、山田さん……これには首を縦に振りません。そして、口を開きます。




「うーん、それなら普通に興行して稼ぐか……いや、待てよ。せっかくだ、普通ではない興行を…………やってみるか」




***




 山田さんが普通ではない興行と口にして……一週間ほど経ちました。街には今、その普通ではない興行のビラが至る所に貼られています。私も気になりますし……少し見てみましょうか。




 えっと、タイトルは……魔物バトルロイヤルですか。


 次は出場選手の欄……うわ、いっぱいいますね。まずは……デュラハンさんとスケルトン一号・二号さん。そしてフライング・ヘッドさんとにわとりマンさんですね。更にはスライムさんとクモ男さんですか。


 数えると……七名によるバトルロイヤルみたいですね。 これは楽しみです。実力で言えばデュラハンさんが抜けていると思いますが、バトルロイヤルならではの展開もありますし……いったい誰が勝つのか、簡単には予想出来ません。


 そして出場選手の下にはマッチメイクが書いてありますね。特別試合1……魔物バトルロイヤル。これの出場選手が上記の方々ですね。そして特別試合2には……山田魔物 VS カルラとの記述があるではありませんか。


 まさかの……山田魔物の再来です。しかも興行では初登場! 果たして意図は伝わるのでしょうか、私、気になります。


 最後に……いつもの開催日時と入場料が記載されています。◯月◯日、セパラドス中央広場、銅貨十枚。これは……お決まりの内容ですね。




【山田さん、何処に向かってるんです?】


 私は山田さんに視点を移すと、山田さんの脳内に言葉を送りました。


「ん? ああ、すーさんか。今はイクセントラの家に行くところだ。ちょっと相談があってな」


【相談ですか。まあ、それはいいとしてですね……興行のビラを見ました】


「どうだった? 驚いただろう?」


 得意げな表情をしながら、イクセントラさんの家へと向かう山田さん。なんかムカつきますね。


【そりゃ驚きますよ。魔物バトルロイヤルといい、山田魔物といい……】


「ああ、あれは……魔物達の顔見せ興行みたいなもんだ。それで俺……本当は魔物バトルロイヤルの方に、山田魔物として出場したかったんだよな。そしたらさ……カルラが実践練習の時のリベンジだとかで、試合を組めってやかましくてさ…

…結局、シングルマッチを組まざるを得なくなったんだ」




【ああ、だから通常試合で山田 VS カルラではなく……特別試合2で山田魔物が出るマッチメイクになったんですね】


「そういう事だ。そして、俺がイクセントラの家に向かっているのも……その為の相談だから、見ない方が楽しめるぞ」


【また……何か良からぬ事を考えてますね。とは言え、ネタバレを先に見る趣味もありませんから……私は他に行きます】


 そんなこんなで……私は山田さんの視点から離れるのでした。




〈にわとりマンって……あのステーキのヤツか!?〉


 はい。にわとりマンさんはプロレスで頑張ることによって……食用からのランクアップが目標らしいですよ。


〈今回……山サルは出ないの!?〉


 山サルは出ませんが……山田魔物で勘弁してください。


〈スライムさんが出場予定だ。今回こそは揉んでやるぞ!〉


 揉むの意味が……鍛えるという意味ならいいんですがね。残念なことに、本来の意味で使われています。


〈スケルトンにデュラハン……そしてフライング・ヘッドって墓場に出る魔物だろ? ヤバいんじゃないのか?〉


 ヤバいのレベルで言うなら……山田さんの方が圧倒しています。安心してください。


〈クモ男って銀貨六枚の魔物だろ? そんなヤツ、どうやって倒すんだよ?〉


 DDT で一撃です。




 と、まあ街の反応は魔物バトルロイヤルで持ち切りのようでした。




 どうやら、次の興行も満員間違いなさそうですね。


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