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「なーアニキ。罪人は捌けた(裁けた)けどこの悪魔どうするッスかー?オレら祓うのは専門外ですしオレらの中でも祓える者なんていましたっけ」
茶髪の男が淡々と話す。筋肉質の体でありタッパにも恵まれ青年を擬態化ような容姿。チャラそうな外見と上下関係自分なりに築いているような様の素振り。
村から少し離れた場所の山から罪人が見える。見下ろす感じになるが下にある村には用が無く要は済んだ。
先程の声を発した青年。座りに適しているそこら辺にあった岩に座っておりさっきの悪魔の尻尾を手に取り体ごと振り回して会話を進める。
「それにしても残酷したしたねー悪魔がやる事ですけど村全体を巻き込み、村ごと心宿村如きに手出すなんてこの悪魔にそんなに力あったッスかー?アニキが直前に作戦変更からビックリしたッスけど村も村でお守り(おまもり)も付けないーあー付けられないかーこんな貧相で増しては村なら尚更」
手癖のように悪魔を振り回しながらも淡々と話す青年。一仕事終え立ち去ろうとする。その時...マント風の上着にビキニアーマーの様な露出度のポニーテールの髪型でフニャフニャに見える靴を履いた足でパタパタと女が声を張りながら駆け寄る。
「こんな所にいたの?探したのだから。それにラン!あなたがいながらこのような状況になるの。やっぱりあなたに任せたのたが良くなかったのかしら」
怒ったり困ったり表情豊かな人。それも嫌味なく心配が勝つ言い方だった。
「悪いっス。でも結局悪事は解決したしこの通り、2人無事だからいいじゃん」
呆れた顔で「あぁそう」っとこぼす女。2人の本当の生還に事実確認出来た事だが次の話題に触れたいから女が話し出す。
「2人共、無事なのは嬉しい事ね。確かに依頼された悪事は解決したみたいだから早速ギルドに戻って手続きし、会議に参加してほしいの」
女は簡潔に説明しマニュアル通り話す。1つの依頼・案件等を受け、解決・処理をしたのならたった小さな事でも1つでも一旦ギルドに戻り手続きをしなくてはならない。(※1度に複数の物を受ける時以外は)
それがこの手のギルドの肩身の狭さと信用と世間の目線だ。
今回の依頼はとある村人の素行が悪い為、出来れば正してほしい、あくまで最終手段で"分かってほしい"事のようだった。こうなる前は他の村人と仲が良く明るい村だったが、とある村人のせいで村全体が不穏で悪くなり始めこれ以上の悪事が働かない為に村の者が依頼したそうだが、ただのランクの低い依頼ではなかった事で想定していた時間より多く費やしたみたい。
それでポニーテールの女が様子を見にと探し駆け寄る事になってしまったのだ。