深夜二時の待ち人。
月の出ない晩に
閉じ込めた素顔
四角い真夜中の部屋
手のひらをかざした 窓の外
あぁ 久遠に輝く夜空の星
ブルーライトが目の奥で光る
声を象るメッセージ
膝抱えたまま潜り込む
一人きりの寝台列車 いつものベッドの上
夢の中の線路を駆け抜ける
終点まで 眠ったまま目を開く
現実を超えて 時間を超えて
輪廻してた 環状線
深夜二時半の駅で降りる
無人の改札口
終電の赤いテールランプが消える何処か
宛ての無い夜の街
明かりの灯る場所に身を寄せる
ドリンクバー頼んで横たわるソファー
日付は深夜 時計の針が右斜めに傾く
ずっと ずっと 見てた右手の
来るか来ないかのメッセージ
淡い予感
青色の光 探し求めて彷徨う 指先
左手につまんだフライドポテト
なんか侘しくて せめて 口寂しいから
隣のブース ひっきりなしの声 電話越し
いいよね
なんも無い画面の 変化の無い日常みたいな
やたら照明が眩しいし 一人きりだからって そんなの
何処へ行くんだろ
深夜のバイク便 赤いブレーキランプ
暗闇に灯って 消えた
流星みたいに
連れて行って欲しかった
名前さえ知らない イニシャルメッセージ
やりとりしてた 何度めかの
世界の何処かで 今日だって
窓ガラス越しに映る素顔
ネオンサインの明かりに重なる
一人きりの 深夜の待ち合わせ
向かい側の誰も居ないソファー
もしかしてを期待して
テーブルに伏せたメッセージの
長い夜の 明けない空の
いつまでも覚めない夢の内側で
カップに口づけた 口唇
眠れない待ち合わせ場所
おやすみって 囁いて欲しかった
音が鳴る 光る 光る
今って時間 世界に一つだけの場所




