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迷宮を目指して  作者: スルー
8/37

4、条件を満たしました

 朝に軽く訓練した後にみんなで新しく来た街に遊びに出ることにした。

 家(というか屋敷)があったのは奥の端っこの方で周りには何も無く外から見ると家が街から除け者にされているようだった

「昔の領主様の忌み子が住み着いていたとかなんとかだって」

「へー、それだけで周りに一切手をつけないんだ」

 ここらは呪われた地域と言われているらしい

「それですと私たちの印象は悪いのでしょうか」

「そうだね、気にする人は気にするね☆」

 昔の何ちゃらを気にする人なんてここにはいないからただの大きなお家だ。ネセリーは庭の手入れをしないとと張り切りネフィがそれを手伝うとはしゃいでいた。

・・・。

 迷宮街と呼ばれるだけあって、そういう人達をよく見かけた

「メーくんの盾を新調しちゃおうか!」

「いや、お金も無いしまだこれも現役だ」

「これから相手していくのは危険な相手なんだよ! いざという時に壊れた!じゃ遅いの! それに防ぎきれないじゃ盾として意味がない、メーくんの危険に遭う確率を減らすにお金もなにもないよ!」

 いつもと違うリーセルトの物言いに驚きながら盾を背負い直して反省する。

「そうだな、ありがとう」

「うん♪」

 どんな盾がいいかの質問を細かく聞きながら武器や防具が売っているお店を探す、といってもいくつもあるのですぐに発見出来たのだが。


「すみません、ここの商品を作っている方はいらっしゃいますか?」

 リーセルトが入って店員にすぐに言った言葉だ、店員は驚いてしまう、そして「わたしです」と自分を指した

「では、盾使い用の盾でどんな攻撃にも耐える盾を下さい」と質問すると店主は考えてしまう、とりあえずとその場所に案内してくれておすすめをいくつか紹介された

「こちらは・・・です!」

「はい…はい…そうですか?」

『リーセ、これだよ?』

 店主の説明を話半分に流しているとネフィが全く違う盾の前に行って指を差した、リーセルトもそれに頷いて流石ネフィと思う、ここの店主はイマイチだと脳に刻んだ。

「ちょっといいですか? こちらは?」

 質問すると自信作ですが耐久面に少し弱くお客様の要望の品で無いと言う、値段は紹介された盾より桁が2つ少ない

「メーくん、持ってみて?」

「え?あ、あぁ

 今のより軽いな、・・いいな」

「うん♪これ下さい♪」

「え、しかし…分かりました」

 会計を済まして出ると初見(はつみ)を大事にするため外で待っていたネリルがメルヘの盾を変えた姿を見て歓喜する

「メーくんさいこー♪」

「・・ありがとう」

「安く済みましたね」

「そうだね、あれが唯一のって感じだったけどね」

『いいのわかった♪』

「偉いよ♪」「すごいですね♪」

『えへへ♪』

 それから食材の買い足しを行い、ギルドの確認をして、街を見歩きながら散策して回ってから帰宅した。

・・・。

 次の日

「全員のCランクまで昇格をお願いします♪」

「・・・・・・・はい?」

「Cランクお願い☆」

「はい!? ええ!」

 カード3人分のをギルドに提出してお願いしたところ、Bランク以上でないなら可能のはずなのに何故か断られてしまった、仕方ないのでEランクをお願いする

「迷宮に入るにはDランク以上じゃないと入れないんだよね…」

『なんで?大丈夫なのに…?』

「登録したての初心者がFランクから一気にだから無理だなとは思ってた」

『んぅ~?』

 決まりになっているのにダメだった理由が理解出来ないで可愛く腕を組んで首を傾げていた


 仲間でのEランクへの課題は本日中にウィフラビット30体の討伐、仲間との連携・協力して、いかに効率よく行動が出来るかの新人には中々難しい課題である。しかし、リーセルトたちには簡単過ぎるので二手に分かれて半分ずつ狩ることにする。

・・・。

《リーセルト・(ネフィ)・(ネセリー)》

 リーセルトは安全のためにみんなに魔法を掛けてウィフラビットの位置を探りネフィに指示していくと鼻歌を奏でながらスイーっと飛んでいくと次々にウィフラビットが空を飛んでいった

「ネセリー大丈夫?」

「はい、こういうことは慣れていますから」

「これからも一緒に出ようね♪」

「はい♪お願いします」

 足手まといなんて誰も気にしないし、みんなそれぞれが共にいたいと思っている。

 2人手を繋ぎやや速いスピードで回収していった。


《メルヘ・ネリル》

「メーくんどうする?」

「俺は避けてしまって見つからないのでお願いしたい」

「うん、任せて☆

 派手なのと地味なのどっちがいい?」

「地味?派手?

 ・・・では派手なので」

「りょーかい☆いっくよー!」

 ネリルは可愛いポーズをとると辺り一帯にドーム型に水が撒かれる、するとウィフラビットがあちらこちらでぴょんぴょんと跳ねている

「ウィフラビットは雨が降ると確認しようと跳ねるんだよ♪」

「そうなのか、ネリーちゃんは物知りだな」

「可愛い?」

「あぁ」

「きゃー♪」

 照れながらも跳ねていたウィフラビットは空中で一瞬だけ動きが止まると着地後どんどん集まってくる、その数30体

「ありゃ?なにか集まっていたのかな?」

「壮観だな」

「やっちゃっていい?残す?」

「やっちゃって大丈夫、お願いします」

「任せて☆」

 集まって来たウィフラビットは次々と魔法の通り風に貫かれたように倒れていった

 ポーズをとるとメルヘは感謝と賞賛の言葉と共に頭を撫でた

「め、メーくん! ・・ありがとう」

「・・どういたしまして」

 2人して真っ赤になりながらウィフラビットを回収して戻っていくのだった。

・・・。

 リーセルト班:約15分

 メルヘ班:約10分

「あ!はやかったね☆」

「噴水見えたよ♪」『きれいだった♪』

「こっちでも数匹跳んでいました」

『ぴょーん♪』

「ぴょーん♪」

 ネフィとネリルのウサギは可愛かった


「えっ… え!?」

「ウィフラビット52体です♪」

 一日掛かりの課題を移動時間含めてもまだ1時間過ぎたくらいなのにもう達成して戻って来た一行に目を丸くしている。 反応がないので昇格を催促してみると慌てたように書き写ししてEランクのカードとなった

「大変申し訳ありませんでした!

 Cランクの申請ですが通しておきます、課題を見繕うので少々お待ち下さい」

 自己責任とはいえ新人の無謀な向上心だと思っていた職員は真剣に探し出す。少ししてから1枚の課題を見せてきた

「12日以内にスパァウッドの討伐し全員で帰ってくることが出来たら達成です」

「わかりました♪」

「失敗しても終わりでないので気を付けて下さいね!」

「ありがとう、いってくるよ♪」

 まず生態を調べることから始まることの多い上位魔物、このメンバーでどう対処するか想像するのだった。


 ギルドを出て疲労度を確認したが誰も疲れていないのでこのまま出発することにした

「スパァウッドは木の魔物で北の寒い地域の方で多く誕生する魔物だったね?」

「えぇ、夜になると囁くように声を発して、火に弱いですね」

「リーセもネセリーさんも知識が豊富ですね」

「「『ありがとう♪』」」

「ネフィ様は関係ないよ!?」

「『あはは♪』」「フフッ♪」

 ネリルは北の方の街を思い出しながら空間から移動した。


 街の中心にある円形広場に出る、雪が積もっていてかなり気温が低く対策してこないと凍え死んでしまうだろう

「寒いね!ショー」

 リーセルトがみんなに魔法を使うとそれぞれの自分の周りだけが暖かくなってポカポカする、ただしネフィには自然の温度が適温なので使わない。

「リーセ、わたしにも教えて?」

「いいけど、こっちの系統は苦手だよね?」

「無理ならあきらめる☆」

「ん、いいよ♪」

 教えてあげる約束をしてスパァウッドを探しに外に出ようとすると門の人に呼び止められた

「お前たち!」

 人通りが少ない場所で不正に入ったことがばれたのかとビクリとしてしまうが違ったらしい

「そんな格好だと体が動かなくなるぞ!救助するにも気付かれない、しっかり準備して行きなさい!」

「こう見えても魔法師でーす☆

 難しい暖かくなる魔法を使っているから大丈夫なんだ☆」

 ネリルが瞬時に昔使っていた証明書を見せると「えぇ!そうなのか!小さいのに凄いな!」と感心して讃えて無事に通してくれた

『ネリーちゃんつかえなーい♪』

「教えてもらうもーんねー♪」

「あ!」

「!!、大じょ…ぶ?」

 歩いていたらメルヘが足を滑らせてしまうが、ネリルが即座に反応して真正面から支えると、バランス崩しているメルヘはそのままに正面から倒れて抱き付く形となった、それでもネリルは微動だにしないが恥ずかしそうにメルヘがこれ以上傾かないように手を回していた。

 ネリルが押せば態勢は戻せるはずなので、リーセルトたちは2人を放置して進むとちょっと進んだところで待って!とネリルがメルヘの手を引いて追いかけてきたよ


 そんなに街から離れていない場所にある木々が立ち並ぶ森の入り口、ここからは警戒を高めないといけない。スパァウッドは普通の人には見分けがつかずに気付かないで近付くと固い根で串刺しにされてしまうのである。

 リーセルトはその威力を記述を基に頭に浮かべて大丈夫と判断する

「スパァウッド探し大会の始まりだよ♪

 見て分かるかな?」

『みつける~♪』

「あれそうですよね?」

『はやいよ~!?』

「ネフィ様も見て分かるんだね」

 ネセリーが指を差した道とはかなり外れたギリギリ見える奥の方にはたしかにスパァウッドが紛れていた、ネフィも瞬間でなければすぐに感じ取れただろう。

 一方でメルヘは目を細めてどれ?とネリルがあれ!と教えているので最初から大会にならなかっただろう、開幕一瞬の決着である。

「優勝はネセリー♪

 メーくん!他にいないからちょっと行って耐えてみて?」

「分かった!」

 メルヘはまずスパァウッドの四方を見て一番開けた場所に移動した、足場が悪く雪が少し深く埋もれて動きがとり辛い。未知の相手に緊張する。喉を鳴らすと静かに近寄っていった、ある程度近付いた時に突然地面が動くが雪で気付くのが遅れ既に真下から感じて慌てて横へ飛ぼう(・・・)としたが足が動かずに足から体を斜めに突き刺すように地面から突き出した

「あ!」

叫んだ時には既に遅く本来ならばやられていただろう、弾いた感触を確かめて何も出来なかった自分が悔しくも待ってくれないスパァウッドに更に近付くとその周囲から2本の根が生えてメルヘへとクネクネと襲いかかった

「はっ、今度は!」

 次々と振り払うように盾で弾き返し応戦し時に身体をズラシている、そんな時、突然身体が軽くなり力いっぱい弾き返すことが出来るようになり一つもくらうことなく対応して見せた

『すごいよメーくん♪ 突然の強化にも振り回されないで使いこなしちゃった♪』

『すごい♪かっこいー♪』

「あとは任せて☆」

 メルヘを襲っていた根が一瞬で金属を切ったような音と共に切れて地面に落ちて、本体も地面と平行に幾つも切られ横にずれ落ちた

「完了☆」

「ネリーちゃんざーんねん♪」

「え?」

『こうだよ♪』

 スパァウッドの顔部にあたる中心を無数に細かく切り刻んだ

「スパァウッドは魔力が集中している場所があるんだけど、そこを再起不能くらいにしないとまたその内再生しちゃうんだ♪」

「そうなんだ!」

「うん♪ だからそこだけ切れればよかったかもね♪」

「くやしいーね、もう一体やってく♪ 待ってて!」

 ネリルはメルヘを褒めてから少し奥の方に行ってしまったのでリーセルトは温かい飲み物をみんなに出して待つことになった

・・・。

 リーセルトも雪の街と繋いでから帰宅して報告だ! 

「何か聞きたいことですか?」

 ギルド職員は準備が終わりスパァウッドについて尋ねに来たのだと確認すると「いえ」と否定され目の前の台にスパァウッドの残骸、そしてギルドの床にきれいな状態のスパァウッドが出され騒然となった。

 あの後別室へと呼び出され移動して、少し待たされると40歳くらいの女性がやってくる

「初めまして、ギルド長のタッカです

 お掛けになられてって、誰も立っていないわね」

「こんばんは♪リーセです」

「ネリーちゃんだよ☆」

「メー・・・メルヘです」

「メーくんでよかったんじゃない? タッカも冗談から始めたんだし」

「さすがに…な…」

 困ったようなタッカはとりあえず自分も椅子に座ると目の前の3人を見つめた

「呼び出した理由は決まりを理解していなくて騒ぎを起こしたことへの注意です!

 大きな魔物をそのままの状態で持ってきた場合は職員への報告して然るべき対応をしてもらって下さい。

あそこに出されても騒ぎになりますし床も汚れ傷つきます」

「「「ごめんなさい」」」

「この決まりを使ったことは初めてですが」

 大型の魔物をそのまま運んでくる人なんていないから確認も含めてギルド長自らが動くこととなったのである

「はい、よろしいです!今後は気を付けて下さい

 こちらは答えなくても結構です、Cランクの中でもBランクに近い強さを持つスパァウッドをどうやって貴方たちが(・・・・・)倒したのですか?」

 今回の昇格の課題がこれに選ばれた理由は実力以外に大きく二つあった

 一つ目はこの辺りのランクから敵が厄介になり下準備も遠征も必要不可欠となるからそれに対応出来るかであるが…

 二つ目にあるのが仲間編成での弱点克服である

 リーセルトたちのチームは「支援魔法使い」「空間魔法師」「盾使い」であり攻撃に精通した者がいないでスパァウッドの根に反応出来る者はいても固い表皮を破る者がいないのだ

 一つ目に含まれる知識は、かかった期間が何故か半日というのはともかく、再生不可の状態にして倒されているから満点だった。しかし二つ目は報告にあったもう一人の同行者はただの友達で力は無いというから、興味から知りたかった。

「風魔法でスパッ☆スパパ☆」

 ネリルがあっけらかんと右手でスパッと切る動作で説明する

「強化するほどでもありませんでした♪」

「ハ?・・・空間魔法師が風魔法でその威力を?

 ・・・いや失礼した」

 メルヘはつい最近まで同じ考え方だったからギルド長の驚きがよく理解できた

「・・ハァ…そうだね…

 リーセルト、ネリル、メルヘ、お前たち仲間のランクをミルヘイユ街ギルド・ギルド長タッカの名の下にBランクとする」

「えぇ!? ミルヘイユって言うんだっけ!」

「そんな名前だったった?」

「・・・」

 もう疲れたって顔を隠そうともしなかった、カードの書き写しして報酬を渡されて解放された。

 丸ごとおさめたこともあって報酬は宿屋約1年分、たった2体なのにウィフラビット何体分だろうか? (ネセリーも含めて)均等に分配しました。

・・・。

 この街が通称、迷宮街と呼ばれる所以は周辺に迷宮が3つあることにある。


「明日は迷宮に挑戦しよっか♪」

『おー♪』

「それで、何処にあるのかな?」

 分からなかったらギルドで聞いてみるつもりだったがしっかり調べているネセリーが知っていた

「はい、まずは街の南方面すぐにあって、そこに攻略が簡単だと言われている迷宮があるそうです

 許可は取らないといけなくなったみたいなのでギルドには行きますね」

「さすがネセリーだね、ありがとう♪」

「どういたしまして♪」

 迷宮は何日かかり滞在するか分からないものである、十分な準備はされているがひとつの楽しみとして料理を作ろうとウィフラビットの時と同じように分かれて用意するのだった。

・・・。

《リーセルト・ネフィ・ネセリー》

「どうぞ♪」

「ありがとー♪」

『~♪~♪~~♪いいよ~♪』

「「『かんせー♪』」」

 何も言ってないのに切り替わるような立ち位置で効率よく進んで、2人がスッと移動すればネフィが入る

 何も言わないでもネセリーがリーセルトが必要としてる物を渡すし、ネフィが時間を管理してる。


*特に問題無く進行して完成して3人ハイタッチ

 メイン、おかず、デザートまで作って短時間で終了


《メルへ・ネリル・(ネフィ)》

 まずは当然だが話し合いから始まる、作り始めや意図を汲んでなんて無理に決まっている。

「わたしとメーくんでも作れるものか、何がいいかな?」

「うーん、簡単に作れるパンに具を挟んだのでいいんじゃないか?」

「そうだね♪失敗しても用意してくれているもんね

 何を挟もうか♪」

「日持ちを気にしないでいいのは助かるな

 せっかく一緒にやるからには最低限料理に挑戦したい」

「・・そーだね☆」

 結局、誰でも出来る、卵を煮る、お肉を焼く、をやることにした。

「卵ってどんな味だっけ?」

「・・・あれは…、甘い?しょっぱいか?」

「だよね!どうやってるんだろう?」

「・・分からないな」

「「うーん」」

 悩んだ結果、甘いは間違い、そしてしょっぱいのだから塩と糖で煮込むことにした

 計量なんてしない、してもどのくらいだから分からないからだ、『少な目なら後から味付け出来る』失敗した時も考慮した(多分薄めになる)味付けだ。

 次はお肉を切る

「薄いの何枚かにするか? 厚いのにするか?」

「メーくんはどっちが好き?」

「俺は薄い方がいいな、ネリーちゃんは?」

「はぅ…、あ、厚いの」

「「・・・」」

 恥ずかしくなって2人で紅くなっていたらネフィがふらりと飛んできた

『♪~♪~。終わったよ♪』

「あ、も、もう完成したんだね」

『うん♪』

 広い厨房の反対側にいるリーセルトたちがネリルたちを見ているのでまだかかるから先に寝ていいと伝えた

『なにかやるよ~♪』

 ネフィは残って手伝うと言ってくれるので卵を見ていてくれと頼んでおく

「半分ずつ作ろっか☆」

「そうだな」

 ネフィが丁度いいと思う時に卵の火を止めてからお肉を切っている2人を見ると『縦だ横に』とかひたすらに切り方に迷走していた

『だいじょーぶ?』

「はーはっは、大丈夫だ!」

「・・・薄く切るのってどうしたら…」

 お肉は歪な形で厚い(ぶつ切り)薄い(細切れ)っぽいのになっていた

 形は失敗だが味に問題はこれから次第だ、お肉を炒めていく

「お肉って何使うっけ?」

「・・・たれみたいの…は無理だから塩か?」

「そうだね♪」

『うん♪』

 メルへがさっき出してあった塩を取る

「メーくん、それ糖だよ♪」

「・・ん?こっちか、ありがとう♪」

『!!、~~♪♪♪』

 あまりに仲良くなっている雰囲気にネフィは嬉しくなって気分が上がって見逃していた

『?、!!、それとう~!』

「「!?」」

 遅かった、少量なのが幸いだけど糖が投入される、2人にもネフィにもこれをどうにかする技術は無い

「変にやったら不味いよね?」

「ちょっと甘いくらいなら大丈夫か? 何もしない方が変にならないか」

『うん…』

 最悪にはなってないからよかったと思う、お肉はそのままネフィがいいと思うまで炒めてパンに挟んで仕舞った。

 卵は・・・白い?これが2人の感想だった、ほんのり黒っぽいのになると思っていたので不思議だった。 ネフィには何が不思議か分からない、後は潰していくと思っていたから

「塩に糖だから当然、白か?」

「考えてみたらそうだね、切ろっか!」

『???』

 2人が作る料理に口を出すつもりはないネフィはあくまでお手伝いだった。

 卵を十字に切ると、思っていた薄く平べったい形にならないことにまた疑問を浮かべるが失敗するのがオチなので何もせずそのままパンに挟んだのであった。

「「出来た」♪」

「メーくんやったね♪」

「そうだな、失敗ばかりだが楽しかったよ」

「わたしもだよ☆

フィー様も・・・っていない?」

「「・・・」」

 少し気まずくなったが2人は達成感に満たされていた。

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