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迷宮を目指して  作者: スルー
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2,5 メイドは待っている

 ネセリーはお嬢様が今何をしているか思い馳せていた。何でか姉からの報告が来ないのです、多分忘れているのでしょう…、会えてない可能性もありますが低いです。

 もうお仲間を見つけられたのか? 迷宮に向けて楽しくはしゃいでいるだろうか? それとも、お外で世界を堪能しまくっているのだろうか? もしかして楽し過ぎて依頼を片っ端から受けているのでは?

 ・・・会いたい…、お供したかった…

 しかし、ネセリーには重要な役割がある。お城の人たち(まわり)にお嬢様が部屋で謹慎していると思わせることだ、幸いなことに誰も彼もがお嬢様に興味が無かったから任せっきりだ。

 親にさえ興味を持たれない理由の1つに一子であり女であったことがある、しかもその子には多量の魔力が宿っていて熱を出しやすかったのでひ弱でとても上には立たせられないと…とてもはやい段階で見捨てられた・・と本人(・・)がとても嬉しそうに語っていた。

 不思議なことにお嬢様は1歳になるくらいにはハッキリと意思を持っていたらしい、4歳くらいまで魔力を制御するのに苦労していてそれが続いて苦しかったと笑っていたが、そのおかげで病弱に見え生きていると、お嬢様が5歳になられた、10歳の時に役目を賜った時にすぐに(・・・)ないしょね♪と聞かされ驚いた、他にも楽しかったお話しから、解っていないと周りに言われ続けた寂しいお話しまで色々とお話ししてくれてすぐに仲良くなれたのだ。

 …実はそういうネセリーも少しずつ毒を盛って衰弱させていけ!と命令されていた。

 何故かお嬢様は厨房にて毒が混入された料理だけは「きょうはたべたくなーい」「これまずーい」て言ってたまたま(・・・・)回避し続けていたと言う。

 ・・・馬鹿でありませんか、偶然が幾度と起こり続けるわけがないのに何故気づかないのでしょうかね?

 お嬢様にコッソリとその任務について話しましたら「だれか、まほうのつかいかたおしえてくれないかなぁ」 呟くように、ネセリーに期待するように言った、ですがネセリーにはその心得はありません。しかし、心当たりはあってそのことをお話しすると目を輝かせて紹介して欲しいと言うのでお手紙を書いて誰にも見つからないようにお城のとある場所に1度擦り置いて戻りました。

 翌日にはすぐに来てくれて、お嬢様に紹介すると始めに「リーセルト!リーセね♪ どくのなおしかたおしえて」と笑ってしまいましたよ、さぞ5歳児に言われて戸惑うかと思いきや

「はーはっは!いいぞ☆」

「おしずかに!」

「おぉっと!可愛いわたしに任せとけ☆」

「だからお静かにして下さい!」

「ごめんなさい…」

 姉は3年契約で約半年前から魔法師として雇われたのだが誰も出来るようにならない、誰も付いていけないと3年分の給料を嫌な顔をされながらふんだ・・・戴いてクビにされたばかりで姉は気分が良い状態だった。

 思い出に浸っていたがピタリと止めてシュッと扉の前に立つと向こう側から控えめな小さな音が聞こえた

「ネセリー終わりましたか?」

「はい」

 お嬢様に向けて話す(・・・・・・・・・)

「お嬢様、失礼致します!

 明日までの課題はしっかりお願い致しますね」

 ぺこりとお辞儀して出ていく、お食事の時(・・お嬢様用の食事の量が徐々に減りだしている)、お勉強の時間、朝と夜、それ以外の時はお城のお仕事をしている、いつか一緒に暮らそう!と言ってくれたお嬢様のために頑張るのだった。


 こんなに早くにその日が来るとはこの時は思っていなかった

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