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迷宮を目指して  作者: スルー
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1,5 移動中の一幕

 リーセルトたちが王都を出て初めての馬車での夜のこと、メルヘは食事をしながら遠慮がちに質問をする

「リーセ」

「なに?」

「その荷物は何処から出てきた?」

「ここ?」

 簡易机やら椅子やらと生活家具が外なのに使われている。リーセルトは開けと小さな声で囁くと隣を指差した、しかしメルヘにはただの空気があるだけで分からない、リーセルトも(面白がって)何も言うつもりがないと分かるともう一つ質問する

「おいしいな」

「そうでしょ!私が(家で)作ったんだよ!」

「それはすごいな!」

「ありがと♪」

「それで、いつ作ったんだ?」

「それは・・・1年くらい前?」

 メルヘは咳き込んだ、リーセルトは料理が出来る機会なんてたまにしかない、許されない。だから、出て行く日に備えて合間を縫っては作り、ちょっとずつ備えていったのだ

「今できたばかりのようだぞ!?」

「そうだよ♪()完成したのだよ」

「作ったのは?」

「1年前」

「分からない…」

 リーセルトとネフィは笑い合っていた、ネフィの食事は自然から取り込む、それでもなおと言うならば魔力を与えればそれが力になるらしい、リーセルトは必要なくてもちょくちょく渡していた

・・・。

 御者人に野営を任されてメルヘは俺が見てるからと言った

『フィーがやるよ!たっくさんあるから♪』

 両手両足をゆっくり広げて自分がいるから必要ないとアピールした、しかしメルヘは子供というフィーにしかも、声から女の子と想像する者に任せるのはと躊躇ってしまう、たくさんあるの意味も分からない

「フィー?大丈夫なのか?」

『だいじょーぶ!』

「フィーありがと♪」

『うん♪リーセもありがと♪』

 リーセルトが手を伸ばすとネフィが近付いて小さな手を重ねた、ポォっとやわらかに何かが流れると気持ちよさそうに吸収していき、ネフィが更にやる気を漲らせた

「必要ないだろうけど念のためだよね」

『そうそう♪』

「???」

 御者人には絶対安心だからと伝えて中で寝ることにする

「座り?寝る?」

 2人横になっても余裕はたっぷりあるくらいには広い

「このままでいい…」

 メルヘは少女(リーセルト)と一緒ということで緊張してしまう

「じゃあ、私もそーしよう!

 あ!その前に!レシーヴ!」

「ん、今何したんだ?」

「私とメルヘをきれいにしたんだよ」

「・・・リーセルト、何でも出来るな」

「何でも・・出来ないよ・・」

「リーセ?」

「うん?」

 何か寂しさを感じたがそれは一瞬でふっとんでいて、反対側の席に座ると大きな厚い布を羽織る。数秒後には寝息がメルヘに聞こえてきてそのあまりの速さに驚くのであった。

「・・・俺には何が出来るのだろうな」

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