0 しゅっぱぁーつ!
「最近は特に暴れ回ったり我が儘は目に余ると至る所から挙がっている、当面は部屋から一歩も出ずに生活しなさい!」
「お父様、何故で御座いましょうか!?」
「自分の胸に聞いてしっかり反省するように!、やはりあの時に…
・・・連れて行きなさい!」
「そんなぁ!」
強制的に部屋を追い出されて自分の部屋に連れていかれてしまった。
軽装に着替えてベッドに座っていると少ししてノックがされた
「ネセリーです、お嬢様、入りますね!!」
返事をする間も無く、お嬢様の専属メイドのネセリーは激しい声を出してドアを開けると美しい所作で礼をして入ってくると寂しそうな顔だった。何か空気が揺れた、メイドはお嬢様の横に座ると下を向いたままにお嬢様に問いかけた
「お嬢様…、もう行かれてしまうのですか?」
お嬢様は正座になり体を向けるとスッと小さな時からお世話になって来たメイドの頭を撫でながらこれまでのことに御礼を並べていく、その時にメイドの目から涙が流れるが瞬間落ちること無くそれは乾いていく
「ネセリー、何かあったら伝えていた通りにしてね♪」
お嬢様は極力明るい声を出していた、メイドは気づいているがどうしても出て行ってしまうお嬢様に堪えられない
「今すぐにでも…」
「それは…ごめんね…」
「…分かっております」
お嬢様は精一杯の気持を込めると2人のまわりに優しい風が吹いた・・・。
「ありがとうございます!
もう大丈夫です、お嬢様・・・ネフィ様もありがとうございました」
メイドの髪が優しく靡いた、誰もいない方へお辞儀をすると静かに立ち上がってお嬢様に向き合う
「お嬢様、当面の間はわたくしがお嬢様の必要なことを行います、部屋からは一切出ないようお願い致しますね!。食事もわたくしが時間になったら運びますので、その他必要な外出には必ず同行しますのでご了承下さいませ!」
「分かりました…」
声は厳しめだったり落ち込んでたりだが、全部普通の表情で半分笑っているのである、そこで|音も無く去っていく音が聞こえ《・・・・・・・・・・・・・・》、クスクスと声を潜めてしばらく笑い合った。
「ネセリー・・ありがとう
もう…行くね!」
「はい…、いえ!どうかお気をつけて!」
「うん!ネセリーも!」
お嬢様は窓を開けて辺りを見渡すと睨む目があり頭を下げて引っ込める
「あは♪睨まれちゃった♪ じゃあね!」
「はい!じゃあね、です!」
メイドは頭を引っ込めて数秒後には窓を閉めたがその時にはお嬢様はお部屋にはすでに居なくなっていて寂しい気持ちでお嬢様の安全と幸せを願うのだった。
*後日、お城の一部の人たちの中で密やかにお嬢様が誘拐され暗殺されたとの噂が流れるのである