番外その九・マナーの歴史
メタです。ちょっと長めですが、ストーリーの外です。
~~作者への質問コーナー~~
A.……パスでお願いします。
ア「ちょっと!まだ何も言ってませんわよ!?」
A.タイトルからして、嫌な予感しかしません。
ア「なぜですの!?やっぱり作者の陰謀でしたのね!?」
Q.何がでしょう……?
ア「王太子のマナーですわ!!どうしてあんなにひどいんですの!?」
A.さあ?何故でしょう?
ア『しらばっくれるんじゃありませんわ!庶民女!いらっしゃい!!代わりに聞き出すのよ!!』
庶『ええ、無茶ぶり……』
ア『……ハニィちゃん☆お願い☆☆出来なかったら、本編でもいつも名前で呼んであげますから☆』
庶『やらせていただきます!!さあ吐け作者!!!』
Q.それは脅迫では……?
ア『いいから白状なさい!』
庶『どうして言えないんですか!!?』
A.アリア様が怒りそうなので、オフレコです。
ア『……いんぼーですのねぇえええええええええ!!!』
庶『どうせメタなんだから、ここだけの話じゃないですか!素直に白状した方が身の為ですよ!?』
A.うーん……。ここだけの話。実は王太子のマナー、そこまで酷くもないんですよねぇ。
庶『え?』
ア『うそ……』
A.“星花”の世界……というか、ヴォルフガング王国限定のお話になりますが、ここのマナーは上位貴族と下位貴族で、ほとんど差がありません。
ア『ああ……そう言えば、前世のラノベでは、爵位が低いとマナーのレベルも低いとか、ありましたわね』
庶『え?アリア様のとこは違うの?』
A.王族含めてみんな一緒です。洗練度に個人差はありますが、それは各人の努力と素質の賜物。階級の差はありません。あるのは、小さい頃から上流階級のマナーなど習う筈もない、平民との間だけです。
庶『ああ、だから……。ヒロインが嗤われるのって、男爵令嬢だからじゃなくて、貴族として育ってこなかったのがバレバレだからだったんですね』
A.はい。男爵令嬢であれ、マナーがないなどあり得ません。それと言うのも、家庭教師の歴史でもちらっとお話しましたが……下位貴族が、「上位貴族に粗相があったらヤベェ」と強く思っている国だからで。何よりもまず、マナーと勢力図を、徹底的に叩き込むのです。無論、親に反抗して駄目なマナーを晒す奴も皆無ではないのですが……。
Q.アリア様。子爵令嬢がマナーをとちって、お茶会の空気を台無しにしたとしたら。「下位貴族はなってない」で片付けられますか?
ア『ふふ、ご冗談を。わたくしの前でそんな無礼を働くなんて。オブ=ナイト公爵家に、喧嘩を売る行為でしてよ?』
庶『こわ!!』
A.勿論、上位貴族は更に上に王家があり、“神の兄弟”である彼らの前に立つ機会が、ぐっと多くなります。マナーに手を抜ける訳がありません。ところが、王族となると……。
庶『あ!上がいない!』
A.まあ、王族内に上下はありますが、言ってしまえば身内な訳で。マナーに対する切迫感が違います。また、七歳~十二歳の国王陛下謁見までに仕上げなければならない貴族と、十二歳~遅いと十六歳でも可の社交界デビューまで猶予のある王族では、早期教育のウエイトも異なります。
ア『他国の王族に失礼じゃあありませんの?』
A.成人までは、正式な外交に参加する事はありません。内外、「非公式の場で子供のやった事」で押し通します。
ア『……理不尽ですわぁああ!!』
庶『アリア様行っちゃいましたけど……私、ちょっと引っ掛かるんですが』
Q.長じて他国の王族に対するなら、しっかり早めにマナー覚えろって話ですね?
庶『それもありますけど……あのアリア様でも、口には出せないんですよ?クァル様のマナー違反を指摘できる貴族がいるんですか?ちゃんと王家でしつけないとマズイでしょ?』
A.アリア様には、絶対オフレコですよ?――実は、アリア様の推測通り、正妃殿下って結構幼妻で。セレナータ妃への対抗意識で励んだ結果、かなり早くに王太子殿下を授かったのですが……。
庶『ちょ!赤裸々!!』
A.大人同士だからいいじゃないですか。……で。正妃殿下にとってはすぐ出来た子ですが、国王陛下にとっては、ちょい年いってから出来た、待望の世継ぎって訳でして。
庶『……“遅くに出来た子は可愛い”?』
A.です。
庶『甘やかしてるんですね……』
A.割と。
尚、「叱った教師の首をはねろ!」とかはやってません。王太子としての教育はやらせてます。
寧ろ、「可愛いすぎて叱れん……。代わりに頼むぞ!」って感じです。