番外その六・飛ばない帆船はただの帆船な件
メタです。短いです。
~~作者からの質問コーナー~~
Q.生誕祭に遅刻寸前のアリア様御一家、どうして馬車を使ったのでしょう?帆船・空式の方が早いのでは?
ア「……そういえばそうですわね?何故でしょう?」
Q.どなたか、知っていそうな方は……?
兄「連れてきたよ~☆」
侍「わたくしめですか!?」
兄「こういうのは、使用人の領分だろう?」
ア「ですわね」
侍「…………」
Q.ご存知ですか?お兄様の侍従さん?
侍「ええ、一応。……第一には、生誕祭での帆船の使用が制限されている事がございます。この日は国中の貴族が王宮に集うため、空路に於いても、渋滞が起こりかねません」
Q.馬車でも、渋滞は起きるのでは?
侍「それは構わないのです。帆船の渋滞の場合、魔力切れによる墜落の危険がございますので……。やはり、生誕祭という慶事に於いて、そのような事故が多発しては問題ですから」
Q.でもそれ、逆に、公爵家が緊急事態だからって言えば通るのでは?他の帆船が飛んでないのでしょう?
侍「……はい、その通りでございます。そもそも禁止ではなく、制限ですので、オブ=ナイト公爵家であれば、通行資格がなくもないのですが」
ア「ちょっと!だったら、ふわっと飛んで行けばよかったじゃあありませんの!」
侍「……お忘れですか?お嬢様」
ア「何をですの?」
侍「お嬢様が王都にいらっしゃる際、その……大変に取り乱され、お顔がはなみ――いえその、言語を絶するご様子になられたと、ご主人様が」
兄「ぶっふ!」
ア「言語を絶するってなんですの!!!えんきょくに言う方がひどいですわ!鼻水まみれの方がマシですわよ!!」
侍「も、申し訳ございません。ともかく……その件がございますので、帆船の存在には触れないようにと、旦那様が、使用人一同に厳命なさっておりまして……」
ア「…………」
兄「あははははは……!」
都合の悪い事を忘れると、ばあやの抱っこで大丈夫な事も忘れる。
ので、懲りずに外を見たがると思われているアリア様。




