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猫と彼岸花

作者: ライーダ山

五年前。両親が死んだ。

休日の昼間。不幸にも強盗に狙われて、殺されたらしい。

幸か不幸か、俺はそのとき祖父母の家に遊びに行っていたから助かった。

祖父母の家から自分の家に帰ると、そこには両親の死体があった。

訳が分からなくて、祖父母の家に助けを呼んで。

祖父母が俺の家に来て、警察を呼んで。

犯人はその後すぐに捕まったが、両親を失ったショックは大きく、俺は塞ぎこんだ。

そんな俺を助けて、支えてくれたのは祖父母だった。

祖父母の家から両親の家、俺の家に引っ越してきて、遺産相続や他にも色々やってくれた。

たまに温泉旅行や色々な所に行ったのは、俺を慰めるためでもあったんだろう。

当時15歳、まだ中学生だった俺じゃ出来ない事も多く、当時から感謝していた。

だが、それで立ち直れるほど俺は大人ではなく。

高校にも行けないまま、俺は無気力に過ごしていた。

俺を色々助けてくれた祖父母も、去年、老人ホームに行って貰った。

もうお年寄りだし、今の俺が色々とお世話出来るとは思えなかったから。

でも恩返しはしたくて、それで老人ホームに。

...老人ホームに送る金だって、両親が遺してくれたお金だし、祖父母が色々な書類を書いて俺の物にしてくれた物だが。

今も、何もせず、無気力に生きて遺産を食い潰すだけ。

何かやっていることといえば、趣味で花を植えてるだけ。

生前、母は花が好きで、庭に花壇を作って花を植えていた。

二年前までは放置していたが、ふと、やりたくなってやり始めた。

植えてる花は彼岸花。

母が死ぬ前に、次は彼岸花を植えようか、そう呟いていたのが記憶に残っていたからだ。

死のイメージがある彼岸花を植えるのは少し躊躇いがあったが、別に彼岸花が両親を殺した訳ではないと、花壇に彼岸花を植えてみた。

だが、赤い彼岸花は植えてない。

彼岸花の赤が、血を連想させたから。

だが彼岸花は、赤以外にも色々あったからそれを植えた。

他の花は植えなかった。

ただ。花壇を弄ってると、ふと母、親のことを思い出せて。

それ以降、花壇を弄るのが趣味になった。

花に水をやって、花壇の土を弄ったり雑草を抜いたり。

その間だけは、無心になれたのだ。

このままでいいのかという焦り、後悔。それを忘れ、母を、親を思い出せるるこの時間が、好きだった。

だが、最近、この癒しの時間を邪魔する者が現れたのだ。


「このっ、やめろっ、こらっ!」

「にゃっにゃっ!」


暑い夏のある日。

セミが植物達を応援するかのように元気に鳴く昼の時間。

無心で花壇を弄っていると、また()()()()猫が来た。

黒い毛。所謂黒猫というやつだ。だが、右の目元に、傷跡のように白い毛がある。

彼岸花には毒があるのに、こいつ肌かぶれたりしないのか、と思いながら思い出す。

一ヶ月くらい前だろうか。そのくらいに、この猫は現れた。

花壇を弄っているときに現れ、最初は特に気にしてなかったが、花壇を荒らし始めたので追い払ったのだ。

それから暫くは現れなかったのだが、一週間後、買い物から帰ったら、庭の花壇で、植えられた彼岸花を踏み潰しながら丸まって、寛いでいたのだ。

即座に追い払った。

それからだ。余程寝心地が良かったのか、その猫は毎日来るようになった。

幸いなことに、いつも俺が花壇を弄る時間に来るのでその一回以外は踏み荒らされた事は無いが。

そうして毎日やりあっているうちに、愛着が湧いてきた。

だから今日は、猫じゃらしを用意してみた。


「ふっふっふ、これを見ろォ!」

「にゃ?」


猫じゃらしを出しても、最初はピンと来なかったようだが、目の前で揺らすと段々と目の色が変わってくる。


「ほ〜らほ〜ら、ゆ〜らゆ〜ら」

「にゃ〜にゃ〜にゃ〜...にゃっ!」

「おっと! ほら、ここだぞ〜」

「にゃっ! にっににゃ! にゃ!」

成功だ! 猫は猫じゃらしで遊び始めた。


目の前で揺らしたりフェイントかけたりしながら、猫じゃらしで遊んでいると、猫じゃらしを猫に取られてしまった。

猫は猫じゃらしを取ると、地面に置いて先をひたすら弄りまわしていた。

そして満足したのか、そのまま去っていった。

それから暫くは、俺が花壇弄りをして、猫が来ると猫じゃらしで遊んで、そして帰る、こんな流れで過ごしていた。

こうして猫と遊んでいるとそれ相応に愛着がわくもので、名前を付けてみた。

『クロ』だ。安直だが、変に捻ってカッコ悪いのよりはいいだろ。なぁ、クロ。

ちょうど来たクロに問いかけると、クロは「にぁぁぉ」とあくびで返してきた。

いつものように猫じゃらしを出すと、クロは分かりやすく反応する。


「ふっふっふ、今日はこれだけじゃないぞ」


右に持っていた猫じゃらしを左手に持ち、右手を後ろに回す。


「ほら! 今日は二刀流だ!」


右手を前に戻す。両手に一本ずつ猫じゃらしを持っている。

...また猫じゃらしなのは許して欲しい。まだ買い物に行っていないのだ。

俺の買い物の仕方は、定期的に買い物に行って、必要なものはその時一気に買うのだ。

その買い物の日は明日。なので今日は猫じゃらし二刀流だ。


「にゃにゃにゃ〜にゃおぉぉ...にゃっにゃっ!」


二本の猫じゃらしを揺らすと、クロは興奮して、跳び付く体制に入る。

どっちを狙うか迷ったあと、右の猫じゃらし目掛けて跳んできた。

それを避けて、また揺らす。


「にゃっにゃっにゃっ!」


今日も沢山遊んだ。楽しかった。

最近、俺も明るくなってきたと思う。

働くことも考えられるようになってきた。

余裕が出来てきたのだ。

クロと遊んでいるおかげだろう。

また明日も遊ぼう。

明日は猫の玩具を買おう。どんな玩具を買おうかな。

そう考えながら、眠りについた。


次の日。

今日は雨だった。不吉なことを予感させるかのような雨で、今日は買い物に行くか迷った。

だがクロの玩具を買うのだ。そう思って、買い物に出かけた。

買い物から帰るとき、ふと。両親が死んだ日も雨だったな。それを思い出して、怖くなって、走って帰った。


「ただいま〜! よし、クロ〜! 今日はお前の玩具買ってきたからな! 楽しみにしてろよ!」


不安を振り払う為に、まるでクロに言うかのように声を出す。

色々買った玩具と、()()()()()を入れた袋を持って花壇がある庭に駆け足で向かう。

今日は雨だしクロ来ないかもな、そんなことを考えながら花壇を見る。


「え...」


花壇では、彼岸花が食い散らかされたように荒れていた。

一瞬、俺が遅かったからクロが花壇荒らしちゃったか、と脳天気なことを考えてしまったが、気付く。

()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

彼岸花は、毒を持つ。花にも、茎にも。

もし、彼岸花を食べたのがクロなら。確実に致死量は食べてる。

そう考えた瞬間、足は勝手に動き出していた。

腕を振る。玩具を入れていた袋はいつのまにか落としていた。

足を動かす。雨で足が滑るが、それでも全力で動かす。


「クロ...! クローーーーー!」


道路に出る。左右。居ない。そもそもクロはいつもどこに居るんだ。

玄関を出て右方向に行く。買い物をしに行った方向とは逆方向だ。

走る。足を動かす。腕を振る。

だがすぐに、家近くで倒れてるかもしれないと、家を足を動かす。


「ーーーー! ーーーー!」


クロを呼ぼうとしても声が出ない。

走る。

家の周りを探す。必死に目を動かす。文字通り血眼になっても動かす。

何処だ、何処だ、何処だ。あっちか! どこだ! クロ...! はやく! どこだ!

頭がぐるぐる回る。考えるよりも足を、手を、目を動かす。


「ーーー! クロぉ!」


見つけた。家の裏に居た。そんなことより、倒れている。病院、病院に!

急いで、丁寧にクロを持ち上げる。

いやに冷たい気がする。雨のせいだろうか。

これだけ冷えてしまうと風邪を引くかもしれない。早く暖かい所へ。

家の中を靴を履いたまま通り、途中で毛布を取り出しクロを包みながら家を出る。

病院へ、病院へ!

病院を目指して付いたのは、いつも俺が行く病院。

動物用じゃない。そんなことを考えながら、でも足は病院の中へ俺とクロを連れて行く。

中に居る人が俺を見る。気がつけば、俺はずぶ濡れだった。


「...! クロ! クロが! ...! 猫、猫、猫が!」


気が付けば、受付に詰め寄っていた。

しっかり伝えないと、でもクロが、クロが、はやく、でも。

頭がぐるぐる回る。こんなことなら来る間に考えておけば、それよりクロが、はやくはやくはやく!


「...!? え、あ、お、落ち着いて! 猫? 近くの動物病院ならここを曲がって、そこを真っ直ぐにいって右に...」


受付の所に居た人に教えて貰った動物病院へ走る。とにかく全力で走る。

...出るとき、病院の自動ドアが開いていて良かったかもしれない。

開いてなければ、割ってでもはやく外に出ようとしたから。

動物病院に着いた。すぐに用件を伝える。


「クロ! ッ猫が! 猫が彼岸花を、家で倒れて、はやく! はやく医者を!」


俺が大声で言うと、受付は萎縮して、何も出来ていない。

だが、騒ぎを聞きつけた医者が出てきたので、その人に詰め寄り、クロに巻いていた毛布を取って見せる。


「あのっ! クロが! っ彼岸花を食べて! それで倒れて! あの!」


医者の人は、俺に気圧されながら、でも俺の話を聴いてくれたらしく、クロを受け取ってくれた。


「...はい、はい。分かりました。でも...いや、出来るだけの事はしましょう」


そう言ってクロを持ったまま奥へ行こうとした時、一瞬、クロの鳴き声が聞こえた。

それを聞いた瞬間、疲れていたはずの俺の足は、驚くほど速く動いて、医者の前に回り込んだ。


「クロ? クロ! どうした!?」


俺が声をかけると、クロは「にゃぉぉ...」と、体全体を俺の方へ動かそうとした。

俺は途端に医者からクロを奪い取り、「クロ、どうした?」と語りかける。

するとクロは、俺の胸に顔を擦り付けながら、()()()


「...よろしく、お願いします」


医者にクロを渡そうとするが、医者は受け取ろうとしない。


「...残念ですが、この子は、死んでいたんです。今、動いたのは奇跡なんです」

「...」


医者の言葉に何も反応しないのは、元から察していたのか、反応する気力が無いのか。

俺は、ただ無言で病院を出た。

その後の記憶は、無い。


気がついたら、ベッドの中で、朝だった。

昨日の事は、動物病院の所までは覚えている。

クロはどうしたのか、一瞬考えて、すぐに思い出す。

昨日、家に帰って、クロ。庭の、花壇の横に埋めたことを。

それを思い出した瞬間、俺は走って庭に向かった。


「クロ...」


庭の、花壇。その横の土が、少し膨らんでいる。

掘り返そうか。そう思っても、出来なかった。

掘り返しても、クロは起きない。ただ、それが、辛かった。


「ゴホッ ゴホッ ...ぜぇ...はぁ...」


...どうやら風邪を引いたらしい。

昨日、雨の中であれだけ走ったのだ。当然と言えば当然だろう。

取り敢えず、朝ご飯を食べてから、布団に入る。


それから2日、俺は寝続けた。

風邪が酷かったということもあるし、それ以上に、クロが死んだショックがあった。

起きた俺が最初にしたことは、家の掃除だった。

あの日、家の中を通って急いで通ったせいで、家の中は泥まみれだ。

その上、その日買い物で買ったものも、いくつかは踏んで駄目にしていたのだ。

だから掃除の後は、買い物に出かける。

その時に、動物病院にも寄った。

後から思い出すと、色々と失礼なことをしていた記憶があるからだ。

そして謝るときに、あのときの医者から、あることを教えて貰った。

それは、クロが死んだのは、彼岸花が原因ではない、ということだった。

なんでも、クロの体には色々な傷があって、それが原因らしい。

クロは、昼は俺と遊んでいても、野良猫だ。

他の何かと戦うことがあったんだろう。

そう考えると、家に入れておけば、飼っていれば、という後悔に襲われた。

庭を探すと、俺がクロの為に買った玩具ととっておきが入った袋があった。

しばらく考えて、俺はゴミ箱に向かった。

袋の中の物を一つずつ取り出して、ゴミ箱に入れる。


「...」


最後の一つ。俺がクロの為に買った、()()()()()

猫缶だった。これは、別のゴミ箱に捨てなければならない。

中身と缶を別々に捨てる為に、缶を開けて、中身をゴミ箱に入れる。缶も、別のゴミ箱に、捨てた。

猫缶を見つめる視界は、ぼやけていた。


それからは、ただひたすら起きたら寝るだけの、無気力な生活に戻っていた。

趣味だった花壇弄りも、やっていない。

彼岸花を育てる気は無かった。例えクロが死んだ原因ではなくとも。

他の花を育てる気力も無かった。何かをやる気力が無かった。

ただ、死んだように生きてるだけ。それが今の俺だった。


一ヶ月後。

俺は買い物に出ていた。

何もやる気が無い。だが死ぬ気も無い。

必要な物を買って、そして家に帰ろうとしたとき。

にゃあ

そんな、猫の鳴き声が聞こえた。

それが、まるでクロが呼んでいるようで。

俺の足は、自然とペットショップへ向かっていた。


「...!」


にゃあ

と俺を見て鳴くのは、全身の毛が白い白猫。

だが左の目元に傷跡のように黒い毛がある。

まるでクロを逆にしたような猫だった。

そこからは何も考えられなかった。

その猫を買って、そして家に帰って。

リビングに入って、やっと落ち着いた。

猫を、ゲージから出す。

この猫を買うときに、他にも色々と買った。

猫は、クロと名付けた。

どう見ても白いが、クロとしか名付けられなかった。

その日は、そのままクロに餌をやって、寝た。


その日から、俺の家は騒がしくなった。

クロが家の中で暴れるのもあるし、それを見て俺が少し元気を取り戻したのもある。

...この白猫がクロではないのは分かっていた。

でも、目元の毛を見てから、この猫が、クロと関係があるとしか思えなくなった。


ある日。

クロが、いつも通り家の中で暴れていた。

家の中の物を倒したり落としたりで、止めようとしても止まらない。

少しは片付けることも考えて欲しかった。

いつのまにかクロは、庭側の窓際にいて、開けろと言わんばかりに俺を見る。

俺が窓を開けるとクロは

にゃあ

と鳴いて庭へ出た。

庭ねでたクロは、花壇の横に来ると、そこを掘り始めた。

そこは、クロを埋めた場所。

慌てて止めようとして。でも、止められなかった。

どれだけ止めようと思っても、体が動かなかった。

クロは、どんどんと、掘り進めていく。そろそろ埋めた所に行きそうで。

止めようとして。やっとの事で出来たのが、声をかけることだった。


「なぁ、クロ...」


にゃあ

気がつけば。

クロは掘るのをやめていた。

そして俺が見ろ、と言わんばかりに、クロがその場をどく。


「はっ...?」


俺が穴を覗いた瞬間、彼岸花が()()()()

そう、成長したのだ。

まるで早送りのように、芽の状態から、開花まで。

その様子は美しく、されど有り得ないものだった。

穴を見る。

穴は、ちょうどクロを埋めた所くらいまで掘られていた。

だが、そこにはクロは無かった。

あるのは彼岸花が一輪。

まるでクロの代わりに彼岸花が咲いたかのようだった。

そんなわけない。

そう考えながら、赤い彼岸花を手に取る。

赤。

血を連想させるから嫌いだったが、不思議とその赤は血を連想させなかった。

周りを見ると、クロが居なかった。

だが、不安も焦りも、恐怖も無かった。

彼岸花。

花言葉は、「転生」「再会」「また会う楽しみ」

これは、クロが残したメッセージだと思う。

不思議と、その考えが正しいような気がして。

にゃあ

「またな。次会ったら猫缶あげるから。俺のとっておきだ」

いつのまにか机の上にあった猫缶を見ながら、俺はそう言った。




一年後。


「...はあぁぁぁ...また駄目か...」


俺は就活をしていた。

あの日、クロに赤い彼岸花を見せて貰った日から、俺は働く為に動いていた。

今はバイトなんかをしながら、色々な会社の面接やらを受けていた。

祖父母は無気力に生きていた俺が働こうとしていることに喜んでいた。

その喜びようといったら、あと数十年は生きてそうな程。

正直、こんなに喜んでくれるならもっと早くにやれば良かった、と後悔していた。

そんな感じで過ごしている日々。

俺はふと、庭を見た。花壇には、また彼岸花が咲いていた。

今度は赤もあり、彼岸花らしい花壇だった。

それと同時に、机の上に置いてある猫缶を見る。

あれから、クロとはまだ再会出来ていない。

まだ一年だが、それでも再会したいという思いは日々強くなるばかり。

そんな風に回想していると、気づけばバイトの時間。


「やべっ!?もう出ないと!」


急いでカバンを持って玄関に向かう。


「にゃあ」


玄関を開けると、目の前に黒猫が居た。

両方の目元に傷跡のようなものがある。

何か法則でもあるのかと苦笑し、いつも持っている猫じゃらしを出す。

黒猫が分かりやすく反応した。

それは、クロと完全に一緒で...

一歩、前に踏み出すと、そのまま走って、()()を抱っこする。


「クロぉ! クロ! クロッ!」

「にゃっにゃにゃにゃぉぉぉぉ」

「お前遅いんだよっ! ほらっ家の中に入れ

...あっヤベッ! バイト今日休みって連絡しないと!?」

「にゃおおぉぉぉ」

「くっ...ちょっとまってろクロ! 今、猫缶開けてやるから!」


...なんとクロと再会出来た。

今日はバイトは休みだ。

クロと再会したんだ。クロと離れることなんて出来ない。

これで就職出来れば完璧なんだけどなぁ...と思いながら、猫缶を開ける。

今度はゴミ箱じゃなくてクロの口の中に入っていく俺の()()()()()を見つめる視界は、またぼやけていた。

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