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第三部からの登場人物 ※ネタバレ注意

こちらは第三部から登場したキャラクターです。

該当するお話を読んでいない方はネタバレ注意です。

 ・No.96~98 暗殺結社の幹部たち


 裏社会では知らぬ者はいないと言われる組織の暗殺者たち。その中でも戦闘力や暗殺技術に優れた者たちは『黒刃(こくじん)』ブラフィナックと呼ばれる。

 スウサ砦の防衛戦でジグが倒したブラフィナックは黒刃の中でも『影』と呼ばれる暗殺者だった。


透化(とうか)』→教会に張られた結界の内部に侵入してきた女暗殺者。恩恵で得た万物をすり抜ける力を駆使して暗殺を行う。ただし連続使用は不可能で、一度使うと十秒ほどは使えないうえ効果時間もほんの数秒間。


鎖縛(さばく)』→森でラジクを足止めした暗殺者でこの時のリーダー。恩恵で得た鎖の魔法を使って敵の自由を奪う。ただし相手の力次第では破られるので、ラジクには味方がダメージを与え消耗させてから使った。生前の『影』とは仲が良かったため、仇討ちとジグへの嫌がらせのために教会を狙った。


膂力(りょりょく)』→身長2メートルにも及ぶ大男で身体強化に優れた剛腕の暗殺者。共に教会を襲撃した透化が結界内に侵入してるあいだにモルドを足止めした。ただし作中の描写は無い気の毒な人。


『影』の討伐の際には懸賞金が支払われたが、これら三人はどの暗殺に関わったか不明なため懸賞金の設定はされていない。

 しかし、暗殺者の討伐自体を国やギルドが推奨しているため、構成員だとわかる証拠があって申請すればそれなりの金額は支払われ、特に有名な者と判明した場合は値段も跳ね上がる。



 ◆◆◆◆◆


 No.99 ミストクローク (黒田崇矢さん)


 護聖八騎の一人で二つ名は『霧天空移(むてんくうい)』。全身黒の革鎧を纏い、黒髪に黒い目をした壮年の男性。

 前線に出たり他の者達の指揮を執ることの多い他の護聖八騎とは違って裏方の仕事が多く、騎士団の中でも彼がどこで何をしているのかを知っているのはごく一部。しかし上級騎士になって以降は護聖八騎就任後も含めて、任務達成率は100%を誇る。

 魔族の父と人間の母から生まれたハーフだが、母と共に人間の中で育ったため魔王軍や魔族とは関わりが無いうえ、環境にも適応できるため魔族領にいる魔王軍残党への諜報任務には最適。

 生まれの影響もあってか表立った行動は少なく、同じ護聖八騎以外の騎士との関わりも少ないがラジクとは仲が良く、意外と面倒見もいい。モルドとも顔見知り程度には面識が有る。

 過去に一度だけ、ノクティナス・イビル・トレントと遭遇したことがある。

 奥の手は霧影と空移陣を連続使用し、両手に持った剣に天光剣を発動させた高速移動による斬撃。ただし、消耗が激しいので長時間の使用は不可。

 しかし、それらも魔族の力を引き出すことで延長は可能(それでも10~15分程度)。魔力の増大に伴って戦闘力も跳ね上がるが、反動で数日は寝込むことになる。

 グロースデンの事件後はアドルピスカやサイモンの所を訪れたのち、引き続き僅かな手掛かりを元に追跡対象を追い続けている。


 判明している得意技は二つ名の由来となった、浄化の力を持ち熱線魔法を刃にしたような天光剣(てんこうけん)、黒い霧となって敵の攻撃を無効化すると同時に一瞬のタイムラグはあるが近距離に瞬間移動できる霧影(きりかげ)、展開した魔法陣を設置することでその間を霧影よりも長い距離にわたって更にタイムラグも無く瞬時に移動できる空移陣(くういじん)など。


 魔力の属性は水、強力な闇と光。

 作中初登場→現在の年齢 41歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.100 デリマ


 グロースデンの街で古い宿屋(デリマの宿屋)を経営する、白髪頭に鶏ガラみたいな体型のタバコ好きな女性。口調と接客態度は悪いが料理の腕は一級品で、ルミアが次の食の女神にと推した事もある万能メイド・セリカに匹敵するほど。

 夫を早くに亡くしたが女手一つで息子を育てあげ、その息子であるデンジェールが冒険者を引退した後は二人で宿屋を経営していた。

 しかしデンジェールが亡くなると宿の維持も難しくなってきて、次第に汚れや破損が増えてきていたが、彼女の料理に胃袋を掴まれた古い馴染み客や周囲の協力のお陰でどうにか続けている。


 ラジクとは古い付き合いで、彼がまだ若い頃スリに遭って無一文のところを皿洗いをするならと言って泊めたことがあり、今でも手紙のやり取りをしている。ラジクはグロースデン近くに来た時には必ずここを訪れる。

 若い頃は冒険者をしていて、その実力はたった一年で第二級冒険者になるほど。美人で第一級冒険者になるのもそう遠くないと言われるほどの実力も備えた彼女はグロースデンの英雄だったが、宿屋を経営していた後の夫と出会うと一目惚れして引退。

 周りからは引き留められたが彼女の意志は固く、しかしグロースデンの発展には協力したいという気持ちもあったため、結婚して息子のデンジェールが生まれた後も数年間はギルドの手に負えない案件だけは、仕方ないと言って引き受けていた。

 デンジェールはそんな母を見ていたため、自身の引退後も殺人事件を追うなどして街のために尽くした。

 ちなみにジグたちが滞在している間、気付かれないよう地味にだがスズカの世話も焼いていて懐かれていたりする。


 作中初登場→現在の年齢 70歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.101 デンジェール


 デリマの息子。幼い頃から体格に恵まれ、父を早くに亡くした事もあって母に楽をさせるため冒険者となった。

 面倒見が良く周囲の冒険者にも信頼された彼は、仲間たちと様々な依頼を達成して名を上げ、最終的には第四級にまで昇格した。

 そして任務で単身グロースデンを訪れた若い頃のラジクに協力して、モンスター討伐を果たしたこともある。

 騎士とは言えまだ若く剣術以外は未熟だったラジクに戦い方や皿洗い、野営の仕方など自分が冒険者としてそれまでに経験した様々な事を教え、短期間だが良き先輩、良き友人として過ごした。


 冒険者を引退後はデリマと共に宿屋を営んでいたが、殺人事件が起こっているのを聞いて街の巡回をし、犯人と遭遇して殺された。現在のグロースデン支部のギルドマスターとは冒険者であり友人だった。


 作中では既に亡くなっている。享年54。



 ◆◆◆◆◆


 No.102 エウサム


 グロースデン出身の第七級冒険者。青い髪と目をした好青年で、病弱な母と年の離れた妹・エヴァンスと共に暮らしている。

 殺人事件の第一被害者であるエミリーは彼の姉である事から、捜査をしているジグたちに協力を申し出るが最初は怪しまれ、誤解が解けた後も慣れていないと連携が取れず危険ということから同行は断られた。

 彼自身、第二の物乞い老人や第三の酒場の看板娘であるマリー殺害事件など、被害者とは顔見知りだったこともあって騎士団や軍からも嫌疑をかけられたが、事件の際には依頼遂行中でアリバイがあり周囲の冒険者からも信頼されているため、現在は疑いが晴れている。姉のエミリーとはただならぬ関係にあった。


 殺人事件の解決後はデリマと共に暮らし、宿屋の仕事に扱き使われながらも穏やかな日々を送っている。

 デリマとデンジェール母子のことを聞いた被害者の関係者からは危害を加えられる事こそ無かったが、相変わらず風当たりは冷たいことも承知していて、妹の代わりに償うべく仕事の合間をみては街や住民のために動いている。


 作中初登場→現在の年齢 26歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.103 エヴァンス


 エミリーとエウサムの妹。顎くらいまでの桃色の髪に青い目をした十代前半の女の子。姉のエミリー亡き後は気丈に振る舞い、冒険者として留守にしがちな兄の代わりに病弱な母の面倒をよく見ている。

 兄と姉の関係を目撃して絶望し、森を彷徨っていたところで謎の魔導師に出会う。

 エウサムが姉に似ていると言ってルミアを見るのを嫌がるほど重度のブラコン。


 作中初登場→現在の年齢 14歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.104、105 ドウガ&ゴルドゥス


 No.104 ドウガ

 グロースデンでは有名な第四級冒険者で郷土愛の強い男。頭から足の先までを金属鎧で固めハンマーを振るう重戦士にして、二つのパーティーの纏め役。

 今ではパーティーの副リーダーで同級冒険者の射手・ゴルドゥスとは昔ライバル関係にあったが、ある依頼を協力して達成したことで組むようになった。

 黒大樹との戦いでは足止め班の一翼を担ったが、即死の実を受けて死亡した。


 魔力の属性は土。

 作中初登場→現在の年齢 享年33。



 No.105 ゴルドゥス

 グロースデンの第四級冒険者で二つのパーティーの副リーダーを務める射手。前衛で敵を相手にしながら皆を鼓舞するドウガに対して、後方から冷静に指示を出す司令塔。

 性格の真逆なドウガとは水と油のような関係だったが、二人のパーティーの他にも複数が合同で受けた依頼で窮地に陥り、生き残るために協力したことで打ち解けた。

 その後も単独では不可能な依頼を協力して達成したことで、グロースデンにおいて知らない人はいないほど有名なパーティーに成長した。


 魔力の属性は火。

 作中初登場→現在の年齢 31歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.106 ヴァルドル


 王都リッツソリスから大山脈を越えた向こうの街、エンデノールへの山道を見て回る管理人にして第一級冒険者。二つ名は『崩掌(ほうしょう)』。

 チクチクしそうな黒いヒゲを蓄え筋肉質な見た目は、完全に熊のような山男。ただ、威圧感のある見た目とは裏腹に顔つきは人懐っこく優しい。気さくな性格で初対面の自分に隙を見せ過ぎたイリトゥエルに対して、注意を促すなど親切な面もある。

 姿を見たジグからはモルドやオケアマレヴと比べられるほど、歳の割に若々しく無駄なく鍛え上げられた肉体を持つ。

 年齢的に引退を考えているが、その代わりのように持ち上がったギルドマスター就任の話などを断るため、人里離れた山で静かに暮らす管理人の役目を買って出た。お試し期間として始まった山小屋生活も既に数年が経過しているため、実質的に彼の企みは成功している。


 魔力の属性は土、火、無。

 作中初登場→現在の年齢 57歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.108 ココロコ (石見舞菜香さん)


 剛力と強力な氷属性を誇る戦闘種族として名高い氷雪族であり、首くらいまでの蒼白色の髪に透き通るような水色の瞳をした少女。氷雪族には珍しく気弱な性格で争いを好まず人見知りで、自他共に認める弱虫・泣き虫としてシェシャン集落の子供たちからは仲間外れにされていた。

 これについては氷雪族は子供たちだけでも狩りも行うため、ココロコが怪我をしたり危ない目に遭わないようにと周りの子らが気を遣った結果だが、やり方や言い方が悪かったためイジメているように受け取られていた。

 身長は130センチ弱と13歳の氷雪族としては平均より僅かに小さいくらいだが、人間種と比べるとだいぶ小さく年相応に見るのは難しい。

 同年代から仲間外れにされるのは自分の性格以外にも、力も才能も勇気も無く氷雪族なのに氷属性も持たない落ちこぼれだからと本人は思っていたが、祖父である氷雪族の大戦士・キラカラや村長はココロコには何かあると判断され、特に村長からは無理に魔法や戦闘の訓練を受けさせられていた。

 ただし、ココロコ自身の性格や村長夫人が庇ったこともあってなかなか思うようにはいかず、友達代わりのストーンゴーレムを作ったり、目標に向けて物を投げるくらいしか出来なかった。

 集落が襲われた際には一人で森に入り眠ってしまっていた結果、自身は巻き込まれなかったがそれを少し悔いてもいる。また、この事件を機に精神的に随分と成長した。

 一人で居るときにモンスターに襲われ、その際に儀式も受けていない未成年にも拘わらず恩恵の武具を獲得した。そして前述の特技とこの恩恵は後にジグたちを大いに助ける事になる。

 本人の中身は至って普通の少女だが種族的な強さは確かに持ち合わせていて、スズカは本能でそれを察知して噛みついたりはせず懐き、初対面の際にラジクも強者の風格のようなものをココロコに対して感じたため完全に気を抜くことは無かった。

 これについてはココロコの中に双子の姉であり、生まれた直後に亡くなったロコがいるためだがレストミリアでも完全には把握できなかった。(ロコについて詳しくはNo.110参照)

 ココロコの名前は本来ココだが、ロコが亡くなったため姉の分まで生きて欲しいと両親が付け加えた。


 ココの危機の際にはロコの意識が表に出てきて敵を撃退することもあるが、ココの体が姉の力についていけないため、ほんの短い間だけでも骨折などの怪我に発展する。

 しかしそれもエンデノールでの一件の後、冒険者として教会に移住したココロコがモルドやラジクに鍛えられた事もあり、ロコの力にだいぶ耐えられるようになった。

 浄化可能な属性を持たないことが原因なのかは分からないが実はアンデッドが苦手で、スケルトン系の武器で攻撃可能なものはギリギリ耐えられるが、通常攻撃の効かない幽霊系を見るとかなり狼狽える。


 持ち物については、集落が襲われた原因を探る際に祖父から託された鉈を入手し、更にその後で姿を現した氷影竜グラスキアから本人の姿を象った蒼い指輪を貰った。


 判明している得意技は、怪力を活かした武器などの投擲、恩恵の武具にして堅牢無比の鎧である『不抜(ふばつ)堅鎧(けんがい)』と、鎧そのものに付与されている特技で対象の注意を自分に引きつける『狂戦の波動(バーサーク・ロアー)』、地面を強く踏みしめて局地的な地震や地割れを起こす『土震衝(どしんしょう)』、投石、鉈の投擲、指弾、モルドとの修行で身に付けた『砕拳(さいけん)』など。


 魔力の属性は土、弱い無。

 作中初登場→現在の年齢 13歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.109 シェシャン集落の氷雪族たち


 ・イアン

 シェシャン集落に住んでいた氷雪族の少年で、ココロコと同い年のガキ大将的存在だった。

 氷雪族は子供たちだけでも狩りをすることがあるが、ココロコは性格的に狩りに行くのが危険だったため、あえて厳しい言葉を投げかけては村に残した。

 その反面、自分の獲得した獲物などをココロコに分けてやることもあり、彼なりにココロコのことは気にしていたが素直な気持ちはとうとう伝えることの無いまま、氷竜の襲撃によって他の氷雪族と同じく命を落とした。


 ・村長と村長夫人

 集落を束ねる最年長の老夫婦。頑固な夫と普段は優しいけど怒ると怖い妻。

 村長はココロコの才能に気づいて鍛練を積ませようとするが、半ベソをかきながらしごかれるココロコを見ていつも妻が庇っていた。

 二人とも氷竜の襲撃によって命を落とした。


 ◆◆◆◆◆


 No.110 ロコ


 ココの双子の姉にしてシェシャン集落の麒麟児。生まれつき膨大な力を持っていたが、そのせいで赤子である自身の体が保たず命を落としそうになり、妹のココの呼び掛けに応じる形で彼女の体に移り、意識は保っていたが力は休眠状態にしていた。

 両親や祖父母からは誕生した時点で集落始まって以来の天才と目され、その力を期待されていたが生後間もなく死んでしまった事もあり、姉の分まで生きるようにと妹のココに彼女の名前を足して、今のココロコとなった。


 双子ではあるが姉妹の性格は対称的で、気弱な妹とは逆に姉のロコは氷雪族らしくかなり好戦的。そしてその実力は氷竜の牙を逃れ、それを一撃で叩き折るほど。

 同時に今の自分が存在するのは妹のお陰だと大変感謝しており、ココの事はとても大切に想っている。

 ロコの意識が表面に現れた際には、ココの瞳の色は蒼から紅へと変化して、口調や表情も別人のように変わる。


 妹とは別にロコの恩恵もあり、防御的性格の強いココの鎧に対して、ロコのそれは超攻撃型の双鎚。

 蒼氷色で使い手の身の丈ほども有る大きなハンマーには、ある程度の追跡機能も備わっており破壊力も絶大。

 武器の備えられた魔法は相手の恐怖を煽り、体と魔力の自由を奪う効果を持つ。しかし、相手の強さによってはその効果が減衰することもある。


 判明している得意技は各種氷魔法、恩恵の武器である『殲姫双鎚(せんきそうつい)』、敵の動きや魔力の自由を奪う『狂慄の波動(フィアーズ・ハウル)』など。


 魔力の属性は強力な氷、弱い無。

 作中初登場→現在の年齢 13歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.111 ラザーム


 セントリングの上級治癒術士。目にかかるくらいの銀髪に青い瞳、冷たい視線とメガネが特徴。

 レストミリアの部下にして教え子であり、エンデノールへの遠征の少し前まではフォータルキャビルの治癒術士団支部にて、テレサの指導を受けつつ補佐をしていた。

 昔は今より真面目だった事もあってレストミリアを治癒術士として深く尊敬し、(あね)さん呼んで非常によく懐いていたが、ある出来事からレストミリアとは徐々に距離を置くようになる。

 その後も真面目な性格の彼はサボり魔化していく師匠に幻滅し、フォータルキャビルへの治癒術士の異動の話が出ると自ら志願して王都を離れた。とは言えラザームが一方的に嫌っているだけでレストミリアは頼れる弟分と思っているが、レストミリア側にも過去のことから負い目のようなものがあって少し複雑。


 治癒術士としての腕はもちろん事務仕事や戦闘においてもかなり優秀で、若くして上級治癒術士となりフォータルキャビルではテレサの、リッツソリスではクロエの補佐を任されるほど。

 それ以外にも魔力の針と自家製の毒を用いた攻撃を行う、毒針術(どくしんじゅつ)という魔法の使い手として一部では有名で、治癒術士の中ではレストミリアやクロエほどではないが強い方。ただし、流石に騎士や冒険者と比べれば直接的な戦闘能力はそれほど高くないのと、戦闘スタイルが中・遠距離を得意としているため、複数人で戦いながらの支援や敵の阻害が役割としては多くなりがち。

 性格は真面目で決まりをよく守る。あまり融通は効かないと見せかけてレストミリア以外には優しい面もある……が、やはり基本的には厳しい。


 まだ新人の頃に戦場で経験した激しい恐怖や己の力不足による無力感によって心が折れた事があり、ちょうどその頃に団長となったレストミリアに救いを求めるも、まだ若く余裕が無かったレストミリアからの一言によって師弟の間には深い溝が出来た。

 現在ではテレサの取り成しや時間の経過もあって、どうにか普通に話したり仕事をこなしてはいるが、ラザームからは積極的に関わろうとせず隙あらば冷たい言葉をぶつけたりもする。(ただし、レストミリアが真面目にしていれば言われないことも多い)。

 治癒術士としては後方で治療を行うより、敵と戦う者たちを前線で共に支えていきたいタイプ。これには過去の出来事も強く影響していて、努力して実力を身に付けた自分の事をレストミリアに認めさせたいという想いや、己の力で皆を助けたいという想いがある。

 そういった部分もあるためレストミリアに昔のことを引き合いに出された時には、一人称が私から俺に戻るほど怒りを露わにし、それを見たレストミリアは内心かなり反省していた。

 ちなみにフォータルキャビルでおこなっていた毒針術の鍛錬ではテレサの監視の下、オケアマレヴに毒を試してその効果を実証済みで、全ての毒に対する解毒薬も完成させてある。


 判明している得意技は回復魔法や支援魔法全般と、魔力の針と多彩な毒薬を用いた『毒針術』。

 その毒針術に使用するのは痛覚を鈍化させる効果の有る極細の魔力針で、種類としては対象の魔力を抑え込んで魔法の使用を邪魔する『魔力停滞『、体を麻痺させて自由を奪う『全身麻痺』、相手のスタミナを奪う『体力減退』、腕力や脚力などの身体能力を低下させる『筋力低下『、体長が数十メートルにも及ぶモンスターを数秒で眠りに落とす『鎮静睡眠』、手や足などの限定した部位に針を打ち込んで効果を高める『局所麻痺』など。


 魔力の属性は闇、水。

 作中初登場→現在の年齢 26歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.112 モナヴィンディー (佐倉綾音さん)


 巨人族とのハーフであり、魔王軍四天王の一人にして一、二を争う武闘派。二つ名は『震軍氷獄(しんぐんひょうごく)』。水色の長髪に黄金の瞳。見た目は完全に氷雪族で体は小さく、人間ならどう上に見ても十代半ばくらい。でも実年齢はずっと上。

 元々はエンデノール地方にある集落で暮らしていたが、大戦時に故郷を離れて魔王軍に参加。自身の恩恵である巨人化を使って各国の軍を蹂躙して恐れられ、裏切り者として同族からも狙われたがその悉くを撃退して名を馳せた。

 また、大戦中にはエレオノールの養母である名将エリオラほか多数の部隊も壊滅させており、対軍勢においては四天王の中でも屈指の強さを誇る。


 判明している得意技は、彼女の恩恵であり魔力で作った球体の中で変身する巨人化。更にその巨人化には二つのタイプがあり、防御にして使い捨てる肉の壁と、感覚を共有して自分の体同然に扱うものとに分かれる。また、その性質は状況に応じて変えられるため危険と判断した場合には、感覚共有型から使い捨てに変更が可能。

 他には氷雪族の固有魔法であり身体強化と防御を高め、氷を生み出してリーチを補い、強い冷気を周囲にバラ撒く効果のある氷の衣を身に纏う『氷闘衣(ひょうとうい)』。

 自分を中心とした周辺一帯を極寒の吹雪で包み込み、敵だけでなく攻撃魔法までをも凍らせる『氷獄(ひょうごく)』。

 無属性を帯びた武器(戦鎚)による全力攻撃である『震軍撃鎚(しんぐんげきつい)』。

 巨人化後に両腕に魔力を集め、それを全力で地面に叩きつけることで前方の広範囲に大地の隆起や地割れを起こす『震軍戦鎚(しんぐんせんつい)』。

 戦鎚を高速回転させた勢いのまま相手に叩きつけ、例え躱されたとしても大地の隆起と衝撃波で攻撃する範囲技である『破軍撃壌(はぐんげきじょう)』など。


 魔力の属性は氷、無、風。

 作中初登場→現在の年齢 ?歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.113 リンデラード


 セントリングの上級騎士で、エンデノール地方を管轄するノルドアクスの右腕。青い目に赤髪を編んだ小さなポニーテール。2メートルを超える身長のノルドアクスに対して、自分は150センチ程しかないのが悩み。

 治癒術士団にクロエが、護聖八騎にアルテミアがいるように、リンデラードもエンデノールに駐屯する騎士や兵にとっては大事な存在で、彼女無しにこの地方の事務仕事や氷雪族との折衝は回らないくらい凄い人。

 氷竜討伐戦において氷雪族の協力が得られたのも、ノルドアクスの性格や説得はもちろん日頃の彼女の功績に寄るところが大きい。

 真面目な性格ながら、時折見せる笑顔が可愛らしい人で隠れファンも多い。戦闘能力も高く、騎士団長のディアブラスとしては本来なら各地で仕事をさせたいところを、本人たっての希望とエンデノールの現状もあって実現できていない。


 その他の詳細は今のところ不明。

 作中初登場→現在の年齢 24歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.114 キラカラ


 シェシャン集落に住んでいた氷雪族でココとロコの祖父。若い頃は氷雪族でも屈指の強さを誇り、護聖八騎を上回る実力者として『大戦士』の称号を得た。彼の鉈はドワーフ製の業物で、その重量と腕力によって数多の敵を屠ってきた。

 特に大きな功績としては、年々南下を続けていた巨人族の侵攻をセントリングの騎士団と協力して食い止め、反撃に出ると大雪原におけるセントリング王国の領土拡大に貢献。対価としてエンデノール地方に氷雪族の住む土地を獲得し、対巨人族への抑えとしての役割の代わりに自治権も得た。

 引退後は集落で家族や仲間たちと静かに暮らしており、モナヴィンディーや氷竜の襲撃の際には現場にいたが老いには勝てず敗北。皆と共に討ち死にし、彼の鉈は孫のココロコに託された。


 その他の詳細は今のところ不明。

 作中初登場→現在の年齢 享年245歳。



 ◆◆◆◆◆


 No.115 エリオラ (甲斐田裕子さん)


 代々軍人を輩出してきた家の生まれで、セントリングの将軍にしてエレオノールの養母。才色兼備かつ知勇に優れた名将で、軍では上層部の地位にあるものの本人の現場好きもあり、いまだに自ら部隊を率いて前線に出ることが多い。

 養子のエレオノールとは非常に仲が良く、血の繋がりこそ無いが見た目が似ていることもあって、知らない人からは本当の親子に見られる。また、麗しい見た目とは逆に男勝りで豪快な言動には周りも驚かされる事も多いが、部下には厳しくも優しい彼女に心酔している者が多数いる。

 大戦時にはまだ若かった彼女だが、アマリアの父であるアベルやモルドの父であるガルド、同僚であるゼストルフらと共に活躍し魔王軍の侵攻を幾度も食い止めた。

 大戦終盤にはモナヴィンディー率いる魔王軍と戦い、自身の部隊がほぼ壊滅するまで敵の猛攻を凌ぎ続け、ゼストルフらの援軍が敵の背後を突くまでの時間を稼いだことによって味方を勝利に導いた。

 最近では新たに軍に入ったメラリオやソドリオの上司となり、手元に置いて元盗賊の彼らを監督すると共に軍人として教育・育成し、また、被害を受けた人々への償いもさせている。


 その他の詳細は今のところ不明。


 ◆◆◆◆◆


 No.116 レヒト (小野大輔さん)


 ジグたちの時代より数千年も前に、魔王討伐の使命を与えられた元勇者にして堕ちた魔王。ジグと同じくルミアに導かれて転生し、糸の勇者として活躍。単独で使命を果たした天才で世界を救った真の英雄だった。

 長い黒髪に漆黒の瞳、引き締まった体に整った顔立ちは男女問わず見惚れるほど。ハーフエルフとして転生したが見た目は人間と変わりなく、その美貌から数多の女性と浮名を流した。ちなみに好みは色気タップリな大人の女性。


 魔王討伐後はその功績により荒廃し滅びかけていた祖国の王から位を譲り受け、新たに勇者国ブレイピアを建国し復興に努めた。家臣や周辺国と協力した甲斐あって数年後にブレイピアは見事に建て直されたが、その頃から周囲との軋轢が生じると暴君化。

 神々に各国との仲裁を求めるも拒否され、遂には国を追われて戦いながら辺境の地、現在のセントリングの王都リッツソリス周辺へと逃れる。

 その後はエルフの領域であった森を奪い、討伐軍を何度も撃退していたが数には勝てず一人だけ生き残ると、最期にアンデッド化して敵を殲滅。魔王となって君臨した。

 魔王化した後は数十年に渡って敵を撃退し続けたが、下界の惨状を見かねた神々から再び使命を与えられた勇者ミゼルティアが選ばれると、激戦の末に敗れたレヒトは魂の救済を申し出たミゼルティアの言葉を退け、唯一自分に情けを見せた彼女が一分の隙も無く使命を果たせるよう倒され、ルミアが人々に与えた神具に封印された。

 ちなみにこの封印が後の時代にジグによって破られるのは、ルミアの神力を持った彼が扉に触れたからである。


 封印解除後は黒骸王と呼ばれてリッツソリス付近で暴れ回ったが、騎士や治癒術士に混ざって戦ったジグたちの活躍と王宮にある対軍魔道具の浄化によって消滅した。しかしその後、現場に残っていたスカルピオンの素材をラジクが集め、それで作った剣には何故かレヒト意思と力が宿っていた。

 そして剣の中から周囲を観察するしか無かったある日、テンタヴィオンパウダーの禁断症状で自我を失ったジグが、本来は持っていない闇属性を無理やり発現させると剣からジグの体に移り、先に彼の体内にいた黒骸王としての自分と出会う。

 完全なアンデッドとしてジグの体内に残留する黒骸王は、レヒトを取り込んで力にしようと試みたが彼はそれを返り討ちにして滅ぼした。

 ちなみに黒骸王以外にもルミアの神力と僅かな思念が先客としていたが、ルミアの変化やジグの今後のためにも、そちらとは互いに不干渉を貫いている。

 ジグの体内に存在するようになってからは条件次第でジグとの意思疎通も可能になり、他者と会話するというのが久し振りなレヒトは意外とこの時間を楽しんでいたものの、影響を考えて話した記憶は毎回消した。


 当初はいつか体を乗っ取るつもりでいたレヒトだが、ジグから持ちかけられた提案を聞くとミゼルティアのことを思い出し、またジグと同じものを見て経験してきた影響か、興味が湧いた結果、彼の提案を受けて共に生きることを決意した。

 誓約後はジグを見守り、厳しく鍛え、辛辣ながらも助言を与える保護者的立場に収まっているが、自身の活動や力の行使できる範囲の拡大や、新たな試みなどにも余念がない。

 その結果、ジグのイメージではあるがスケルトンのぬいぐるみの体を獲得し、ある程度は自分の意志で出たり引っ込んだり、話したり魔法を使ったりなどの行動が可能になった。


 得意技などは今のところ不明。

 魔力の属性は強力な闇、氷、火、風、土、雷。生前は光も持っていたがアンデッド化によって失われた。


 作中初登場→現在の年齢 ?歳。


 ◆◆◆◆◆


 No.117 ミゼルティア (花守ゆみりさん)


 レヒトよりも数十年ほど遅いが、ジグたちの時代よりも数千年前にいた光と慈愛の勇者。長く赤い髪に優しげな赤い瞳。庶民の生まれだが魔王レヒト討伐のため慈愛の女神ミゼルピエタに選ばれ、他の多くの神々からも力を与えられた歴代最高クラスの勇者。

 魔法研究の盛んな国に生まれ、選ばれし子供として図書館への出入りも自由に出来た影響で読書するようになった。その中でも物語が好きで糸の勇者レヒトの本などを幼い頃から隠れて読んでいたため、その後、使命と力に目覚めた際には自分の成すべき事と己の憧れや感情の間で苦しんだ事もあるが、最終的にはレヒトの暴虐を止めるために剣をとった。


 魔王戦ではレヒトの相手を一人で買って出た彼女は、仲間やルミアが封印の準備をしているあいだに本拠地へ乗り込んで戦うが、このまま封印されては未来永劫にわたって魂の輪廻に還れないことを憐れに思うと、レヒトに魂の浄化を提案した。しかし、レヒトがそれを拒絶すると他に為す術は無く、彼女は使命を全うした。


 その他の詳細は今のところ不明。


 ◆◆◆◆◆


 No.118 モナクリュス


 モナヴィンディーの妹で、四天王ではないが魔王軍の幹部。姉と同じく巨人族と氷雪族のハーフだが巨人化は出来ない。氷雪族の特徴である水色の長髪に同色の眠そうな瞳を持ち、世界でも数えるほどしかいない結晶魔法の使い手で、その防御力はアイゼンフォートをも凌ぐと言われる。

 あまり感情を表に出さないタイプだが、姉を虐める時と強敵との戦いの際には笑顔を見せるし、フェクトゥスなどの部下に対しても案外大切に想っている。

 脳筋の姉に代わって作戦を考えることも多く、基本的には魔族領にいて姉や部下に指示を出したり、他の勢力の動向にも気を配るのが彼女の役目。


 基本的には魔族領から出ず、大戦時にも姉への後方支援に徹していた事もあって各国にはその存在や能力を知られていなかったが、アルカセヘルでの一件で外見や能力についての情報が広まった。

 第四部では、エンデノールの作戦が半分失敗に終わったことと、魔族領に残った魔王軍残党の間で次期魔王を決める動きが活発になり始めたこともあり、忙しくなる前に一度偵察を兼ねた休暇を取った。

 休暇中は配下の『天眼(てんがん)』を通してジグたちの情報収集をし、アルカセヘルで出会うと身分を隠して交流を持ち、闘技会にも出場して相性の悪いルナメキラ勢への牽制に利用できるか品定めした。

(アルカセヘルでの事については第四部の登場人物『クリス』の項目へ)


 その他の詳細は今のところ不明。



 ◆◆◆◆◆


 No.119 フェクトゥス


 モナヴィンディー、モナクリュス姉妹の配下で頭に角、背中にコウモリのような羽を持つ魔族の男。二つ名は『侵蝕(しんしょく)』。丁寧な口調とは裏腹にモナヴィンディーに対しては失礼極まりない言動をとるが、モナヴィンディー本人は怒りつつも楽しんでいる節があり、フェクトゥス自身も言葉に反して彼女のために命を投げ出す覚悟はあるらしい。

 ちなみにモナクリュスには姉に対するような態度は一切せず忠実。彼女に代わって脳筋のモナヴィンディーをよく補佐し、暴走を止める役割を担う言わばお目付役で、それに見合うだけの実力も備えている。

 能力としては飛行に加えて闇の魔力による侵蝕を得意としており、相手に自分の魔力を打ち込むことで精神や肉体を操ったり、魔法を無効化することが出来る。


 ルナメキラとは昔馴染みであり互いをライバルとして意識していたが、フェクトゥスがルナメキラを毛嫌いしているモナヴィンディー派に仕えた頃から関係は険悪になった。

 また、『虐狼牙』ウルファルクの死によって新たに四天王を選ぶことになった際には、単純な戦闘能力だけなら上回るフェクトゥスの名前が先に候補に挙がったが、彼がモナヴィンディーたちに仕えることを選んでいた事や、総合力で勝る点も考慮された結果ルナメキラが選ばれたという経緯がある。


 魔王軍内部における立ち位置としては四天王の下、魔将の上というかなり高い位にあり、実力者としても名が知れている。


 その他の詳細は今のところ不明。



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 No.120 氷影竜・グラスキア


 世界そのものを護ることを役目とし、伝説や神話で語られる存在。眷族の氷竜と共に大氷塔・ダイアトゥルムに棲む、竜族の中でも最上位に位置する真正竜。蒼黒の鱗に覆われた翼竜で、穏やかながらも不思議と通る声で人の言葉を話す。ちなみに雌。


 眷族が狩りなどのためにしばらくのあいだ住処を離れることはよくあるのと、グラスキア自身もかなりの広範囲を一人で管理していることもあって、エンデノールの一件ではシェシャン集落の氷竜が瀕死になるまで事態に気が付かなかった。

 そもそも真正竜は人間同士はおろか魔王軍の起こした大戦など、種族間の争いにも基本的に関与しない。ただし、神々からの要望によっては使いとして働くこともある。

 しかし同時に眷族を守る役目も持つので、モナヴィンディーによって眷族に危機が訪れると大氷塔からシェシャン集落までの長距離を短時間で飛び、犯人は取り逃がしたものの眷族の命を救った。その際にはココロコに謝罪したが死者を蘇らせることはグラスキアにも不可能で、その代わりココロコに家族との別れの機会と自身を含めた竜族を呼ぶことの出来る指輪を与えた。

 ちなみに本来ならグラスキアはココロコに詫びる必要も無い立場にあり、この破格とも言える対応は現場に到着した直後、ルミアの姿を見たグラスキアがその正体に勘づいた事による影響。新たな友人とその家族や仲間に対する一連の惨事に対して、ルミアは女神としてよりもココロコの友人として、実は陰ながら力になっている。


 その他の詳細は今のところ不明。


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