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昔取った杵柄


  ※ 昔取った杵柄


 ヒノモトで数ヶ月ほど過ごして理解した。この国はやはりおかしい。スモウという名の格闘大会やスモウのための闘技場は各地にあるし、歴史上の人物、英傑が今なお普通に生きている。生きている理由は千年以上前に移民してきた古代異種族たちの恩恵らしい。とはいえ俺のことを知っているやつは少ないだろうし、だいたい俺と敵対した奴らは死んでいるのだが……。

「人化魔法を使うとはなかなかの実力を持つ者だな?」

 喧嘩を売られている真っ最中である。


 俺の見た目は金髪碧眼の美少女であり、偽装ではあるが身分証明書なども俺クラスの能力がない限り、見破れないものを持っている。また本来の実力も隠しており、一般市民よりも多少強い程度に感じるくらいに抑えているはずなのだ。ヒノモトの武器が気になり有名な刀鍛冶のところに刀でも買うかと来てみれば、喧嘩を売られたのであった。

「というか、お前、フレイだろ?」

 遥か昔、アルフヘイムというエルフたちの故郷でありふるさとである場所があった。当時そこで長老をやっていたのが、ハイエルフのフレイであったのだ。知己というかまあ顔見知り程度の間柄であったが、まだ生きていたというかこんな変態の国で変態職人をやっていたとは……。

 俺はフレイにだけわかるように実力の一端を見せてみたところ、ガタガタと震えだしてドゲザしていた。

「ももも、申し訳ありませぬッ! レペン様とは露知らず……とんだ無礼を……」

「いや別に気にしてないし、刀くれ、刀」

「こ、この国を灰燼に帰すのでは……?」

 どんな破壊神だよ。いや、まてよ、こいつの知る俺はといえば神々を殺しまわり国々を滅ぼしまわっていた頃だったような。

「そんなことするわけないだろ。だいたいあの当時は俺を世界から排除してやろう運動が鬱陶しかったから暴れてただけだぞ」

 フレイからしてみれば、その当時の時点で世界を簡単に滅ぼすことが出来る力を持ったドラゴンをなんとかしようとするのは当然であった(神々たちの対処はその強さを正確に把握できていなかったことと、皆で力を合わせればなんとかなるという漠然な考えがだめだったということもあるが)。まずは話し合いから始めていればまた異なる結果になっていたのではないかと一瞬のうちに考察をしたが、すぐにその考えを破棄していた。

 フレイの目の前にはとりあえずこれで足りるか、と金塊が置かれていたのであった。


 俺はフレイの家にいる。フレイがどうしても、といって最大限の歓迎をさせてもらいますということで、断ったら自殺しかねない感じだったので承諾したのであった。

「――つまりレペン様は見聞を広めるために人間の社会に溶け込んでいる、ということですね?」

 最後にフレイにあったのは数千年前だったはずで、そのあと何をしていたかなどかいつまんで話していた。フレイの見た目は20代前半といったところで、スタイルはよく顔も美人であるが、数千年を生きるハイエルフでありその実力はかなりのものだろう。

「そうなるな。まあとりあえずはヒノモトの名物である迷宮ダンジョンか異界ダンジョンにでもいってみるが、なにか資格とかいるのか?」

「私が同伴すれば何の問題もありません」

 いやそうじゃなくて。

 聞けば一応、実力試験など必須ではないものの、やっておいたほうが良いみたいな風潮はあるし、試験をやるのが当然という感じではあるが、基本的に入る以上死んでも自己責任になるし、ダンジョンに入るための資格などはないが、年齢制限はあるらしい。

 唯一絶対の禁則事項があるとすればダンジョン破壊は禁止になっているようでフレイとしては俺が普通にダンジョン破壊をすると思っているらしく何があってもついていきたいらしい。

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