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発想の転換をしてみる

 第三章 異世界召喚されてしまう編


  ※ 発想の転換をしてみる


 勇者達の大半は元の世界に戻るという選択肢を選んだ。俺に誘拐された魔王によれば異世界召喚に対する帰還方法はないとのことだったが、魔王が異世界召喚魔法を解析して帰還させる魔法を開発したのだ。連合、同盟の代表による内密な話し合いの合間に、勇者達の存在を俺が伝えたら速攻で勇者達を帰すという協力的姿勢を見せたのだ。

 どうやら魔王というか、歴代魔王の歴史的資料に勇者のことが記されており単体の戦闘能力だけで見ても魔王に匹敵するかそれ以上の場合があるとかで、その厄介な相手が100人もいるとなれば戦うなど論外なことであり、穏便に問題を解決する方が良いという判断で勇者達を帰還させる方法を開発したのだ。

 魔法の扱いに関しては、流石に魔の王というだけあってなかなかの手腕だと思えた。

 ちなみにだが、魔王が持っているスキルで相手の強さを知れるという鑑定スキルなのか、ステータス確認スキルなのかは本人もよくわかっていない相手の強さを知れるスキルというものがある。

 平均的な人族のステータスは数値でいえば5が平均値であり、鍛え込めば100という数値も出せるが、勇者ともなると最大で1000を超える数値もあるとか。現代魔王のプゥータは平均値1000以上らしいが過去最高水準であり歴代最強魔王と名乗っている。

 ……俺の世界で言えばバトルトーナメント上位者レベルといったところか。しかし寿命がある種族で言えば強い部類になるだろう。生まれは良いが、それ以外は努力の賜物。英雄、英傑の部類と似た匂いを放っている。


 思いついたことがある。異世界召喚された世界を滅ぼさないでいると別の召喚は起きない。そして、その世界を救えばおそらく別の召喚に巻き込まれる。召喚された世界を滅ぼすことなく、そして救うこともしなければ?

 同盟と連合の話し合いは一週間ほどで決裂に至った。魔王は暗殺されるだろうが、歴史とは勝者が作るものなので、どのようなことを言われようが無視するか実力行使して黙らせれば良いとなるのが人の業だ。

 ということで、魔王が暗殺される前に俺の世界に誘拐した。

 数時間の間で、魔王が必要とする人材、資産などなどを運び込んだ。魔王城も頼まれたが俺が保有している土地は少ないしそれほど広くないので新たに土地を買うまでは未開の地に置いておけば良いだろうと思っていたが、南大陸を統べる魔女のマレフィが土地を提供してくれるそうだ。誰か土地余ってない? とグループ通話で聞いてみたのは正解だったらしい。

 魔女のマレフィは異世界の魔法に興味津々といった感じだったのでお互いに好都合といったところだと思う。


 南大陸は封鎖的な国柄ではあるが、文化的には開放的とも言える矛盾を孕んだ土地柄になる。そもそも魔女が支配しているのだから摩訶不思議もまかり通るといったものだ。多種多様な種族が独自の文化を好き放題に広めていたり、通常なら禁忌とされる魔法開発でさえ許されているほどだ。そんな中に異世界の魔王とその一派が移住してくるというのは、センセーショナルな事件と言える出来事だ。

 魔女のマレフィは政治関連の情報は開放的といえるほど公開しており、グループ通話の内容も公開していた。異世界の魔王とその仲間達が住むとされる土地には魔王城が移転される予定日の何日も前から野次馬や報道関係者が集まっており、小さなお祭り状態になっていた。

 予定日の当日ともなれば、魔女のマレフィも現れて騒ぎというよりもお祭りは盛り上がったが、各々が身勝手にしているようでルールは守っている。違反者には魔女の鉄槌が下る。

 広範囲の魔法陣と魔力の流れに畏怖しない者はいなかった。その魔法を使うレペンに対しては最大限の畏怖と恐怖を感じる者も少なくはなかった。魔法陣が眩い光を放ち、魔王城は異世界に移動した。


 ドヤァと、ドヤ顔してみたが評判はあまり良くなかった。南大陸では通じないらしい。

「城一つにしては広すぎると思ったけど、城下町も追加とか聞いてないんだけど?」

「自治領区とするか、特区とするかは任せる。異世界の魔法、有能な人材、数多くの民、得られるものは多いはずだ」

「……まあ良いんだけど、そういう政治的な判断含めて公開してるんだけどね」

 前世でもありえないレベルで政治情報を公開してるのだが、それは自国の政治に関してのみであり他国が絡むものはちゃんと許可を取っているあたりしっかりしている。異世界の魔王と魔王城と城下町というか、殆ど異世界の国の首都を移転するという行為は後日になってから少しの問題になった。世界政府や世界中の歴史から見ても前例がなく、どうすべきかという議論をするまでもなく、既にマレフィが引き取っている状態であり多人数の異客という扱いになっていた。それに、異客達が住むのは南大陸の中でも謎が多い魔女のマレフィの私有地内であり、異客達に対して手を出すということは魔女のマレフィに手を出すも同意義になる。何よりも問題なのは、レペンが彼らを招いたという事実であった。

 

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