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科学と魔法は混ぜるな危険


  ※ 科学と魔法は混ぜるな危険


 俺は人類の進歩を眺めてきたわけではないが、気が向いた際に『どれだけ進歩をしたかなぁ』という感じで、人化魔法を使って人間の文明に紛れ込んで生活したことが何度かあった。

 どういった経緯かは知らないが、いつの頃からか人間は魔法と科学を融合させた文明を作り出しており、一部の技術は俺の知っている転生前の世界の技術よりすごいものもある。

 例えば、移動手段に関しては転移魔法を応用した装置があって遠くへ一瞬でいけるというものもあれば、電車や飛行機といった乗り物もある。魔法と科学を使った技術装置みたいなものは数はそれなりにあるが、魔法を使った物、科学を使った物で棲み分けはされているらしい。

 またアクセサリー類に魔法の力を添付させた魔法道具関連のアイテムも充実しており、なかなかに便利なものもある。不死は無理でも不老は可能みたいな老化防止アイテムもあるが、非常に高価なものとなっている。

 そういった難しい魔法を使ったモノづくりに従事する者たちは職人と呼ばれており、職人の多くは昔から生きているエルフやドワーフなどが多いらしい。

 そしてモノづくりの中でも技術的に変態性の高いものを作り出す頭のおかしい職人が多いのがヒノモトという国であり、明らかにそれは元の世界でいう日本だということで、俺はヒノモトにいる。


「にほ……ヒノモトやべぇ……」

 俺はヒノモトの首都である帝京にいる。どうやら俺の知る日本とは異なる歴史を辿ったようで、帝がヒノモトの代表であり地図的にいえば京都が首都になっていた。ちなみに地図は元の世界と似ていたが、細部まで似ているかどうかはわからない。ちなみに世界の広さ自体も地球とは異なるが……。しかし、海に囲まれた島国であり日本のような文化を持っており、使われている言語も日本語に近い。まあ俺はどんな言葉だろうが魔法で理解できるようにしてあるので問題はない。

 しかしヒノモトのヤバさは元の世界と似ており、食文化に関しては美味いものなら宗教観関係なく取り入れているし、世界的に問題になっている種族間差別などもほとんど無く、多くの幻想生物や原初の種族と呼ばれる昔から生きてきている種族たちが、こぞって美味い飯が食べれて安全性の高いヒノモトに集まっている。また技術的に変態性の高いものでも普通に認められて学ぼうとしてくる姿勢も職人たちからすれば嬉しいらしく、変態が変態を育てるという循環ができているとかなんとか。

 なによりも、サムライやニンジャが普通に現代でも存在しており、その強さは世界的に有名なのだ。

 ……なにをどうしたのかは本当に不明だが、まあ科学と魔法は混ぜるな危険ということだなと感じた。


 ヒノモトが高い戦闘力をもつ戦闘民族であるのは、その戦闘力を維持するために、本来なら潰すべき迷宮ダンジョンや異界ダンジョンなど魔物が発生する領域をあえて残しているところである。たまに強いモンスターや魔獣が都内に現れるというが、そういった有事の際に飛んでくるのがサムライやニンジャである。また一般市民もそういった魔獣災害と呼ばれる出来事に慣れており、適度な妨害や避難は完璧に行われているようで、被害はよほど大きな災害でない限りほぼ出ない。いや、十人に一人は職人という職人大国ならではの数値だとも言えるが。

 職人は生産者であるが、戦闘者でもあるという職人も多く、持っている戦闘技術を惜しげなく近所の子供などに教えたりしており、これは世界的に見ても異常な光景なのだが、ヒノモトでは日常なのだ。

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