バトル漫画みたいに闘技場で戦ってみる中編
第一章 ドラゴン放浪記編
※ バトル漫画みたいに闘技場で戦ってみる中編
露店の食べ物が充実している。世界中から人が集まるので、世界中のグルメも集まっている。ピザやスシやステーキなどなど、数百店もの店が並んでいる。酒も出しているところもあるが、バトルトーナメントの参加者は待機は自由に使える。
俺みたいに待機時間に食べ歩きをしている参加者もいるし、休憩して回復したり次の相手を観察したりと様々だ。戦いの場は結界など使って安全性を確保しているものの、なかなか運営は大変そうだが俺は参加者なので気にしていない。
開催日から既に一週間ほど経過しており、トーナメント戦は全体的に中盤くらいまで進んだというところだろう。話を聞く限りなかなか良いペースで進んでいるらしい。いや俺は聞いてないけど何回も参加している参加者がそういってた。
負けた参加者たちは普通に観客として楽しんでいたり、グルメを楽しんでいたり、修行してたりしてる。トレーニングルームは自由に使えるしな。戦闘狂が多いのかライバルを作りたいのかしらないが、結構トレーニングルームは盛況だ。
運も実力のうちということで、前回やそれ以前に優勝したり、上位に食い込んだことのある参加者同士が当たることもある。またダークホースに実績のある実力者が負けるということもあり、波乱はおきている。ちなみに一戦ごとに誰が勝つかという賭博もやっている。本戦トーナメントの方が勝敗がわかりやすいが、緒戦は実力もわからない名もない参加者が多いので大荒れする。自分自身にお金をかけても良いので自身のある参加者はそれだけでトーナメント戦をやっている最中に億万長者になる者もいる。
俺は自分自身に賭けたり、実力者を見つけたらそいつに賭けたりして1億ドルほど儲けている。そもそも賭けている金額の桁が違うので利益率で考えるとそれほど儲けているといえるわけではない。闘技場の運営資金は一兆ドルとも言われており、国家予算並の資金源は、放映権料や広告料などで賄っている部分もあるが、基本的にはスポンサーたちよりも、闘技場所有者の資産から出ている。経済効果に関しては優勝賞金100億ドル以上であり、世界中を見渡しても大規模なイベントになる。
相当手加減しているが、それでも相手を殺さずに倒す方法という縛りプレイにも程がある戦い方をしているが、このバトルトーナメントは場外負けがない。というよりも、四角になっている会場には全てに結界が張られている。結界の強度はかなりのものであり、勢い良く当たれば痛みもある。魔法装置で作られる結界であり、参加者の入出場に合わせて勝手に結界が張られたり解除されたりするというシステムであり、なかなか便利な魔法装置なのだ。
俺はと言えば、結界は強めの魔法で壊れそうなので、本戦トーナメントまでは徒手格闘で戦うと決めている。というか、魔法を使うほどでもない。人化魔法は使っているけどな。
バトルトーナメント参加者の人数も半分くらいまでに減っているが、現時点でなかなか俺は目立っている。超絶美少女の俺が、人目を引くのもわかるが、それ以前にネット上で俺はなかなか有名人であり、過去に教皇キュクー・レインとのツーショットがネットに上がったり、巨人王タイタンとのツーショットがネットで物議を醸すこともあって、謎の超絶美少女の存在が独り歩きしていた。だが、今回のバトルトーナメントで顔と名前と実在するということが広まった。名前はレペンにしてある。
古代格闘戦士ミノタウロスは何度かバトルトーナメントで優勝しているが、近年では強い戦士をスカウトする目的でバトルトーナメントに参加しており、本戦トーナメントに出る頃には棄権するという珍しいタイプの参加者だ。2000年以上前には人類と敵対する個体としては最強最悪の存在であったが、今では多くの弟子を持つ指導者である。彼がバトルトーナメント中盤で負けるということは殆どなく、安定して本戦トーナメント手前まで進むという情報は格闘ファンの間では有名だ。
上下真っ赤な七部丈ジャージに、ビーチサンダルという闘技場の熱気に対して適切な格好とは言えなくもないが、そんなラフな格好でバトルトーナメントに参加している超絶美少女に、彼は、ミノタウロスはたった一発で沈められた。
超絶美少女のレペンはこれまで一発で試合を決めている。突如として闘技場に現れたダークホース。この頃になるとネットでも闘技場でもその名前が騒がれるようになっていた。
「ここのラーメンがおすすめだ」
ということで、俺は八割は露店を制覇している。今はミノタウロスとラーメンを食べている。懐かしい顔ではあるが、久しぶりすぎてお互いに気付いていなかった。というよりも、俺が知っているミノタウロスは狂王を名乗ってたし、迷宮系のダンジョンマスターをやっていたはずだ。
「ダンジョン数も減ったので後継者に譲渡して今では弟子を取って指導しております」
やんちゃ坊主だったときの言葉遣いも長い時を経て丸くなったらしい。ラーメンを三杯程度で済ませて連絡先を交換して俺は次の試合に向かった。
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