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さくっと陰謀を妨害する

 第一章 ドラゴン放浪記編


  ※ さくっと陰謀を妨害する


 社会の混乱に乗じて活動するといっても、抽象的すぎる側面はある。しかしわかりやすいのは、国家の上層部や国家の代表が何かしらの問題に対して会議をしたり、会食をしたりすれば、その間に動ける時間ができたり大きく動いても対処が遅れたりすることがある。少なくとも政府要人たちの会議スケジュールは手に入りやすいものであり、会議自体も時間がかかるものなので、その間に会議参加者のお偉いさんの判断が必要な大きな事件をおこせば対処が遅れるのは確かだろう。

「惜しかったな。わりと頑張ったほうだ」

「ぐっ……」

 床には邪神を呼び出すための魔法陣と補助としての魔法道具があるが、建物内は散乱としている。人や人以外の生き物もいるが、レペンに頭を掴まれている人間の男以外に動いている生物はいない。

 あと一歩。本当にそのタイミングであった。頭が砕かれそうな男は思った。そのタイミングで、積み上げてきたことが全てなかったことにされた。数秒もせずに、仲間は死んでおり、生贄も死んでいた。

「何者だっ……」

「今から死ぬやつが知っても意味がないだろう」

 グシャッという音と共に生物であったものが、肉の塊になり息絶えた。


 現代では殆どの国が法治国家である。いかなる理由があれ法の判断の元に刑罰が決まる。だが、バレなければ問題はない。邪神教の奴らはこの世から消した。消息不明者が増えるだろうが、世界中には消息不明者が何万人もいるわけだし、数百人増えたところでなんの影響もない。たとえその中に政府関係者や重要人物と言われるやつがいてもいずれ忘れ去られるだろう。更に言えば彼らは秘密行動をしていたために、詳しい行き先などを誰にも伝えていないし、記録も残していない。よって突如として消息不明になっており足取りを掴みにくい。物理的にも消滅させているのでどうにもならないだろう。

 魔法を使って証拠を一つも残していないので、完全犯罪になるだろうが、俺を捕まえることは無理だし、現時点で立件不可能なレベルで証拠隠滅をしているので法の元に裁くことは不可能に近いだろう。それでも捕まえようと思うのならばやれば良いと思うが、それはそれで面白くなりそうだ。


 邪神の呼び出しは良きタイミングで阻止できたし、邪神教の組織も完全に潰せたので悪いことは一つもなかった。ネットニュースなどニュースを調べても行方不明者の事件は起きていないし、警察の方も動きはない。他にも政府関係者の動向を魔法で調べてみたがどうやら政府関係者で行方不明者が出たらしいという噂は流れているがその程度である。

 まあ監視カメラなど監視システムにも映らないように魔法を使っていたし、証拠も一つも残らないようにやった。状況証拠を集めようにもその状況が既に無いのでしょうがない。彼らの使っていた建造物はどうやら邪神教の関係者の所有物ではなかったらしく、名義を調べて見た所、建造物と土地も購入可能だったので、両方を購入しており、現在では所有者が俺に変わった。そして建物を一度壊して立て直すというかなり大掛かりでお金がかかるが証拠隠滅のためには徹底した工作が必要なのである。


 完全非公式の緊急世界首脳会議が執り行われた。前回の緊急世界首脳会議から4ヶ月は経過しているが、各国首脳が集まる緊急世界首脳会議という名目がある以上、異例の速さであり、異例の非公式である。

 巨人王タイタンとレペンの邂逅はネット経由で首脳陣すらそれを認識していたし、話した内容も電話会議で知っているが、実際に話し合うという形式の必要性はある。また、タイタンからその話を聞いたときから南大陸を統べる魔女のマレフィと始祖の吸血鬼メアリーが協力して邪神教のことを調査しており、拠点の尻尾を掴むところまであと少しというところだったが、キュクーを経由して邪神教は完全に潰したという連絡が入り二人の調査は無駄足に終わったとも言える。だが、邪神教という組織の存在は確かに確認されたので二人の調査は裏付けとして有益ではあったとも言える。

 また、前回の緊急世界首脳会議の目的は伝説や神話に残っているエンシェント・ドラゴン・レペンの出現に対してどうするかというものであり、その対策はその動きを注目して動向を見守るみたいな曖昧な結論を出しており、その対策に批判が集まっているが、実質どうしよもねーよというのが、正解なのではあるが、それをそのまま言えないのが政治なのだ。

 

 政治には関わる必要性を感じることのないレペンはパエリアを食べていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いい世界観ですねw
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