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異客

 第一章 ドラゴン放浪記編


  ※ 異客


 俺みたいに転生した存在は確かに存在している。それが、転生なのか召喚なのかそれ以外なのかはその時々で変わってくるが、彼らのような存在をこの世界の人々は異客と呼んでいるのは確かだ。俺みたいにチート能力を得ている者が多いが、あくまでもそれは人間の基準である。また人間とは異なる生物に転生した者もいないことはないが出会った数から考えてもその数は少ない。

 そして俺が転生していることを伝えることもないし、彼らのやることに対して何かしら制御するということもないが、俺を敵として相対するのであれば戦って滅ぼしたりしてるが、戦うことはあまりない。理由としては、そもそも異客の存在は稀だし、俺が行動していないときに生まれているときもある。それに彼らは異世界の知識やチート無双をして文化レベルを上げてくれることが多いので放置するのが良いという結果に落ち着いている。

 

 異客がチート能力で無双できる場は限れてきている。人類未踏の地であったり、ダンジョンであったり、経済的なものであったりするが、この世界の人間社会は異客という存在を認識している。彼らの扱いは国によって異なるが、基本的は放置していることが多い。強大な武力を持ち、反社会的行動に出る場合においては司法機関が動くこともある。近年だと軍隊が動いた例もあるが、近年といっても100年以上前の話ではあるが。


 ひとつ言えることがある。科学と魔法が融合している世界で、科学の未来を知っている異客が何をするかといえば、大概は自分の知っている科学技術を再現させようとする。しかし、現代人がスマートフォンやインターネットを使うことはあってもその仕組を理解して使っているとは言えない。つまり、完成図は描けるがそこに至る過程が全くないという状態で知っている技術の再現というのは困難であると言い切れる。

 しかしインターネットに近い魔法と科学が融合した通信技術はある。いつの時代にも変わった天才というものがいるらしい。

 ヒノモトを回っていた際に大型同人誌即売会でコスプレをした俺の画像がネット上に出回っている。俺はソーシャル・ネットワーキング・サービスを使っているが基本的に情報収集のためである。故に自ら発信するということはない。そう、俺だとわからないように人化魔法を使って超絶美少女になって配信して小遣い稼ぎをしていることなどないったらない。共用語を使えば全世界の人間と言語的コミュニケーションが取れる上に、この異世界ではネットの規制はそれほど厳しいものではない。イブという名前の超絶美少女は百万とも一千万ともいわれる支援者がいるらしく、その動画配信は世界中が注目しているという噂もあるが、実際に会ったことあるという噂が一切ないために、実在しているのか怪しまれているという。


 歴史ある大聖堂に似つかわしくないものと言って良いのかは判断に困るが、それでもその建物内にある教皇の私室に電子機器があるのはそういった時代なのかもしれない、と後の歴史学者あたりが言うかもしれない。

「何をやってるんですか……」

「いやぁ人気配信者は辛いぜ」

 光の魔法を信仰する信者は世界最大数とも言われており、その理由は死者蘇生が可能な魔法が光の魔法であるからである。その奇跡を扱えるものを光の神子と言ったりするが、彼らが信仰するのは、死者蘇生の魔法そのものであり、神ではない。また死者蘇生魔法にも色々と条件があるし、使う者の実力もかなり必要である。そもそも光の魔法を使える資質が一億人に一人の確率と言われており、現時点で光の魔法を使い、死者蘇生が行える人間は世界中で3人ほどである。

 その一人が、光の教会の教皇である、キュクー・レインその人だ。

「4、いえ500年ぶりですか?」

「知らん」

 誰がどう見ても10代後半の超絶美少女の俺と、誰がどう見ても、20歳に満たないであろう美女のキュクー・レインが並んでいる。キュクーはれっきとした人間であるが、その身は不老の呪いを帯びており、年を取らない。その呪いは色々とあって俺が人間たちと共闘したときに彼女が神殺しを達成した歳に受けたものであり、解除はしようと思えばできるが、俺以外に解除はできないレベルであり彼女もその呪いを解除するつもりはない。

「……まあいいですけど、ヒノモトからの通達には驚きましたよ。まさかレペン様が人型で活動しているとは……そして馴染み過ぎてませんか?」

 ネットが出来る携帯端末を扱い、『キュクー教皇となう』みたいなつぶやきをしてみたが一瞬で彼女の国に知られてなかったことにされた。逆にキュクー教皇の方でお友達となうというつぶやきは消されてないので完全なる贔屓である。ちなみにキュクー教皇の公式アカウントは億を超えるフォロワー数だったりする。

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