第六回戦!!浄瑠璃作家
第六回戦!!
世界代表!マフィアの帝王、アル・カポネ!日本代表!浄瑠璃作家、近松門左衛門!
黒いジャケット、口元の葉巻。片手にマシンガンを携えた暗黒街の支配者。シカゴのドンである。
対するは狩衣に烏帽子。木工人形を両手で持つ人形浄瑠璃の権威。江戸の文化人である。
第六回戦、開始!!
響く銃声。
開始早々、マシンガンを連射するアル・カポネ。
なす術もない近松門左衛門。
彼は名を残したがそれは文化面だった。対してアル・カポネは悪人でありながらも名を残した。
圧倒的なその暴力で。
アル・カポネは土煙の中から銃殺死体が出てくると確信した。
観客もそうだ。
本当にそうか?いいや、違う。
もう、芝居は始まっている。
何時から?最初から。
何処までが芝居?全てに決まっている。
演目は出世景清。
弾丸は切られていた。
死体は無かった。いや、あった。
人形は刀を持っていた。
薄れる意識、切られたことを感じるマフィア。
悪七兵衛の名刀あざ丸はマシンガンごとアル・カポネを切り伏せたのだ。
竹本座座本・竹本義太夫
「あいつは俺と新しい浄瑠璃を作ったんや。人を感動させるっちゅう事はホンモノ見せるっちゅう事やで?ほんまモンの景清を見せるくらい安いモンやで。」