第一回戦!!初代横綱
世界対日本代表大戦!!
第一回戦!!
世界代表!ローマが恐れた男、ハンニバル・バルカ!日本代表!初代横綱、谷風梶之助!
巨大な戦象に乗った槍を持つ壮年の騎士。大スキピオのライバルにしてカルタゴの英雄である。
対するは褌に髷。腰に綱を絞めた巨漢。古今十傑の一人にして仙臺の英雄である。
地面に拳をつき目線はハンニバルを捕らえる谷風。
見た目からして圧倒的にハンニバルが勝っている。
第一回戦、開始!!
勝負はハンニバルの戦象が動いたことで始まり、谷風は迎え撃つように突っ張りの態勢をとった。
戦象の突進が当たる瞬間、谷風は足で大地を掴み、自身を大地と一体化させた。
そして放たれる突っ張りは戦象の重い突進を受け止めた。
ハンニバルはそれを見ると、戦象を操り牙で谷風を突き刺そうとする!
だが、谷風は迫り来る2本の象牙を素手で掴むと衝撃を地面に受け流し、戦象の動きを止めた。
ハンニバルは戦象に指示を出すが動かない。
戦象も動きたいが動けない。
谷風がガッチリと象牙を掴み、固定しているからだ。
バコォンッと音を立てて谷風の足元がひび割れる!!
ゆっくりと持ち上がる戦象。そして、その上のハンニバル。
谷風は1トン近い彼らを地力だけで持ち上げると全身の筋肉を隆起させて大きく上空へ投げ飛ばした!!
谷風は四股を踏むと大きな手拍子を一度する。
猫騙し。
いや、少し違う。
手拍子は一定間隔で何度もされ、回数を経るごとに両手の間に空間が形成される。
勢いの良い手拍子により、空気が圧縮されて両手の間に超高気圧の空間が発生したのだ。
光すら歪める超高気圧の空間は丁度ハンニバルと戦象の落下点と谷風の間に形成されている。
突っ張りの態勢をとる谷風。
轟音。
超高気圧の空気が谷風の空気すら押し潰す突っ張りにより吹き飛ばされて一種の空気砲となって飛んだのだ。
一点に収束された空気弾によってハンニバルと戦象が吹き飛ぶ。
壁に叩きつけられるハンニバルと戦象。
初代相撲協会理事長・廣瀬成徳
「谷風の四股踏みは千里を揺らし、その張り手は大気を押し除けたと言われている。」