身分登録
話が進まない…というか一話に2~3000文字ぐらいしか書けない…
トムさんが馬車に乗せてくれたため日が落ちる前に町に着くことが出来た。時間帯は昼過ぎぐらいかな…? 門の前では警備兵らしき人達がいて入ろうとしている人をチェックしている。
少し待つと私の番が来て前に出た、すると警備兵らしき人達の中に冒険者のような服を着た男性がいる。
見た目は30歳前後、無精髭の生えたおっちゃんといった感じの男性だ。背中には大きな剣の持ち手が見える。
この人が2mぐらい身長がありそうなのでこの剣もそのぐらいあるのだろうか…
じっと見てたらその男性が声をかけてくれた。この人も警備兵なのかな。
「お、今度は小さい…嬢ちゃんか。じゃあ身分カードを出してもらえるか?」
…身分カード?
身分証明書みたいなものだろうか…もちろんそんなものなど持ってない。とりあえずそれが何なのか聞かないと。マジックボードに文字を書いて見せるとんん?っといった感じに首をひねられるが答えてくれた。
『身分カード…?』
「身分カードを知らないのか…?ってことはかなり田舎から来たんだな嬢ちゃん。ってか聞いていいのか分かんないが声出せないのか?」
『少し事情がありまして声を出すことが出来ないんです』
「ふむ、詳しくは聞かないでおこう。しかし身分カードがないなら少し面倒だな。レリック、あれ出してもらえるか?」
男性は一人の警備兵に声をかけると警備兵の人は急いで近くの建物に向かって何か水晶のような丸い球を持ってきってそれを私の前に設置した。というかこの人警備兵じゃないけど結構立場上なのかな
そしてその球体に手を当てて何かぶつぶつ言っているとその手を離し私に問いかける。
「これに手をかざしてくれ、特殊審査ってやつだ。これに反応が出なきゃ問題なく入れる」
私が手をかざすと何かがわずかながら吸い取られるような感じがした。これは…魔力を吸われたのかな?
淡く光るとかすかに白く光る
「まぁ問題なしだな、よし。これ使うと楽だけどいちいち設定しなきゃいけないのが面倒なところなんだがなぁ」
「では片づけておきますね」
終わるとまた警備兵の人が布で包んで建物に持ってゆく、ここに置いていたほうが良いとは思うんだけど。貴重なものなのかな。それなら私がそっちに行ったほうが良いような…まぁいいか!
「そういえばこの国を訪ねた目的を聞いてもいいか?」
『観光とお金稼ぎの手段を探しに』
「ほう、その年で立派だな。しかし金稼ぎなら身分カードがいるぞ」
『どこかで作ることが出来ますか?』
「ならギルドだな。ちょうど交代時間だしよければ案内するぞ?」
『可能ならよろしくお願いします…えっと』
「ダインだ、ダイン・サリンジャー。警備兵のまねごとをしているが本職は冒険者だ」
『シノンフェード・ヴァンヴィーラです。よろしくお願いします』
警備兵の人に挨拶したダインさんは私を連れ添って門を通り町の中に入る。
「では改めてようこそ、渡り鳥の町イーグントへ」
イーグントは人通りが多く露店や宿が多く見え、そして人種がとても混ぜこぜである。
凄い…獣耳が生えた人達や耳の長い人達もいるしもはや人型の狼みたいなのもいる…ファンタジーだ…!
ギルドに案内されながらイーグントについての話を聞く。
どうやらここはこの大陸において物流の中心らしく旅人や商人が毎日多く訪れるらしい、露店を巡れば掘り出し物もあるだとか。少し興味はあるがいまは身分カードを作ることが先決である。
どうやらダインさんはこの町でとても有名らしくいろんな人に挨拶されたり露店の人からリンゴをもらったりもしている。そのリンゴはダインさんがやるよともらった。露店なのに冷たくて瑞々しい、しゃくっという言う音と共に元の世界と変わらないリンゴの味が口に広がる。とても美味しい。
そしてある程度歩くと大きな建物が視界に入る。周りの建物は少し離れており冒険者風な人や商人風な人、それに普通の住人のような人達が入れ代わり立ち代わりでギルドに入っていく。役所みたいなものなのだろうか、ギルドって確か組合とかそういう意味だったっけ…?
扉を開けると窓口が複数あり、ダインさんが一番正面の窓口を指さしてくれた。そこの窓口に行くと茶髪の優しそうな女性が笑顔で出迎えてくれた。
「こんにちは、本日はどのようなご用件でいらっしゃいますか?あ、ダインさん。どうかなされましたか?」
「やぁ、オリビア。用があるのは俺じゃなくてこの子なんだ」
と、私の頭にダインさんは手をぽんっと置く。
オリビアさんはダインさんに目がいって気付かなかったのか私を見つけるとあら、と言った風に驚く
「この子...ですか?お知り合いで?」
「いや、さっき門であったばかりだ。この辺のことを知らなかったみたいで道案内ついでにな」
『身分カードを作りに来ました』
私がマジックボードを見せると一瞬ん?という顔をしたがすぐに表情を戻す。
身分カードを持っていないとは珍しいですね。と嫌味ではなく純粋な疑問らしい声で言われた。
そして一枚の書類を取り出すと私の前に出した、どうやら登録書のようなものらしい。
「こちらにお名前や年齢などをお書きください、このマークがあるところは空白で大丈夫です。文字は…マジックボードが使えるのでしたら大丈夫ですね」
『はい、大丈夫です』
見たところ書かなくてはいけないところは名前と性別と年齢ぐらい。出身地や細かいものは書かなくてもいいようだ………それって身分証明になるのかな?
とりあえず名前はシノンフェード・ヴァンヴィーラ、性別は女、年齢は……14歳ぐらいにしておこう
ある程度書くとオリビアさんは朱肉のようなものを取り出す、見てみると下の方に母印を押すところがあった。大きさ的に手のひら全部かな。手をポンと押すとその書類を奥へと持っていく。
しばらくすると免許証サイズの一枚のカードを持ってきた。そこには私の名前と軽い情報と顔写真が…って待っていつの前に顔写真撮ったの?というか写真が撮れる技術まであるの?
よく見たらレリーフというか少し顔のところが浮き出ている。といってもいつの間に作ったのだろうか…ファンタジーは不思議である。
「こちらの身分カードは冒険者として活動する場合も使いますのでなくさないようにご注意ください」
『私でも冒険者としての活動が出来るんですか?』
「はい、冒険者としては14歳から活動が可能です。ですが16歳までは2年以上冒険者として行動した方の同伴が必要です」
その他もろもろのことを教えてもらう、これは冒険者ライセンスにもなるようだ。
冒険者登録には別に登録料が必要になるらしい、ついでだし払っておこう。金貨一枚だった。冒険者登録すると冒険者ギルドの簡易宿泊施設の無償使用や食料の配給が受けられるらしい。お金がほとんどない私にとっては嬉しい限りだ。
「じゃあ俺はそろそろ行くことにする。町の地図もそこで見れるから迷うことはないだろう」
『はい、ありがとうございました』
そこでダインさんと手を振って別れて町の地図を確認する。何より私はこの世界の知識が足りない。
宿や食事処、そしてこの世界の知識を集めなければ…町には大きめの図書館があったので私はそこに向かうことにした。お金を稼ぐのもどうにかしないと…
補足は出来るだけあとがきに書きたいのですが自分で分からないところがあるのでそこは申し訳ありません
感想くださるとうれしいです。