魔王様はフレンドリー
「……話をまとめると、究極のホムンクルスを作ろうとしてたが失敗の連続。資材にも限界が近づいてきたから、近くで亡くなった遺体の脳を使って実験したら成功したと。」
「うん、いや〜ラストに成功するとは思わなかったよ。それでさ、一つ聞いてもいいかい?」
「あぁ、答えられる範囲であれば」
変な質問以外は受け付けるし、逆に聞きたい事もある。だから僕はひとまず少女の質問を聞いた。
「もしかして君は……転生人かい?」
「………」
言葉が詰まった。
転生…だとは思うのだが、
「転生人だと思いたい。自分の名前と過去に関しての記憶が無い、でも日本……前世に関する情報は覚えている。まるで、僕自身の記憶を思い出すな、と言われてるみたいだ。」
「成程、いずれその話は聞こう。君の世界にも興味が湧くよ。逆に質問はあるかい?」
「あぁ、貴方の名前を聞いてない。」
すると少女は首を傾げた後に、ハッとした様に頭を掻きながら答えた。
「すまない、自分の名前も名乗らず。私の名はリューシャ。研究家だ。」
「リューシャか、じゃあリューシャに質問だ。ココは何処だ?パッと見部屋の造りを見る限り城の中にある様な感じもするんだが。」
「おぉ、よく分かったね。ココは城ということは合ってるよ。ただし『魔王』城だけどね。」
「………」
絶句。え、このままデットエンドとか無いよね。
補足っぽい話を聞く限り魔王は温厚らしいけど、それは魔族だったり長年一緒にいたからとかじゃないの?
と、考え込んでいたが、
「今日はもうおやすみ、部屋はコッチね。明日になれば君も普段通りの生活が出来る位には筋肉が構築されるさ。」
そう言ってリューシャは僕の個室となる部屋に僕を連れていった。
その日はありがたく寝させていただいた。
数日後、大体の行動が取れる様になったのでリューシャの部屋で話していると、
扉が大きく開かれ、そこに人が立っていた。
現れたのは、30代後半の様に見える男性だった。
顔も中々の美形で日本にいればモテモテ間違い無しの様なスタイルをしている。すると、男性が僕の方に近づいてきて目を輝やかせながらリューシャと会話した。
「リューシャ!!ついに完成したんだね!!へ〜、中々のイケメンじゃないか。」
「まぁこれ位楽勝ですよ!!」
おいリューシャ、辛勝の間違えではないのか。とりあえず名乗ってもらおう。
「えっと……貴方は?」
「あぁ、魔王だよ。」
「はぁ、魔王さ、魔王様!?」
え!?こんな若々しいの魔王って!!
何かイメージと違う!!
何か化物みたいな見た目かと、先入観って怖い。
まじまじと見ても殆ど人間と変わらない、しいて違うなら尻尾がある事だろうか。
「尻尾さえ隠したら人間の街にもいけるんだけどね。」
「!?人の思考を読むなよ!!」
何だか魔王っぽくない魔王様だった。
どうも、五十嵐 林です。
今回もバトルシーンまでは行かなかったですw
言い忘れてましたが、不定期投稿とさせて頂きます。
私は他の方みたくスラスラと書けなくて。
ですが、逆を言うなら調子がいい時はポンポン投稿したいと思います。
多分…バトルシーンはもう少し後の予定です。
出来ればつまらないとは思いますが、よろしくお願いします。
それでは次作で。