異世界転生
『―――く―、―は――たの――好きだっ――…』
何処か遠い所で俺を呼んでいる様な気がする、何だっけ?
…あぁ、目の前が真っ暗で何も見えないし記憶もあやふやだ、でも一つだけハッキリした事があった。
「そ…か、ぼ、くは、死……ぬ……。」
意識が途切れ途切れな俺のほんの少しだけの確信。そう思った後に俺は意識を手放した。
「――、計算上なら上手くいってるし、お願い!成功して!!」
そんな声を聞こえた後、「ガチャ」と何かが開かれた様な音と共に僕は地面に倒れた。
「ゲホッ!ゲホッ……ッガハ!!」
僕は倒れた衝撃と肺の方に水がいっている様な感じが重なって咳き込んだ。
「お、ぉおおおおお!!!」
僕はふと見上げると白衣の様なモノを着た幼女が興奮気味に叫んでいた。
「ようやく、ようやく完成した……!!」
感極まって泣いている様に見える、僕は一体どんな顔してたらいいのだろうか。
「あぁ、ゴメンね。一人で盛り上がっちゃって。大丈夫かい?」
「えぇ、大丈夫―!?」
両足に力が入らない!?何故だ!?
「あぁ〜、急に立とうとしたら転けるよ?君はついさっきまで培養液の中にいたんだから。」
培養液?僕は力を振り絞って仰向けになった。
「……何処だ、ココ。」
見知らぬ天井に機械系等のパイプがついさっきまで僕が入っていたであろうカプセルに接続されている。
「フムフム…言葉は通じる様だね、それにしても君はホムンクルスにしては自我が強いね。」
ホムンクルス?何を言っているのだろうか、この幼女は。
「ホムンクルス……?僕は人だぞ?」
「え?だって君は……。」
白衣を着ている幼j……少女は少し考える様な素振りをして僕に聞いた。
「君は…もしかして前世とか覚えてるの?」
「前世も何も、僕は君と同じ人間だが。」
「そうか、手を貸すからちょっと鏡にまで連れて行くよ?鏡を見れば君の考えも変わるかもしれない。」
そこまで言われたのなら、流石に培養液入りのカプセルに居たという事実から目を反らせそうもない。
本当に僕は人間じゃないのか、と疑問を持ってしまう。
でも目視する限り人間っぽいのだが。
そして少女に車椅子っぽい、というか車椅子なんだが手こずりながら
乗せられて鏡の前まで来て僕は驚愕した。
「納得するか、分からんがどうだ?」
率直に言おう、
「!?」
何が起こっているか分からない。
が、理解する様にと僕はまじまじと鏡を見つめた。
髪の色も見覚えのある黒髪から銀髪になっているし、肌も白かった方だが更に白くなっている。
顔は美形…というか中性的になっていた。少しメイクや服を変えたりしたら女の子と言われそうな位だ。
「…すまない、整理する時間をくれないか。」
僕は初めて少女に頭を下げた。
初めまして、五十嵐 林です。
今回が初の投稿としていますので、少々他の方の作品より、短いのかもしれませんがご了承ください。
良ければ、感想などを送って頂けると嬉しいです。
しばらくは、このような長さで投稿したいと思っています。
もう少しだけバトルシーンは待っていただけると幸いです。
それでは、次の投稿でまたお会いしましょう。