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天気予報

作者: 都築有栖

 平日の七時三十分。情報番組で天気予報のコーナーがある。僕はそのコーナーの天気予報士の雨宮さんが好きだった。優しいし、かわいいし、何より、僕が高校生の時、同じクラスの好きな女の子だったからだ。しかし、結局告白もしない(できない)まま高校を卒業。それぞれ、僕は福岡県福岡市の企業に就職、彼女は東京で夢だった天気予報士になった。

 だが、世間からの彼女への風当たりは厳しかった。なぜなら、彼女の天気予報はなぜか十中八九外れるからだ。

 雨宮さんが天気予報士として番組に出るようになって早一週間。番組を降板するのではないかと噂されている。それでも僕は雨宮さんが好きだった。

 ある日、僕はいつも通り、番組を観ていた。雨宮さんはいつも通りににこやかな表情で予報をしていた。

「今日は福岡市で夕方から大雨になるでしょう」

 なぜ福岡市限定なのだろうか。もしかして、間違えてしまったのか?そんなことを思いながら僕は傘を持たずに仕事へ行った。その日は何故かひどく胸騒ぎがした。


 夕方、カンカン照りのなか仕事から帰り、いつも通りテレビをつけ、今日のニュースを観ていた。画面の中でニュースキャスターが気だるそうにニュースを読み上げていた。


「本日午後四時ごろ、天気予報士の雨宮さんが自殺しました」


 その日、彼女の天気予報が初めて当たってしまった。

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