見下ろす豹
班わけの結果
僕とこのツッキー先輩と行動することになってしまった
「いやぁ、それにしてもいきなり君との行動とは意外といいものですね」
と爽やかが似合わない笑顔で言った
いやいや、こっちとしてはどちらと組まされても変人と組むということには変わりないため、うんざりという言葉をかけたいところだが先輩ということもあり、言う事はできない
無言でいると
「そういえば、こっちは証言をとる担当でしたね」
と初耳の事を決まっていたみたいな言い方で言われた
「え、そうなんですか」
と嫌な顔で質問すると
「え、知らなかったんですか」
と作ったような驚く顔をした
いや、作ってなくても作ったように見えているのかもしれないが…
言ったじゃないですかと進め
過程を説明し始めた
「班決めの後に、私がケイとのじゃんけんで負けたので証言とりをしないといけないんですよ」
とふふんという顔で言われた
「あの後のじゃんけんそんな意味があったんですか」説明してもらってねぇ
そういえば、言ってませんでしたね
とスタスタとあるっていってしまった
「そもそも、どこに行ってるんですか」
1年3組に聞き込みにいくのか
と仮説でありながも道的にこっちではないと確信して聞いてみた
「あぁ、職員室ですよ」
とあっさりと答えた
え、職員室…
普通、探偵とか警察とか被害者に最初は話を聞くのではないか
読んだように
「言った所で名乗り出ないような奴に頼るよりは、職員室で先生の話を聞いた方が確実ですからね」
と冷めているような顔をして言った
僕はどれだけ下に見られているのだろうか
こんな事も分からないのかみたいな顔されたけど
そんなこんなで職員室に着いた
トントントン
と規則的なノックをした後ドアを開ける
「2年1組瑠璃院です
1年3組の担任の先生に用があって来ました」
と淡々とした声で言った
というか、1年3組の担任じゃなくて
何何先生に用があって来ましたって言うんじゃないのか
普通
そんなので、見つかるのか
というか、僕、名乗ってないから入れなくね
なんか1人で言っちゃったけど
すると、こっちを見て
あっ…という顔をされた
絶対忘れてただろ
というか、さっきまで話してたのになぜ忘れたのかが謎だ
ちょっと焦った感じで口パクで「名乗って入って」
と言われ渋々僕も年と組を言って
ツッキー先輩について行った
先生は見つかったんですかと聞くと
「返事してくれたのですぐに見つかりましたよ
君のせいで待たせてしまいましたけどね」
と嫌味のように言われ
忘れてた先輩のせいですけどね
とボソッと言っておいた
先輩は聞こえてるのか聞こえなかったのかわからないが、ちょっと肩を落としてる所を見ると前者のようだ。
ナイーブなんですから、あまり傷つけないで下さいよとかブツブツ言っているが気にしない
という、茶番を繰り返してるとその先生の所に着いたのか先輩が止まった
「こんにちは。私、生物部の瑠璃院月彦申します。
今回は、クラスの事を聞きに来ました」
と、切り替えて言った
先輩の影から顔を出すようにその先生を見ると、ちょっと小太りの優しそうな先生だった
「え、あぁ…と、生物部?
なんで、クラスのことを聞きに来たの?」
と不思議げに聞いてきた
「ある手紙が来てまして、それを解決というか調査するのが部活動だからです」
と堂々と発言しているが
生物部とはそんなことをするような部活ではない
ちゃんと生物の研究、調査をしなさいよ
と内心ツッコミを入れながら聞いていた
「へぇ?知らなかった。そんな部活があるのか…それにしても、何のことを聞きに来たのかな?俺もクラスの事だったら協力したいからなんでも聞いて」
と協力的な対応をされ
この先生は本当に生徒の事を考えてるんだな
こんな怪しい部活動的な何かに協力するなんて普通の教師にはできないような気がする
「では、お言葉に甘えて
さっそく、質問させていただきます」
とメモ帳とペンを取り出して僕に渡し、
ちゃんとメモって下さいよ
とウインクされた
可愛い女の子だったらテンションがあがったのになぁとか思いつつ、メモをとる準備をした
準備と言っても空いてるページを探して
ペンを構えただけなのだが
「では、一つ目です
クラスで上の2年か3年によって嫌がらせを受けている事を知ってましたか?
その対策をとってましたか?」
と真面目に聞き始めた
うーんと先生は唸って
「そのことかぁ…あれは俺も認識してるし上のクラスって聞いたから注意に行ったんだけど、変化がないというのを聞いてどうしようかと考えてたんだよ」
と、本当に困ってるという感じに見えた
なるほど、と呟き
「次の質問です。
注意しに行ったとき、上の学年からなんて言われたか覚えてますか?」
と言われ
ちょっと前のことだったからなぁ
うーんと呟き、考えたあとあっと思い出したように
「そういえば、そのクラスの学級委長に話を聞いていたんだけど、うちのクラスでは無いです。の一点張りでベランダは掃除してないしその時間は誰もいないんだって言ってたな」
強く言えなそうな先生だから話だけして
戻ったのだろうか
「3年生のところには行かなかったのですか」
と丁寧な口調で最後の質問ですと付け加えた
「いいや、3年生がやったとは言えないんだ
今の時期は3年生は掃除が雑にならないように先生が見張ってるからその中でやるのは難しいと思ったんだ。」
1年や2年のようにゆるくやるのは社会人になって通用しない為最後の学年だけでも、しっかりとやらせているらしい
3年生の担任に確認してもそんな生徒はいなかったという多数の生徒や先生の話を聞いたと言った。
やはり、2年生が1番怪しい
話を聞き終わり
廊下で僕なりに考えていると
突然
「豹に成りきっているんでしょうね。見下ろす手段は在り来りですよ。」
と先輩は言った
「え、と…どういう意味ですか?
やっぱり2年生がやったんですかね」
と不思議な事を言った
ツッキー先輩を見たが
「そんなに難しい事件ではなかったんですよ」
君がわかりやすいように
もっとピースを集めますかね
とまた、先に進み出した
僕はその後ろを言葉の意味を考えながら歩いていた。