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衝撃の事実

お茶のお替りを置いた神官が後ろに下がり、身分証が台座ごとテーブルに置かれた


「ほぉ~さすが使徒様、この若さで金の身分証に成る方など初めて見ました」


どうやら能力で身分証の色が変わるらしい

先程の赤い球状の物は魔道具で手を乗せた人物の能力を判定し、本人証明をすると共に能力で身分証の色が白→青→緑→赤→金→虹色、と変わるらしい

一度作れば能力が上がれば自動で色が変わるらしく、他人が持つと黒くなるので本人以外は使えないようだ

虹色は神々と同じ力を持つ者と言われ、歴史上でもいないそうだ

金色だと、一応大陸の中には極小数は居るらしいが救国の英雄や伝説の主人公は皆、金色の身分証だったと伝えられているので、やはり凄いのだろう


「使徒様のお名前はレイ・タナカ様でしたか」

「称号も賢者様ですか…後は錬金術師?。称号が二つある事も驚きましたが錬金術師とは如何なるものなのでしょう?」

「それにお答えする前にお聞ききしたいのですが、称号や能力は誰にでも見られるのですか?」

「これは失礼をいたしました。」

「神殿にいる高位の司祭ならば称号は見られますが、通常は司祭に会う前に受付等で身分証を提示しますので司祭がそれを目にする事はありません。また能力やスキルも身分証の色以外には判らないです」

「一部の方は称号を秘匿しますので、マナー上も見る事は遠慮されるはずですから通常は誰かに知られる事はないでしょう」

「但し犯罪を犯した者は身分証を魔法で解析しますので称号の他に能力やスキルも見られてしまいます」

「そうですか安心しました。私の事はレイとお呼び下さい」

「簡単に言いますと、錬金術というのは色々な物を合成や練成して、新たなものを作る術といえば良いでしょうか。無から有を作るとも言われております」


この世界には錬金術という物は知識として存在していないらしい

ラクトリンさんも伶の説明を聞いてもよく判っていないようだ

まぁ俺達がいた日本にもそんな物はゲームの中だけにしかなく、基本的には中世のオカルトや後の時代では科学で説明できる物という認識でしかない

しかしスキルとして存在する以上、この世界でも錬金術が可能なのだろう。それもゲームで登場するような形の物が…


「錬金術はよく判りませんが、従者の方も身分証が赤というのは素晴らしい」

(え!? 従者!? 勇者じゃなくて!? だからこの扱いなのか?)

「卑しき男という性別で赤の身分証を持つ者など、この世にはいないでしょう」

(卑しいとか言われた!?)

「私も使徒という大役を任せられた身、従者にも気を使うという事です」

(伶まで何その言い方…)

「そうですね、レイ様の従者を世の男共と一緒にしてはいけませんでした」

「トモヒロ・クロカワ、失礼しました」

「称号が『剣聖』ですか…戦神レシェフと同じ称号ですね」

(呼び捨てだし、称号も見てもいいんだ…やっぱり扱いが酷い…)

「彼の事はクロカワと呼んでください。称号が戦神レシェフ様と同じとか?」

(え~俺は名字呼びなの!?。まぁ伶は田中って言われるのが何故か嫌いだからな…)

「はい、神話の時代に一番力を振るっていた言われるレシェフが『剣聖』の称号と共に『剣』という武器で邪神や魔物を倒していたという記述が残っております」

「しかし、今では『剣』というものが何なのか?どういう使い方をするのかは判っておりません」

(え!?何?剣が無いの?剣と魔法のファンタジーとか映画の宣伝文でもあるじゃない?)

「レシェフも戦神とは言われていますが、アスタルテ様も戦いを司ると言われていた時代もありますから良く判っていません」

(何それ!? 神様なのに呼び捨てだし、神様と同じ称号なのにその神様自体が否定!?)

(しかもあの駄女神さまに位を奪われるの~!?)


内心、焦りまくりで背中に嫌な汗を掻きつつ、黙って話を合わせろと言われている俺はただ伶の後ろに控えて話を聞くことしか出来ない。

そういえば後ろの神官達も一言も話をしない。

ただ、神官としての位によるものかと思ったが、そうでは無い様だ

神殿でラクトリンさんを嗜めた時も叔母様とか言ってたから身内なのだろう

伶に言われてなかったら、口を出してしまっていただろう…危なかった


「とはいえ、レシェフ様も八柱の神々に入ってはいるのですよね?」

「そうですね、末席ですが八柱の中に含まれております」

(良かった一応は神様としての認識はあるらしい)

「それでは試練の場でお会いする事もあるかもしれませんね」

「そんなに立派な物ではありませんが、神殿が比較的近い場所にありますから、獣人の集落に向かった後にでも向かわれてはいかがでしょう」


明日、獣人の集落へ行きその後にレシェフ様の神殿に向かうことになったようだ。

今日は神殿のあるこの村に泊めさせてもらって明日、獣人の集落に送ってくれる様だ

この後、歓迎会の様な食事会も開いてくれるらしい

従者にも同じ席を用意してもらえるよう伶がお願いしてくれた。異世界での初食事、これで別メニューとかで質素だったら寂しかったが伶のおかげで助かった

伶がお願いした時のラクトリンさんの表情からすると確実に別メニューだったろうから…


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