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ギフト~ユースティティア

 邪教徒の拠点を叩き潰し、スチルの街の大改革も終わらせた俺達は再びユースティティア様(駄女神二号)と対面していた


「ムフー。いいね、いいわよ。スチルに人が溢れてるのよ。ホーホッホ、見て人がゴミの様よ」

「ちょっと待て!そのセリフはおかしいぞ」


 鼻息荒くどこぞの大佐の様な事を言い出すユースティティア様(駄女神二号)に軽く突っ込みを入れる


「大体、スチルの方はついでだろ。邪教徒の方が問題だろうが!」

「そうです二号様、落ち着いて状況を見て下さい」

「だから二号はやめて!」


 伶のセリフに漸く(ようや)興奮から脱却して現状を思い出すユースティティア様(駄女神二号)


「まっ取り合えずお礼を言っておくわ。邪教徒ね・・・要は邪神側も信徒を増やして力を取り戻そうとしてるのね」

「邪神が意図しているのか邪教徒側が勝手にやっているのかまでは不明ですが、(おおむ)ねそういう事でしょう」


 封印状態にある邪神が現生に影響を及ぼせるのかどうかは判ってはいない。しかしそれ次第で対応策が変わっていくのは確かだ


「ふむ、邪教徒が勝手にやっているだけなら簡単な話じゃが邪神の指示となると厄介じゃの」

「何かしらの旗印が有る筈ね。そいつが邪神から直接指示を受けているのか邪教徒たちが勝手に崇めているかで変わってくるわ」


 ユースティティア様(駄女神二号)が予想を述べる。それを聞いた俺達には一つ心当たりが有る、人間族でありながら剣を持ち、倒された後も死体が消えたブロック。奴が邪神側の使徒という可能性もあるのだ


「どちらにしろ調査が必要ね。ただ、私達使徒だけでは手が回らないでしょう」

「そうじゃの、獣人族の神官戦士団や冒険者ギルドも使って各地の情報を集めた方が良さそうじゃ」

「それなら~私達エルフも協力しますよ」

「我らも、教団側にも誰か用意させよう」


 ポンタさんやタンドさんなら事情を話せば協力してくれるだろう。二人とも知り合いみたいだしタンドさんならギルドとエルフ達の両方に顔が利くだろうし・・・ただ、ユースティティア様(駄女神二号)が言う教団はどうだろう?と心配になった。


「教団にもまともな奴はいるから、そう心配するでない。王都にいる聖女なら大丈夫じゃろ」

「聖女?」

「ええ、教団が用意したシンボルね。私達神々から見ても能力的にも性格的にも問題ないわよ」


 この世界の神さまが言うだけなら心配だがローラさんが言うなら大丈夫だろう。ポンタさんとタンドさんの二人に加えて、聖女様が協力してくれれば人数的にも不利は無くなる。ポンタさんの気苦労がさらに増えそうだけれども・・・


「まっそれは置いておいてご褒美タイムね」

「軽ッ!」

「いいじゃない。試練も果たして貰ってスチルの面倒まで見て貰ったんだもの奮発するわよ」


 そう宣言するユースティティア様(駄女神二号)は片手を挙げ光の塊をこちらに寄越す。光が収まるとそこにはあのスキルの説明と写真付きの魔道が載ったギフトの一覧表があった。


「またこれか・・・」

「更に今回はもう一つプレゼントしてあげる」


 ユースティティア様(駄女神二号)の宣言に思わず声の高い社長さんを思い出してしまう。ひょっとして金利手数料もサービスか?


「これって何人まで貰えるんだ。ほら今回、同行者も増えてるからさ」

「ん?人数が増えても使徒として考えてるから大丈夫よ」


 フッフッフ、どうやら気付かれなかったな。



 さて今回選んだスキルは

 俺が『危険察知』と『物理防御』

 伶が『鑑定』と『複製』

 ローラさんが『複合魔法』と『魔力増大』

 ハルカさん『精霊の申子』と『弓術』

 そしてスラちゃんが『収納』と『魔力変換』だ


「ちょっ何シレッとスラちゃんの分まで選んでるのよ!」

「何言ってんだよ、さっき人数増えてもいいって言っただろう」

「いや、でも妖魔にギフトって・・・」


 スラちゃんが瞳を潤ませ駄目~?って感じで見つめている・・・いや瞳無いけどね


「うぅそんな瞳で見つめないで・・・駄目、駄目よ。妖魔が使徒なんて・・・でも可愛い」


 いけ、スラちゃんもう一押しだ!


「きゅぅい~」

「あ~もう駄目可愛いすぎるのよ~」


 スラちゃんが一声鳴きながら足元でスリスリするとユースティティア様(駄女神二号)はその可愛いさに遂に陥落した・・・てかスラちゃん声出せたのね!?


「もういいわ。スキルだけじゃなく熟練度もあげちゃう」


 足元でスリスリしていたスラちゃんを抱き上げ頬擦りしながらユースティティア様(駄女神二号)は宣言する。それでいいのか女神さま・・・


 今回は伶の出番は無くとも予定より多くご褒美を貰えた。若干伶が不満そうなのはスルー推奨だろう・・・寧ろ伶がそっち系だとちょっと困るのだが


「さて、使徒たちには早めに王都の聖女の所に行って欲しいわね」

「王都ですか!?私行った事無いので憧れの場所なのです」

「ハルカさん・・・そうでなくて」

「ほえ?」


 ハルカさん(天然娘)の茶々で締まらないがポンタさんやタンドさんとも打ち合わせの上で早めに聖女に会い邪教徒たちの調査を開始しなければならないだろう


「取敢えず魔境で糞真面目に訓練しているポンタを呼び寄せてじゃの」

「はい、タンドさんはエルフの集落経由ですぐ連絡は付くでしょうからね」

「では、ユースティティア様・・・って駄女神二号!!」

「・・・」

 俺達が呼びかけるとユースティティア様(駄女神二号)はスラちゃんとのお別れに夢中で聞いてない。スラちゃんも拘束から逃げようともがいているのだがユースティティア様(駄女神二号)は巧みにその身体を離そうとはしない


 そんなに気に入ったのか・・・


「だって、また一人になるかと思うと寂しくて・・・」

「独り身の女性がペットを飼うと行き遅れるぞ」

「キー!誰が堅物の行き遅れよ。で、出会いが無いだけなんだから!!」


 駄女神二号改め行き遅れの女神さまは顔を真っ赤にして言い訳をしながらやっとスラちゃんを解放してくれた


 うん、やっぱりこの世界の神さま達はどっかおかしい・・・


バトル回よりこういうおちゃらけ回の方が書いていても楽しいです

皆さんはどうでしょうか?

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