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スチル大改造計画2

「この区画には魚介類を運んでください、そちらは肉類です」

「了解しました使徒様」

「伶様、これの味見をお願いします」


 伶の指示の元、普段は街の巡回などを行っている衛兵達まで駆り出され集会などに使うホールに食材が運ばれ、区画分けされた調理台には料理人が並び伶が渡したレシピを元にどんどん料理が作られていく


 今まで、競争が発生しない様に態々(わざわざ)味の同じ料理を作っていた料理人たちは、人を楽しませる料理を作るという充実感に目を輝かせながら調理していく。


「いいですか、今教えているのは基本となる味付けです。此処から更に発展させるのが貴方達の使命です」

「「「「「「はい、喜んで!!」」」」」


 ・・・居酒屋か!?



 ローラさんは別室で店で出されるお酒の指導だ。

 街に有る全てのお酒が運び込まれお店の担当と仕入の商人が集まり色々話している。運搬役はもちろん衛兵さんだ

 運ばれた酒を全て味見するローラさん。


「馬鹿者!薄めるくらいなら初めから出すな」

「し、しかし量の確保が・・・」

「酒は腐る物ではない、しかし保管の仕方が大事なのだ。保管設備に投資するのじゃ、一か所で保管し街全体で維持するのじゃ。店の利益ではなく街の利益で可考えよ!在庫切れなどあってはならん!!」


 ただの酒好きの言葉なのに全員凄く感心してる。こちらも目がキラキラしてるよ


「師匠、お客様からお勧めを聞かれた時はどうしたらいいのでしょう」

「いいか、酒の種類は千差万別じゃ。料理、雰囲気、好み、その全てで最適な答えが有る。イメージじゃイメージする事でしかスキルは作用せんぞ」


 ・・・レシェフのおっさんも同じこと言ってたよ?あれ?酒の話だっけ??



 そしてハルカさんは街の美観を整えている


「道沿いに街路樹を植えましょうね。この街は植物が少な過ぎです」


 そう言ながら指示を出していくと後ろに並んだ衛兵さん達が土を掘り起こし苗を植えていく・・・衛兵さん使われ過ぎじゃね?


「そしてここからが本番!名づけてラブラブお散歩道です!!」


 昭和チックな名前は置いておいて、街の一角に新たに作られた散歩道と絶妙に配置された木々やカラフルなお花畑。途中には噴水やベンチなどが配置され、お洒落な出店もありとデートには最適な空間だ


「むふふ、そして夜になると微かな灯りがムードを盛り上げ二人の距離は近づきその唇を・・・ハッ私ったらはしたないです~」


 両手を頬に当てクネクネしているハルカさんを衛兵さんが生温かい目で見つめている

 ・・・誰かハルカさんに突っ込んで!



 他の皆の様子を窺っていた俺も遊んでいた訳じゃない


「旦那、大浴場の設計はこんな感じでどうだい。」

「う~ん何かが足りないんだよな親方」

「へっへっへ。実はな旦那、ここに秘密の覗き穴を・・・」

「馬鹿野郎!!それはやっちゃあいけねぇ、それだけはやっちゃあいけねぇんだよ親方。いいか確かに覗きはロマンだ!男の夢だ!!。だがな女性のお客様にも楽しんで貰わなきゃ意味が無いんだよ。」

「だ、旦那・・・」

「いいかい親方。覗けそうで覗けない、見えそうで見えない。ならば此処からなら・・・やっぱり見えない。そんな男のロマンを残しつつも、女性の為に絶対防御を施した施設それが最高の大浴場だ」

「旦那、俺たちゃあ一生ついていくぜ!」


 と、職人さんたちと妙な連帯感を築きつつ大浴場の設計を行っていた

 何故か通りかかった伶に冷たい目で見られたけど・・・


 更に生産チートの投入で厨房には大火力のコンロと冷蔵庫。お酒の貯蔵庫には温度を維持するための温調設備。更に更に散歩道は夜にはライトアップされる仕掛けに大浴場にはフルーツ牛乳。全てこの世界には無かった物を伶の練成で創り上げっていった

 ・・・フルーツ牛乳は俺の趣味だ。異論は認めない!


 食べた事の無い料理に美味しいお酒、観光スポットにお風呂での癒し。観光の目玉になる施設はばっちりだ。

 そしてハードが出来たら次はソフトだ。

 マニュアルを用いた接客ではなく痒い処に手が届く日本流の『お・も・て・な・し』の徹底

 門番を務める衛兵には街中でのルールの説明を念入りにしてもらい、街角での注意喚起も並行して行う。

 判り易い案内板と住民による声掛け、ゴミ箱等も判り易い所に設置しておく。この辺は防犯に似ているのだが、人の目が近くにあり街がきれいだと治安が良くなり、治安が良くなると自然とルールも守られるものだ


 最後に宣伝として神殿とギルドに情報を流す。テレビやネットの無いこの世界では結局口コミが一番の宣伝になる、こればかりは元の世界の知識も役には立たないと思っていたが、伶は態々(わざわざ)ギルドに依頼を出して下らないクエストを(こな)してもらう為に冒険者を街まで呼んでいた。そう、口コミ版ステマである。これによりその評判はどんどん広まっていくのであった


 聊か(いささ)法の部分は曖昧になってしまっているが秩序ある楽しい観光地になる事だろう事を係った全員が確信していた。

 特に神官長と領主は涙を流して喜んでいた・・・うん、本当は君たちが考えなきゃ駄目だったんだけどね


 後に観光客も増え税収も上がり治安もいいと評判になり更に人口も増えると、好循環の波に乗ったスチルは都市運営に係る内政官や貴族の息子達が多く集まり、そのノウハウを学ぶ為の学園都市となっていくのだがそれはまた別のお話しである


最近またじわじわとブクマが増えてきて大変嬉しいです

拙い物語ですがこれからも宜しくお願いします

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