表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/175

ロダの魔境~中級編

 魔境で修行しているとポンタさんが野営地に到着した


「智大、暫くだな。少し逞しくなったか」

「ポンタさんもお元気そうで」


 互いに固く手を握り久々の再開を喜ぶ。後ろにいたローラさんはニヤニヤしており、俺との挨拶が終わるとポンタさんが抗議の声を上げる


「ローラ!お前いい加減にしろよ。何でもかんでも厄介ごとばかり廻しやがって」

「にゃはは、何の事かな?きっとポンタの人徳じゃよ」


 とぼけるローラさんと追いかけるポンタさん。仲が良いなと思いつつ少しほっこりする


 野営地は最初の頃より大きくなっている。獣人さん達が使うだけではなく討伐依頼を受けた冒険者も拠点として使っているからだ。初めは獣人族の冒険者が立ち寄っていたのだが噂を聞きつけた人間族の冒険者も立ち寄るようになった。命の危険が少しでも軽くなって、しかも種族が違っても仲良くなれるのならばという事で許可を出した。


 今ではこの野営地の他にも魔境の奥、森の手前にも野営地を作った。それぞれの冒険者たちのレベルに応じて魔獣を狩っているのだ


「初めはこの野営地を拠点に武器の使い方等を訓練していましたが、獣人さんの能力ではこの辺りは物足りないので、森の中で訓練するのが丁度良さそうですね」

「普通の魔物ならば集落の付近でも退治してるからの。少し強いくらいの方が訓練には丁度いいのだろう」


 ポンタさんに訓練のあらましを説明して今日の内に奥の野営地に移動する事にする。歩いて半日ほどの野営地に到着すると、先に訓練をしている獣人さん達がポンタさんに挨拶してくる。やはり中々慕われているのだろう、ローラさんの言う人徳というのもあながち間違いではないと思う



 翌日森の奥にポンタさん達と入っていく

 今回ポンタさんが連れてきたのは大型の獣人さんばかりだ。羆のポンタさんを筆頭に牛や象など獣人の中でも珍しいと言われる人たちだそうだ。


「儂らは素早さは無いからの、大型の武器を使わせてもらうつもりだがまずは色々試していこう」


 そういうポンタさんは手にハルバードを持ち獣化前の横に大きな体で森の中を進んでいく


「前方、木の上です」


 斥候役の獣人さんが警戒を促す。見ると魔猿たちが木の上からこちらを窺っている

 こちらが展開するとそれに合わせたように攻撃を掛けてくる。魔猿たちは木々を飛び移りながら攻撃のタイミングを中々読ませない。動き回る個体に注意していると死角から他の個体が跳びかかってくる


「フンッ」


 ポンタさんが気合と共に殴りつける様に振り回すハルバードは芯を食った当たりでは無かったが、その勢いで体勢を崩し地上に落ちた魔猿を人狼と化した獣人さんの短剣がとどめを刺す。他の獣人さん達ももタンク役となった獣人さんを中心に守りを固めつつ地上に落ちた魔猿たちをしとめていった


「リーチが伸びるのは中々便利であるな」

「慣れれば攻撃のバリエーションも増えると思いますよ」


 重そうな武器を軽々と持ちながらポンタさんが感想を漏らす。これなら得意分野の違う獣人さんでパーティーを組めばかなりの強さになる予感がする。大型の獣人さんが長柄の武器を使い素早い動きの得意な獣人さん達が遊撃。弓や投擲で遠距離攻撃でサポートすれば邪人相手でも戦闘出来ると思う。


 その後も森の探索をしながら適切なパーティーの組み合わせを試してみた。概ね感触は良好なので明日以降は連携の訓練に入る事にして野営地に戻る事にした


 帰り道、何かいつもと違う気配に俺はそちらに向かって走り出す。

 木々を抜けると小さな人影が数体見えてくる


「チッこんなところにゴブリンか」


 大きな木の根元に獲物を追い詰めているゴブリン達の後姿が見えてくる。邪人相手に卑怯もくそも無いだろういきなり斬りかかる。間合いを詰めた勢いのままに一匹を後ろから斬りつけ俺の攻撃に驚いて振り向いたゴブリンを返した刀で斬り上げる。そのまま身体を回転させつつ横薙ぎの一撃で首を飛ばす。三匹のゴブリンを一息の間に仕留める事が出来た。他にゴブリンの気配がない事を確認してから、奴らが何を襲っていたのか確認すると木の根に小さな塊がいた


(えっとこれは…あれだよな…)


「ほう、スライムではないか珍しいの。こんな処にいる筈はないんだがな」


 俺がいきなり走り出したので何事かと追いかけてきたポンタさんがその塊を見て教えてくれる。この世界のスライムは分類としては妖魔と言われてはいるが得に害はないそうだ。水場や暗い洞窟の奥などにいる事が有るがそもそも珍しい生き物で見かける事はあまりないらしい


 そのスライムは透き通った青いポヨポヨとした身体を振るわせながらこちらを見ている気がする、まぁ目は無いけどね。これは『仲間に成りたそうにこちらを見ている』ってやつだな


「一緒に来るか?」


 差し出した俺の手に、手のひらサイズになったスライムがピョンと乗ってくる。

 案外スベスベした感触を楽しみつつ肩に乗せてみる。うん、収まりもいいな


「今日からお前はスライムのスラちゃんだ」

「スライムをテイムするなんて、智大も物好きだな」


 少し呆れるポンタさんと共に獣人達と合流した俺達は、野営地へと足を向けて行った


ペットが出てくるのは定番かなという事で出してみました。魔王とかにはならないのでご安心を(笑)

スラちゃんは狼にするか迷ったのですがなんとなくスライムの方が可愛いかなと…

あまりキャラクターを増やすと訳が分からなくなるので(作者の方が)基本キャラクターは少なくする方針ですが、後何人かはメインキャラを登場させる予定ですので楽しみにしてくださるとありがたいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作始めました。こちらも宜しくお願いします
守護霊様は賢者様
↓↓ポチッとすると作者が喜びます↓↓
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ