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魔境へ出発

昨日は投稿できなくて申し訳ありませんでした

お陰様で少しストックが出来ました

今日からまた頑張って投稿していきたいと思います

 獣人さん達の町に住むようになってもルクテには定期的に通っている

 一つにはギルドに通って依頼を探す為、もう一つが八柱教団へ顔を出す為である。この八柱教団というのが八柱の神殿を管理する組織で俺達が初めに出会ったルクテさんがいう中央の組織だ。各神殿の管理と神々の物語を通して布教する事を名目に様々な活動をしている


 ルクテには神殿は無いのだが、近隣の神殿の管理支部が有った。一応王都と隣の帝国に本部が置かれており建前上は政治とは分離されているのだが、この世界で最大派閥の宗教という事もあってかなりの権力を有する


 元が宗教観の薄い日本人であるのと実際に会った神々というのが駄女神さまとレシェフのおっさんという事もあって、この世界の宗教という物はもっとゆるい感じがしていたのだが、やはりそこに権力が発生してしまうと煩い事を言ってくる奴も出てくるのだった


 要は神々を祀っている自分たちの所へ神々が呼んだ使徒が挨拶に来ないのはおかしい。さらに獣人族の町に住むなどという事は冒涜に値するとか、ギルドの様な金目当ての下品な場所に出入りするのはやめろとか言い出したのだ。ちょっと考えれば教団と神々の関係を判りそうなものだが権力という物は人の目を濁らせるのかもしれない。少なくても駄女神さまやレシェフのおっさんは教団に権力なんて与えてないと思う。しかしお世話になっている獣人達やギルドの事を考え街に来た時は必ず顔を出すことにしている


「伶、お疲れ。教団は相変わらずか?」

「そうね、早く次の神殿へ行って試練を受けてこいと言ってたわ。試練を果たし成長する事で神々の威光を世に知らしめ、牽いては教団の必要性をなんちゃらとか相変わらずよ。そこまで言うなら生活費だとか旅費を出せって言いたくなるわよ」


 ギルドと教団、別行動をしていた俺と伶は合流するなりそんな会話になる

 俺が教団へ行っても従者扱いだし、ローラさんは明らかに差別されるのを嫌って教団へは近づかない。必然伶が一人で行く事になるのだがストレスの溜まる時間になるみたいだ


「それで何かいい依頼は有った?」

「あぁ、ロダの魔境での討伐依頼が有った。最近魔獣の数が増えてきているので暫くはギルドが常設依頼で出すみたいだ。領主も噛んでるらしいから安心だろ」


 この世界で魔獣とは何らかの理由で魔力に染まった獣の事で、大人しい獣でも魔力に染まる事で凶暴になり人に害を及ぼすことが有るようだ。歳を重ねた魔獣の中には知恵を着け会話が出来る様になる者も居るようだが、そういう個体はかなり強いので脅威度は上がるらしい。人に害を為す魔獣と邪人達を纏めて魔物という言葉で表すのだそうだ


 魔境はその中心に魔力溜まりがあり、そこから湧き出す魔力に染まった魔獣たちが多く出る場所のことを指す。当然中心部へ向かう程強い魔獣が現れる事になり、定期的に数を減らさないと中心部の強い魔獣に追われて外周部にいる魔獣たちが魔境から溢れてしまうのだ。ロダの魔境はルクテから半日ほどの所にあるので魔獣が溢れると被害が大きいのでギルドからの常設依頼がよく出るらしい


 ポンタさんが指揮する事になる戦士団の練習に丁度いい依頼だと思う

 素材の一部をギルドに持っていけば依頼達成になるのでその他の魔石や素材は自分たちで売り払ってもお金になる。ギルドからの報奨金を俺たちが貰って、売り払ったお金を戦士団の運営費に充てることにした


 チュータさん(仮)に依頼の内容を報告して、ポンタさんが集落に来るまで俺がこの集落の若者を教えることになった。今回、俺が指導する理由は獣人さん達に魔道具を使わない武器で戦う集団になって貰いたかったからだ。その方がレシェフのおっさんも喜ぶだろう


「センスってこういう事なんだろうな~」

「にゃはは、獣人というのは身体を動かすのが好きだからな。今までの様に魔道具に頼った戦い方よりもシンプルで性に合っている」


 目の前で練習を始めた獣人さんたちは受け取ったばかりの武器や防具をすぐに使いこなし始めていた。元々身体能力が高く独自の獣化した戦い方をする彼らに大げさな武器は要らないだろうと、短剣や弓等の武器、籠手や脛あて等の防具を使って貰いながら改良して行く事にしたのだが、すでに製作者の伶の所に改造の注文を入れている者までいる


「これなら、ポンタの到着を待たずに先に魔境へ行ってもよいだろう。少年にも良い修行になるだろうからの」


 先ずはこの集落にいる戦士団の候補者を連れてロダの魔境で訓練しつつ他の集落の候補生を待つことにする。伶は町に残って武器防具の製作。お目付け役としてローラさんに付いてきて貰って外周部の危険の少ない所で訓練する事にした。


「駄目よ、私がいない所でそんな危険なことさせる訳ないでしょ。魔法も使えないのに強い敵が出てきたらどうするの?治療も出来ないのよ。絶対に反対だわ」

「ふむ、伶。ちょっとこっちへ来い」


 ローラさんと相談した内容を伶に話すと、強固に反対した伶だったがローラさんが伶を部屋の外に連れ出す。何やらゴニョゴニョ話している。はっきりとは聞こえないが「でも」とか「いや」とか否定的な言葉が聞こえていたのが徐々に「そ、そうかしら」とか「そうなの」と肯定的な言葉が聞こえてくる。


 やがて戻ってきた伶は真っ赤な顔をしつつ


「け、怪我なんかしたらもう口きいてあげないんだから。」

「!」

「さ、寂しくなんか無いんだから、さっさと片付けて早く戻ってきなさい」

「!!」

 それだけ言うと唖然としている俺を置いて顔を手で覆って部屋を飛び出し自分の部屋に戻っていった

 魔境への道中でローラさんに聞いても伶に何を言ったのかは全然教えてくれなかった

 一つ分かったことは、やっぱりツンデレは最強って事だな


読んでいただいて有難う御座います

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