ギルド長タンド
今回PCではなくタブレットでの打ち込みです
いつもより誤字脱字が多いかもしれません
早く家に帰ってPCでの打ち込みに戻りたい…
キャラの軽くなったタンドさんは伶とローラさんに自分の考えを述べていく
「面子の事は気にしませんがギルドの信用が落ちるのは不味いですね。模倣犯の可能性を考えても討伐不可とは言えないので積極的解決策でいきましょう」
うん、俺の事は無視ですね。その判断は正しいと思うけど露骨過ぎやしませんか…
「つまり犠牲には目を粒って信用を取るという事ですか?」
「いえ、犠牲も最小限度に留めて盗賊たちも取っ捕まえます」
タンドさんは自信ありげに説明する
まず、領主の兵隊や自警団も動員して拠点を包囲するように遠巻きに配置する
拠点には少数精鋭で突入して、戦闘開始後に包囲の輪を縮め取り囲むというのだ
「突入組は囮か…それなら被害は最悪でも突入組だけじゃの」
「いえ?あくまでも突入組で討伐しますよ。ギルドの高ランク冒険者に使徒様たち。私も出れば大丈夫でしょう。ちょっとした伝手もあるので頼むつもりですがね」
「ちょっと待て。いつの間に俺達も参加になってるんだよ」
「おや、ギルドに加入した以上ギルド長の権限で強制依頼も出せますよ。まぁお連れ様は参加してくれると思いますが」
ニヤリと笑いながらタンドさんは伶とローラさんを見つめる
ローラさんは肩を竦め仕方がないという表情を、伶はその顔に表情を出さずに思案中だ
少なくても何かしらの考えが有るらしい二人の表情から現時点で不参加の選択肢はないように思える
この会談で初の俺の発言はあっさりと否定された。…やっぱり難しい事は伶に任せておく方が良さそうだ
「神々の使徒として召喚されたばかりの私達がこの件を無視してしまうのは評判に係るでしょうね。しかし我々の使命は別にある事も事実です」
「そうじゃの、些事に拘って本命を疎かにする訳にもいかん。おぬしの言う伝手とやらと依頼達成の報酬。その辺をきちんと説明してもらわんと判断できん」
「ごもっとも。まず報酬のお話しからしましょうか」
タンドさんは伶とローラさんの態度を予想していたかのようにスラスラと説明していく
報酬は前金で金貨五枚、成功報酬で金貨十枚に盗賊たちの拠点にあるだろう盗まれた物の半分の権利。解決までの宿泊費にアイテムなど準備に必要な経費もギルドで負担してくれるそうだ
そしてタンドさんの伝手の話になると
「ここからは内密にして欲しいのですが、盗賊たちの拠点のある森にはエルフの隠れ里が有ります。そこから何人か呼び出しましょう」
「おぬしハイエルフか?」
「女性に年齢の事を言うのも失礼かもしれませんが、こう見えて私はたぶん貴方よりも年上でしょう」
ローラさんが驚きながら教えてくれた
この世界には精霊たちと深くかかわる種族がいる
邪人の様に邪な気に侵された精霊が受肉した者たちの他にも、精霊が受肉した種族や精霊が姿を変えた者たちが少数存在していた
一般的に種族としての交流はなく一部の変わり者たちが人里に出てきて多少の交流をしているだけであった
特にエルフは精霊に愛された種族で精霊達と言葉を交わしその力を使った精霊魔法と言われる種族特性を持つと言われている。
世界で最初の木と言われる世界樹を祀っており千年に一度その世界樹から生まれるハイエルフたちを中心に幾つかの部落に分かれ生きているが、ハイエルフが人前に出てくることは無いとされていた
そんなハイエルフがギルドの長をしているなど普通では考えられない事であった
「長命であるエルフたちはそれ故に世界に関心がありません。しかし、年若きエルフたちの一部ではそれを良しとしない者たちも居るのです。そうした者たちの隠れ里が私の治める集落なので協力はしてくれるでしょう」
「事情は判った。ともかく森の中での戦いでエルフが協力してくれるなら心強い事は確かじゃの」
伶とローラさんはタンドさんと具体的な話に入っていった
ギルドからは召喚術の使える冒険者が二名、魔法使いが一名、初めに拠点を見つけた狩人が参加してくれる
召喚術はゴーレムを召喚できる魔法でゴーレムを伴って移動しなくても良いので護衛役には重宝される魔法だ。しかし呼び出す数が増えると魔力の消費も大きくなるので熟練度や魔力が低いと使えない魔法になる
今回力を貸してくれる冒険者は四体のゴーレムを呼び出し使役できる腕前なので安心できるそうだ
魔法使いは風の魔法を得意としている人で森の中で戦うならば一番向いているそうだ
攻撃力ならば火の魔法が一番強いが森の中では延焼の危険があるため使えない。風の魔法は攻守に優れたバランスの良い魔法なので今回の任務に呼ばれている
最後に狩人さん。この人が変わり種だった
タンドさんの古い知り合いで、ほぼ森の中で暮らしているという
人間族の男性で少し魔道具を使える程度の魔力しかないが罠と弓で獲物を獲っているそうだ
俺達にしてみると普通なのだがこの世界ではかなり珍しいだろう。そもそも罠や弓を知っている事が驚きだった
同じく魔力の少ない俺としては詳しい話を聞いてみたかったが「勘弁してやってくれ」というタンドさんの言葉に何かしらの事情があるのを感じて遠慮しておいた
その他にエルフの魔法使いが三人とタンドさんが参加してくれるので少数とはいえ戦力は申し分ないかと思われる
作戦としては見張りを森の精霊の力で無力化して相手が体勢を整える前に一挙に攻め込み捕縛する。ごり押しで行く事になった
逃げだした盗賊たちは周りを取り囲む兵隊や自警団に任せるという作戦らしくない作戦だ
結局相手の力が判らない以上、力を発揮させないのが一番という事でスピード重視が結論のようだ
俺と狩人さんは遊撃として待機という事になった
作戦の決行は兵隊と自警団の準備が出来る一週間後
その間は俺と狩人さんで拠点のさらなる調査をする事で話はまとまった
何か終始タンドさんのペースで話が纏まっていった
伶が少し不満げにしているので不本意な部分が有るのだろう。せっかくレシェフの所で学んだことを生かせない俺としても不満は多々ある
しかし、今は目の前の任務に集中しよう。いつか前線で戦えるように力を鍛えていくしかないのだから
いつも読んでいただいて有難う御座います




