女神さまとの出会い2
投稿の順番を間違えました。
スキルを選ぼうの前に入れるはずが…
申し訳ありません
取敢えず説明を利く態勢に入った俺と伶に女神さまは光の粒を寄越す
「まずはこれを受け取ってください~」
光の粒は俺達の前で幾つかのアイテムに変わっていく
地図と腕輪が二つ、後は肩から下げるタイプの鞄と何冊かの本だ
地図には大陸名と国名、後は町や村などが記載されている。
腕輪は幾つかの機能が魔法で付与してあり、召喚された神の使徒である証明
鞄は定番の魔法で拡張されており見た目より沢山しまえるという奴
そして本には、スキル一覧とこの世界の基礎知識が書いてあるマニュアルみたいな物だった
俺は説明を伶にまかせスキル一覧を読んでいく
どうやらスキルにはレベルがあり、初級から始まって熟練度が上がると中級、上級になるみたいだ
一般の住民は中級になるのが精々で一部の天才のみ修行の結果それ以上にまで上げられるらしいが個人の属性や種族特性、ステータスにも影響されるので中級以上に上げるのは難しそうだ
スキル全般に共通の説明の後に、いよいよ楽しみにしていた各種スキルが載っていた
四大属性の魔法や練成に召喚魔法、治癒魔法等がずらりと並んでいる
魔力の操作や防御に必要な魔法、精神に影響を与える魔法など種類が豊富だ
その後に、料理や裁縫、狩猟や農耕等の生活に必要なスキル、格闘や剣術等の戦いに必要そうな物が載っている
(フムフム、チートになりそうなスキルは無いかな?)
(一見してチートになり得ないスキルがご都合主義でチートになる世界だ、よく読まねば…)
ゲームはマニュアルを読まずにプレイして判らなくなってから読むタイプの俺だが、最近お気に入りの小説に共通する定番を頭に入れて熟読していく
(吸収とかスキルを奪う系は無さそうだな、豪運とかの運がいい系もなし。レベルが上がりやすくなるのも無いか…)
(こういう時は魔法じゃなく地味な物が…)
「……召喚先の世界はこのような感じです~。なかなか素晴らしいでしょう~」
「勝手に召喚しておいて誇らしげにする理由が何処にあると?」
「フェ~ン」
俺がチートスキル探しに夢中になっている間に説明が一区切りついたようだ
スキル一覧から目を離し顔を上げると、特に反論もしないで聞いていた伶に勘違いした女神さまが自慢をして突っ込まれていた
突っ込みの後に『ズガーン』とかの擬音が入りそうな伶の攻撃に、また涙目になりながら次の説明に入る女神さま
「そ、それではスキルの説明に入ります~」
(本当に神様なのか?この人…)
「え~と、スキルはステータスとかなり密接な関係があります~」
「う~んと、まず属性があり、それによって得意なスキルが変わります~。あとスキルを覚えるのに必要なステータス値があるみたいです~」
(おいおい、女神さまカンペ見始めたぞ。大丈夫か?)
属性の相克で使えるスキルが変わるのは判る。水属性を持つ人が火系の魔法より水系の方が覚えやすいのは感覚的にも理解しやすい
スキルを覚えるのに必要なステータスと言うのがよく判らないと思っていたら伶が確認する
やはり、こういう事は伶に任せておくのが正解だ。
伶に判らないことは俺にも判らないのだし、俺が判らないことは伶に聞けばいいのだ
「それは、通常はスキルよりもステータス値が先に上がるという理解でいいですか?」
「正解です~。あなた達の世界での知識で説明すると、農業を営んでいる方が必要な知識や筋力などが付いてきて上達するのが我々の世界では『農耕』のスキルが付くというイメージです~」
慈愛と豊穣の女神らしく農業での例えをしてくれたが、なるほど理解した
実家の道場でも技の修練よりも基礎体力や柔軟性に重点を置いていたのもその為だ
頷いてる俺を少し呆れた顔をしながら伶も頷く
「え~と、今回の様に召喚された方の場合、地道にステータスを上げていたのでは時間が掛かりすぎるのでスキルの必要なステータスをギフトとして与えるみたいです~」
(またカンペ情報かよ…てかカンペ何枚あるのよ)
「あなた達のステータスを召喚先の世界のステータスに変換します~。その後スキルに必要な分をプレゼントするので、元の世界で得意な分野を考えながら、召喚先でも役立ちそうなスキルを選んでください~」
最早カンペを隠そうともせずに、かなりの量の紙束を片手に女神さまが選択を促す
早速スキル全般の共通項目を読み終えた伶が挙手をして質問をする。
如何にも「先生質問です」って感じだ
「得られるスキルの数や習熟度はどうなりますか?」
「はい~、上級が一つと中級が二つです~。それで上がったステータスで初級のスキルが幾つか得られるそうです~」
ちょっと先生と言うには頼りない女神さまがカンペを見ながら答える
うん、教育実習生とクラス一の秀才って感じだ
「少なすぎます。再考は可能ですか?」
「え~、私に言われても権限が~」
「関係ありません。私達を巻き込んだのはそちらだと理解していますか?」
「私達が失敗して困るのはそちらだと思うのですが?」
「フェ~ン」
「時間が惜しいです。再考は可能ですか?」
「上級が三つに中級が五つ、属性は二つ。これは譲れないラインです。可能ですか?」
「いや~、あの~……判りまし~た~」
崩れ落ちる女神さま…
うん、発注側の大企業と下請の担当者って感じだ
さすがは伶…疑問という風を装いつつ、確定事項として納得させた
女神さまの様子を見る限り納得しているかは別問題だが、間延びする語尾のせいで悲壮感はない。
了承を得た俺達はスキル一覧から選択を始めるのであった