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旅の途中

 ポンタさん達と別れて一日、伶が創ったゴーレム馬車は実に快適だった

 人が乗り込む場所は車輪から独立した形で支えられており、衝撃吸収機構とサスペンションによって路面の凹凸を感じさせない作りになっている

 ゴーレムたちには予めローラさんが魔力を注いでおり、その魔力で動いているので操作中に魔力を消費することは無い

 従来のゴーレム馬車の様に御者が魔力不足に陥ることは無いようになっていた


 しかも、伶は回生装置を付けることに成功した

 ゴーレムたちが引く荷台の車輪が回転をもう一度魔力に変換してゴーレムに戻すのだ


「伶…やり過ぎじゃないのか」

「あら、イメージが魔法を創るのよ」


 HV車の様になっているゴーレム馬車も伶に言わせればイメージ出来れば問題ないという

 発電機とモーターは基本的な構造は変わらない。電気で回転を生み出すか回転で電気を生み出すかという、力の流れの向きの違いでしかない。ならば魔力を電気の様なエネルギーと仮定すれば車輪が動いたエネルギーで魔力が生み出されると考えたらしい


 若干の理不尽さを感じながらも快適な旅路には文句が有るはずもなくレシェフの神殿へ向かっていく


「便利な機能じゃのう」


 地図を片手にキラキラ輝く髪の毛をクルクルいじりながらローラさんは言う

 ローラさんが見ているそれは女神さまからもらったあの地図だ

 いま、地図にはラクト村やポンタさんのいる集落、そしてレシェフ神殿の場所が示されている


「一応、たぶん神様?から貰ったアイテムですから」

「駄女神さまも、腐っても神だからな」


 俺と伶の辛辣な言葉だが、アイテム自体は便利だった

 地図には、地名や建物などの名前の他に俺たちの現在地がピコピコ光っている

 しかも、光っているマーカーの周囲が少し明るくなり周りの地形等の情報が示されるオートマッピングの機能が付いていたのである


 今回はポンタさんの集落から三日ほどの距離なのと神殿までは道がつながっているので迷う事は無いのだが、広大な大陸を移動するのには、便利というよりチートな地図だった


「少し行った所に川が有るの。今日はそこで野営するのが良さそうじゃ」


 ローラさんが言うには、暗くなるまで移動するのではなく途中で見晴らしのいい場所を見つけたらそこで野営した方が良いとの事だ

 無理に進んで事故にあったり見張りもできない場所で野営するよりは早めに休んで疲れを残さないのが基本みたいだ


 獣人たちは定住することなく旅をする種族だ。ローラさんは魔法でやらかしてからは中央の集落には行けなかったらしいがそれでも俺たちよりは旅慣れている

 まぁそのローラさんも昨日の野営でこの馬車の機能を見て驚きと少しの呆れをみせていたのだが…



 ローラさんの指示に従いながら道から少し離れた川沿いの開けた場所に馬車を止め野営の準備に入る


「伶、何か必要なものはあるか?」

「そうね…食料は十分にあるけど食べれるものが有れば取ってきて。その後は水を汲んできておいて」


 馬車の荷台部分から野営に必要な物を取りですのを手伝いながら聞き、答えた伶に了解の意を片手を上げることで示して俺は川の向こう岸にある森へ向かう

 ローラさんは馬車の屋根に上ってお昼寝の様だ


 干し肉など保存のきくものは大量にあるので、なるべく果実などを採取していく

 取敢えず持っていけば食べられないものは伶とローラさんが判断してくるれるので、俺は適当に食べられそうな物を見繕う

 すると、少し先に小さな気配を感じ俺は立ち止まる

 自分の気配を消しながらその先を見ると兎が周りを警戒しながらお食事中だった

 幸いこちらが風下だったので、落ちていた石にオーラを纏わせて投げる。見事に仕留めた兎を最低限の処理をして馬車に戻る


 この世界は自然が豊富だ。

 森は大きく動物や果実もたくさん採れる、水を汲みに行った川は透き通った水を湛え魚も豊富だった

 木で作った銛で魚を採りながらこの世界のどこに危機が迫っているのだろうと何となく思ってしまう

 きっとこの世界のどこかで何かが始まっているのだろう…

 まぁ難しいことは伶に任せておこう。

 そう締めくくった俺は採った魚を腰に吊るし水瓶を肩に担いでまた馬車に戻る



 俺が戻ると馬車の荷台の後部からキッチンが出ていた

 伶が創ったゴーレム馬車は速度こそ通常の馬車と変わらないが積載量がとんでもない

 人が載る搭乗部分の後ろに荷台が有り、その後部には簡単な寝室、キッチンにシャワーまで完備されているのだ

 夜もゴーレムたちが警戒してくれる安心設計になっているので朝までぐっすり寝れるのだ


「もうすぐ出来るから、一休みしていてね」


 伶の言葉に頷きながら焚火の用意をしておく

 別に火を焚いて警戒する事も無いのだが、何と無く野営といえば焚火という気がして用意しておく

 もうすぐ出来るであろう料理の匂いに惹かれて荷台から降りてきたローラさんも俺の横にやってくる


「にゃはは、こんなに楽な旅は初めてなのだ」


 いつもの様に頭の後ろで手を組みながら歩いてきたローラさんを見上げる形になる…

 袖なしの単衣を着るローラさん、その腋の部分は動きやすいように大きめのスリットが入っている。頭の後ろで手を組んでいるローラさんは自然と胸を張る事になり、豊かな胸に引っ張られてスリットが全開になっているのだ

 そこから覗く横乳が思春期な俺には刺激が強く、しかし強力な引力を発揮して俺の視線を引き付ける

 その視線を伶に知られると…



 今日の夕食は兎の肉と干し肉をミルクで煮込んで胡椒で味を調えたジビエと保存のきく黒パンだ

 魚は保存がきくように干してある

 伶が笑顔で持ってきてくれたスープには肉が入っていなかった…


「伶…これは無いんじゃないか」

「あら、美味しそうなオカズに夢中だったじゃない」

「にゃはは、少年わきが甘いな」


 腋を見ていてわきが甘いとはこれいかに…


谷間より、横乳派なのは作者の趣味です

ご勘弁を(笑)


いつも読んで頂きありがとうございます

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