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第二幕

ちょい短め・・・

 ポンタさんとアッティスさんが俺の横に並ぶ様に前へと出てくる。後ろでローラさん、ハルカさん、伶が魔法の準備をしており間にタンドさんとブルーベルが後衛陣を守る様に武器を構える。


 魔王様は余裕の表情で腕を組んでいるがその前に立つナティさんは教祖の動きを警戒するように彼の一挙手一刀を逃さない構えだ


「魔王と戦う勇者だってこんなに人数を集めないよ?しかも神の子まで三人もいるのは少し卑怯じゃないかな?」

「主様。私も御傍に」


 怨嗟を押えて再びヘラヘラしだす教祖。しかし身体から発するヤバい雰囲気はそのままだ。しかも後ろに控えていた使徒が転移で庇う様に教祖の前に立つ


「智大、油断するなよ」


 ポンタさんが教祖から目を離さないまま俺に向けて言ってくる。先程まで血塗れだった教祖、服やズボンは相変わらずだが、流れ出していた筈の傷口は塞がっており新たな血が流れている様子は無い。


 自己再生とか自然治癒とか言ったスキルがカタログギフトに載っていた筈だ。おそらくその類のものを諸州しているのだろう。主神の為に用意された身体だけにどんなチートスキルを持っているか判らない・・・


「伶、ハルカ。二人で使徒の相手をしろ!後のメンバーはマザコン教祖だ、油断するでないぞ」


 久しぶりのローラさん(引率の先生)がメンバーを割り振ったのを合図に戦闘が始まる。使徒が転移で移動したのに合わせて伶も転移で追い掛ける。教祖の劣化版の闇色のオーラを纏った使徒の攻撃を鉄球を生み出した伶が弾いて行く。天雷弓を引き絞ったままのハルカさんも援護のタイミングを見極める様に二人の動きに合わせて弓の向きを変えている。しかし伶の様に相手の転移先の予想が出来ないらしくなかなか魔力矢を放つ事が出来ない



 一方の教祖との戦いは前衛が増えた事で・・・というより俺と交代したアッティスさんの独り舞台となっている


「あは~ン。久しぶりに全力で戦えそうね~ン」

「って余裕たっぷりで言わないでくれないかな」


 自らの血液で出来た大剣を振りながらアッティスさんの攻撃を(さば)く教祖。しかし無手で放たれるアッティスさんの拳の威力に押され気味だ。色を濃くした教祖の闇色とアッティスさんの放つピンク色のオーラ。そのコントラストが徐々にピンク色に押されていくのに合わせて防戦一方の教祖が後ろに下がり始める


 ローラさんが隙を見て放った魔法が教祖の体勢を崩す。それを好機と捉えたアッティスさんが全てを圧倒しそうな怒涛のラッシュを繰り出し教祖の身体にも徐々に拳が届き始める。


「おおおおお!行くわよ!桃色怒号滅却波ー(ピンクタイフーン)!!」


 アッティスさんが小さな溜めを挟んで放つ必殺技。ちょっとの溜めで放つ技とは思えない程の威力を秘めた一撃が教祖を飲み込む。これで決まった、そう思った瞬間・・・


「舐めるなーーーー!!!」


 教祖の叫び声と共に膨れあがる闇色のオーラがアッティスさんの放ったオーラを押し返す。同時に発生した突風が俺達を包む。そして現れたのはシュウシュウと音を放ちながら全身から闇色のオーラを立ち上らせた教祖・・・


 髪を逆立て細身だった身体は筋肉が隆起している。来ていた服はボロボロで上半身は裸だが何故かズボンは無事という状態。まるで窮地に陥ったどこぞの戦闘民族が覚醒したかのようだ・・・オラに力を貸してくれとか言い出しそうな雰囲気の教祖が一歩足を踏みだすごとに床に罅が入る


「此処まで力を出すと世界に歪が出るんだけど、しょうがないよね。なるべく早く終わらせよう」


 ドン!と空気が振動する。ただ間合いを詰める為に床を蹴っただけなのに部屋の空気を振動させる程の力を秘めている。当然そのスピードは今迄の比では無い、きゅそくに広がる闇色のオーラがアッティスさんのオーラを飲み込む様に拡大していく


「智大!俺達もいくぞ!!」


 使徒との戦いで折れたハルバードだが流石は迷宮産、短い時間で自己修復を遂げて元通りになっている。その先端に火焔を纏わせ加勢するポンタさん。負けじと俺も反対側から暴風を纏わせた双剣を振りかぶり突っ込んでいく


 アッティスさんに向かって振るわれる黒炎を纏った大剣を暴風の双剣で防ぐ。ポンタさんが横薙ぎに放ったハルバードが教祖に当たるが闇色のオーラを突き破る事が出来ず弾かれる。


「おらぁ!」


 どこぞのスタンド使いの様な掛け声と共に教祖がオーラを解放すると爆発するような闇色の奔流に三人そろって地面を滑る様に後退させられる。


「きゃぁ!」


 教祖のオーラが膨れ上がるのに合わせて使徒のオーラも強化されたのか伶が攻撃を受けて飛ばされる。追撃を阻む様に放たれた天雷弓の矢を転移で躱した使徒が教祖に並ぶような位置に現れる


 斃れた伶を庇う様に支えるハルカさんも合流して奇しくも初めの対峙の再現となる。しかし圧倒的なオーラを放つ使徒には余裕が有るのに対して此方はその圧力に言葉も出ない状況だ


「なんだ案外簡単だったね、ちょっと圧倒的過ぎたかな?」

「それはちと早計という物じゃな」


 魔力を迸らせながら魔王様がナティさんを伴って前に出てくる。それに合わせてアッティスさんも一歩前に出ると三人で教祖に対峙する


 出来る事なら傍観するつもいだった魔王様も教祖の圧倒的な戦力に参戦を決めて様だ。神の子が三人がかりで対峙せねばならない程の実力だと認めたのだろう


「君は使徒君たちと遊んできなさい」

「御意」


 軽く頭を下げると纏う闇色のオーラを増しながら使徒が此方に近づいてくる


「主様の御下命です。暫くの間遊んであげましょう」


 再び狂気を孕んだ笑みを浮かべた使徒。ニヤァ~と持ち上げられた唇は艶を増しどこか妖艶な雰囲気を醸し出している。教祖に命令されたのが嬉しいのか俺達を甚振るのが嬉しいのか判断は付かない・・・


「フフフ。楽しませてくださいね」


 そう言って自らの左右に魔方陣を展開していく。その大きさは伶達との戦いの時よりも遥かに大きい・・・


 戦いの第二幕が静かに上がろうとしていた



今日は何かと時間が押してしまって誤字脱字のチェックが出来てません

読みにくかったらごめんなさい



読んで頂いて有難う御座います

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