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伶と智大・・・

すいません。少し遅れました

 神さま達への許可も取り付けて、作戦への障害は取り除けた。邪教徒達の拠点を潰したは良いが封印の中に入れませんでしたじゃあ目も当てられないのでちょっと安心♪


「それじゃあ、作戦通り行けるんだね」

「はい。そこら辺はバッチリです」


 いつもの様に軽~く言ってくるタンドさんに此方も軽く答える。神さま達には内緒だが準備はもう進んでいる。まぁ正直、根回しも済んでいた訳だし反対される理由も無い。結局は責任問題に対するエクスキューズが必要だっただけでアスタルテ様の独断でも問題ない案件だろう


「案外、神さまも大変みたいだったな」

「そうね。イメージ的に中間管理職っぽかったわね」


 この辺りは使徒としての俺達の感想だ。実際こっちの世界の人達にしてみると違う感想を持つのかも知れないが、元の世界観からすると神さまが責任問題を気にする時点で違和感がある。・・・上司とか言ってたし


「それで準備の方は?」

「うむ。情報はナティ殿から得ているから心配は無いな。予定通り都市部は教団、町や村には獣人の部隊の配置を進めている」

「こっちはもう大丈夫。少なかったけど人目に付かない森の中の拠点は抑えてるよ。」


 魔王様の許可も得て、魔族の皆さんがナティさんの指示の元で調査を進めている。種族的な特性も含めて闇に隠れての調査とか得意らしい


 エセ関西弁のあの人のせいで違和感があるのだが、人間族と比べると能力が全然違うようで隠密活動はお手の物、魔法での隠蔽や使い魔など調査にピッタリな能力に溢れているのだ。


 その上、極めつけはナティさんの存在だろう。どんな能力なのかは知らないが、連絡役に指示役と縦横無尽に飛び回ってる。遠距離だろうとなんのそので、あっさりと拠点を見つけては情報を提供してくれている


「魔族の連絡員が一人、実際の戦闘員が十名で当たる予定だ。奴らの数は多くないから充分だと思うぞ」

「思った以上に拠点の数が多いのも、ある意味助かったよ。拠点当たりの人数も少ないだろうからね。こっちは人員の不足は冒険者も使ってるし物量で圧倒しちゃおう」


 邪人達でも召喚されれば数の上での優位は崩れるが、召喚魔法を使える魔法使いの数が多いとは思えない。元々召喚魔法を使うという発想自体が邪教徒の数の不足を埋める為なのだろうし、拠点の制圧という任務ならば十分な数だと思える


「今回の作戦の重要な点は同時にという点です。最悪制圧に失敗しても構いません」

「まだ序章じゃ無理をする段階ではないからの。怪我をさせない様にな」


 正直、末端の邪教徒達の事は放っておいても良い。そいつ等はある意味純真な邪教徒達で邪神の復活を願う狂信者だ。実際問題、少数の邪教徒達だけでは邪神の復活など出来る訳は無い


 肝心なのは邪教徒達を指導する頭だ。邪教徒達に新しい技術や魔法を与え、道具として操る教祖。そしてその手先である使徒が今回のターゲットだ。


 奴らの行先を限定する為に各地の拠点を潰す事が第一歩。拠点が露呈した事で逃げ場をなくし教祖の潜伏場所を封印の地へと限定するのが目的だ。そして封印の地に追い込んだ後は・・・


「追い込んだ後は教祖たちとの直接対決だ。力を見せるのはそれまで取っておこう」

「でも無理しないようにね。無事に帰らないと怒る人がいるんでしょ?」

「なっ!イスト殿とは、な、なんでも・・・」

「あれ?僕は聖女様の事を言ったんだけど?」

「!!!」


 真っ赤な顔で狼狽するポンタさんに皆が笑みを浮かべる。ローラさんでは無くまさかのタンドさんからの攻撃に言い返す事も出来なくなっているポンタさん。大きい身体で初心な反応が可愛らしい・・・のか?


「まぁ、折角来たポンタの春じゃ。みんなで祝ってやる為にも無事に帰る事じゃな」


 いい感じに作戦前の緊張が解れた所で解散になる。おそらく作戦の決行まではまだ時間が掛かる筈だ。それまでは各自好きなように過ごす事になるだろう・・・銘々準備などの為にばらけていく


「伶。今いいか?」

「ええ。大丈夫よ」


 ルクテの街に取った宿の一室にいる伶を訪ねる。別に何か用事がある訳でも無いのだが、強いて言えば気が向いたといった感じ・・・を装う。


 ソファーに座って本を読んでいた伶の隣に座る。相も変わらず難しそうな本を読んでいるのは異世界に来ても変わらない。元の世界でも暇があれば本を読んでいる感じのイメージがあった。実際は料理をしたり編み物とかもしていた筈なのだが、伶と言えば本って感じで印象に残っている


 伶の横に座って剣を取り出し磨き始める。


「・・・」

「・・・」


 お互い無言のままに過ぎていく時間。まぁ昔から同じ部屋に居ながら会話も無いままに別の事をするのは珍しくは無い。お互いそれだけの時間を過ごしてきた訳だし、今更それで気まずくなるとかは別にない


 無いのだが・・・言いたい事が有る俺としては、いつもと違って少し居づらい


「なぁ伶・・・封印の地に「私も行くわよ」・・・」

「だけど・・・」

「確かに私は直接は戦えないけど、絶対に行くからね」

「そういうとは思ったけど・・・」

「あら奇遇ね。私も智大がそう言ってくると思ってたわ」


 あっけらかんとした伶の返事。まぁそうなるわな・・・


 俺としては伶を危険な所へは連れて行きたくない。しかし伶は伶で置いて行かれるのは絶対に拒否する。お互い言わなくても予想できたことだ


「大体、今までだって危険が在った筈よ。今更気にしても始まらないでしょ」


 その通りです・・・


「大体危ないからこそ、私の治癒魔法が必要になるんじゃない」


 それも合ってます・・・


「私が無事で智大に何かあったら後悔するわ。だから一緒に行く」


 伶の言っている事は間違っていない。確かに今更だし、治癒魔法も必要だ、俺の身になにかあれば後悔するのも判る。判るのだが・・・


「だけど、伶に何かあったら・・・」

「守ってくれるんでしょ?」

「・・・守りれなかったら俺が後悔する」


 本音と言うよりも不安の吐露だと思う・・・情けない話だが怖いのかもしれない。教祖たちが封印の地に逃げると言っても、準備も無しで逃げ込むだろうか?人数は使徒を含めた三人だけだろうか?邪神は本当に復活しないのか?


 考え始めると段々不安になってくる。今迄は危なくなったら逃げても何とかなったが今度は逃げる事が出来るのだろか?


 最後の戦いという負荷に精神が負けているのか、妙に不安が募る・・・


「最後の戦いって考えるのは良くないわ。此方の思惑に教祖が乗るかどうか判らないし、相手の使徒たちの実力も判らない。でもね駄目ならピューって逃げればいいのよ。ポンタさんもタンドさんも、ハルカさんもいるわ。ナティさんやアッティスさん。それに智大が守ってくれる。不安なんて感じてないわよ私は・・・」


 そう言って励ましてくれる伶の腕が此方に伸びる。そのまま俺の頭を引き寄せ抱きしめてくれる・・・


「心配しないで、私も一緒よ。智大が一緒なら怖くないわ」


 この場合の一緒とは、勝っても負けてもと言う意味だろう・・・


「そこは絶対に勝ちましょうとか言わないか?普通は・・・」

「あら、そんな殊勝な事いう女だと思っていた?」


 苦笑いを浮かべながら答える俺に努めて明るく答える伶


 そのまま俺の顔を引き寄せると俺の唇に自分の唇を合わせてくる


 そこから流れてくる暖かさに不安も融けていくようだった


 そのまま・・・


「ガチャ!」


 突然開いた扉・・・


 なだれ込んでくるいつものメンバー


「イチャコラ禁止です!!」

「そこでもっとグイッと行くのじゃ!」

「「・・・」」


 正反対の事を言うローラさんとハルカさんの後ろからすまなさそうな顔のポンタさんが現れる


「すまん。止めたんだが・・・」

「あはは。青春だね~」


 赤面の伶がパッと距離を取る・・・


 せっかくの雰囲気が台無しだよ!

 ここは空気を読んで放っておいてくれる場面だろ!


「きゅ?」


 スラちゃん・・・お願いだから今回は慰めないで。余計悲しくなってしまう・・・




難産でした・・・

上手くまとまってない気がするので後から直すかもしれません



読んでくれてありがとうございます

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