ギフト~イシス様4
俺と伶のスキルの調整は無事終える事が出来た。後は実際に使いながらスキルで出来る事を身体で覚える。所謂馴染ませる時間を取れれば問題ないだろう。
「え~と、まずはローラさんから行きますか」
腕まくりをしながらやる気を見せるイシスさま。もうすっかり馴染んだ様で、話し方も段々気安い物になっている
属性 四大属性
スキル
『身体操作』
『獣化』
『攻撃特化』・・・ユニーク
『高速詠唱』
『魔力回復』
『威力増大』
『複合魔法』
『魔力増大』
『無詠唱』
称号
アイテム オリハルコンの腕輪
種族特性 金狐(魔眼)(同時詠唱)(魔力操作)
「ローラさんも歪ですね。やはり進化が影響してますか・・・」
「そうじゃの。獣人のスキルでここまで魔力に偏るのは金狐に進化したからじゃろう。元々はそこまで魔法が得意と言った訳では無かったからの」
俺達がアスタルテさまにお願いして探してもらった、この世界で一番魔力の強い人、という条件に当て嵌まったのがローラさんだ。『身体操作』と『獣化』これは獣人として持っていたスキルだな。その後の魔力、魔法関係のスキルが進化後に得たスキルなんだろう
「回復魔法を覚えたかったのだが・・・何じゃこの『攻撃特化』というスキルは。心当たりが無いぞ」
「いや、性格じゃろ。お主のイメージ通りじゃ」
エシュム様が紅茶を飲みながら鋭い突っ込みを入れる・・・って何杯目の紅茶だ?
「方向性としても回復系は勿体無いですね。水系統にも光系統にも回復系は有りますから、そちらでもいいと思いますよ」
「いや、水系統の回復魔法は使えんかったのじゃ。他の系統ならばと思っていたが・・・」
「無理じゃろな。ローラが人の傷を治す姿が想像できん」
苦笑いが浮かんでしまう。エシュム様の言う通りローラさんのイメージでは無い。もっとこう、人の先頭に立って敵をなぎ倒していくイメージの方が強い。先頭にたつ魔法使いと言うのも変なのだが、見ていて安心感と言うか、付いて行こうと思わせるカリスマが溢れている感じがするのだ
「エシュムよ。儂が回復系を覚えても二日酔いを治してやらんからな」
「それが出来るのならナティがとっくにやっておるわ」
何とか反撃を試みたローラさんだが、二日酔いは魔法では治らない事は実証済みらしい。勝ち誇ったようなエシュムさまだが、そんな事を試すよりも抑々飲み過ぎに注意した方が健全な気がする
「ローラさんは三尾ですか?」
「そうじゃ。もう少しで四尾になれそうな気もするのじゃが、中々難しいの」
「それなら、四尾になった時に覚えれるかもしれないですよ」
そういって種族特性の欄を指さすイシスさま。確かに種族特性の欄にカッコ書きで三つのスキルがある。・・・つまり尻尾の数だけスキルを覚えるって事?確かに旅の始まりの時に上手く魔力を操れなかったローラさんが尻尾を分けてみたら魔力を上手く操れた記憶が有る
「成程。自分のスキルなど見た事が無いから判らんかったが、そういう事か」
「はい。ですから回復系は気にしないで攻撃魔法、敵を殲滅する為の力に特化した方が良いですね」
属性 全属性
スキル
『属性支配』・・・ユニーク
『魔力支配』・・・ユニーク
『魔力吸収』・・・ユニーク
『攻撃特化』・・・ユニーク
『術式共有』
『威力増大』
『複合魔法』
『魔力増大』
『無詠唱』
『身体操作』
『獣化』
称号 破壊の権化 イシスの加護
アイテム オリハルコンの腕輪
種族特性 金狐(魔眼)(同時詠唱)(魔力操作)
ぶっ!称号に破壊の権化とか厨二臭い物が・・・流石に皆も反応に困っているようだ。エシュム様なんて明らかに肩を震わせて笑いを堪えている
「・・・やり過ぎてませんか?、これ」
「そ、そんな事は・・・」
伶の時と同じ質問だが今度はイシスさまも否定しきれない様だ。どうもこの女神さま、魔法に関してはやり過ぎる部分が有る。魔法を司るのだから仕方ないのか?・・・もう少し自重した方が良いと思う
「わ、私はまだ正式な神さまじゃないので良いんです」
あぁ、遂に開き直った・・・
因みにスキルは操作→制御→支配と変わる毎に上位になっていく。制御でも一部がユニークに、支配になれば間違いなくユニークスキルに成るようだ。伶は『魔力制御』、ローラさんは『魔力支配』どちらも魔力を扱うユニークスキルだが、ローラさんの方がより上位のスキルという事になる
「これ。伶の『魔力共有』とローラさんの『術式共有』って・・・」
「智大さん、足して二で割る、って言ってたじゃないですか。二で割る必要は感じなかったので二人で協力して使って貰えたら嬉しいですね」
こういう言い回しは通じないのか、意味がイマイチ伝わっていない様だ。二人で術式と魔力を共有しても意味あるのか?合体魔法とかあまり現実的じゃないような・・・まぁいいか。二人なら上手に使うだろう。
「次は私の番です!。早くスキルを見せて下さい」
待ちきれないのか、ハルカさんが声を挙げる。ニッコリと微笑ながらイシスさまがハルカさんの一覧をサッと展開して皆に見えるようにしてくれる
属性 風、水
スキル
『精霊魔法』
『精霊の申子』
『弓術』
『大食い』
称号 アッティスの弟子 漢女の加護
アイテム 天雷弓 乙女の心得
種族特性 ハイエルフ(魔力増大)
「「「・・・」」」
なんだよ『大食い』って!他にもアッティスさんの弟子って称号に載るの?しかも漢女なの?どんな効果だよ!アイテムの方は乙女なの?他のアイテムは正しくアーティファクトな感じなのに、乙女の心得もそうなの?・・・突っ込み処が満載過ぎて皆が固まっているじゃないか!!
「えっと。・・・ギ、ギフトが少ない分、普通のスキル構成ですね。これなら方向性も決めやすいです」
「いや、全然普通じゃないぞ」
イシスさまが色々目を瞑って話を進めようとするが、そういう訳にはいかないだろう・・・
「個性です。これは個性なのです!。個性は尊重されるべきです!!」
「いや・・・うん、そうだね。個性って事にしよう」
薄い胸を反らして誇らしげにするハルカさんの姿に、反論の気勢も失せてしまった。害も無いのだから話を進めよう。だが、次から食費は自己負担だな・・・
属性 風、水
スキル
『精霊の加護』・・・ユニーク
『精霊召喚』 ・・・ユニーク
『精霊辞書』 ・・・ユニーク
『精霊魔法』
『弓術』
『狙撃』
『森羅万象』
『採取』
『料理』
『大食い』
称号 アッティスの弟子 漢女の加護
アイテム 天雷弓 乙女の心得
種族特性 ハイエルフ・・・(魔力増大)
「へへ~友達だからサービスしちゃいました」
「イシスちゃん・・・心の友よぉ~」
ヒシッ!と抱きつくハルカさんに照れながらも誇らしげなイシスさま。後で怒られないのか?
「イシスちゃん。この『精霊召喚』ってもしかして?」
「そう。これで精霊さんが居なくても精霊魔法を使えるし、魔力が上がれば精霊界に居る上位精霊だって呼べるよ」
元々がハイエルフと言うスペック的にも魔力の強い種族だし、修行次第では不可能な話じゃない。しかも『精霊辞書』というユニークスキルで精霊の好みや得意な魔法まで網羅出来ているので、精霊魔法の幅が広がるらしい。
「あとね、ハルカちゃんお食事好きでしょ。『森羅万象』と『料理』、この二つに『弓術』と『狙撃』、『採取』が有れば、美味しい物食べ放題だよ」
「でも、出来れば食べる専門の方が・・・」
「って、自分で作らないのかよ!」
まぁ、旅の途中でハルカさんが獲ってきた物を伶に料理して貰えれば俺達も美味しい物が食べれるのだから有り難いともいえる。でも『狙撃』は天雷弓で攻撃する際に役立つ戦闘スキルだった筈が食料確保の為になってしまっている。本来の意味が薄れてしまっているのだが、良いのだろうか?本人は気にしていない様だが・・・
「後はスラちゃんね。どんなスキルが良いかしら?」
「こう、相手の攻撃を吸収して、それを倍返しにできる様な感じでお願いします」
スラちゃん無双の理想形は相手の攻撃をスラちゃんのスキル『魔力変換』で魔力に変えて、その魔力を使った魔法で反撃する形を想像していた。切っ掛けはまるで違う意図、主にスラちゃんのご飯を確保する為に貰ったスキルだったのだが、受けた攻撃を一部吸収しているのを見た時に思い付いたのだ。それからずっと抱いていた夢が今、実現しようとしているのだ
スキル
『収納』
『魔力変換』
称号 使徒のペット
種族特性 アルティメットスライム(???)
イシスさまが見せてくれたスラちゃんの一覧。本人も乗り気なようで机の上に身を乗り出して覗き込んでいる。スラちゃんが文字を認識しているのかは判らないが、楽しそうにピョンピョンしてるので、まぁ良いだろう
それよりも冗談で考えていたアルティメットスライムが種族名になっているのが気になる。しかも特性が?マークになっているので内容がサッパリ判らない
「特性は置いておいて、吸収して反撃ですか・・・」
「ならば、これとこれを組み合わせて・・・」
「いえ。こちらの方が良くないですか?」
インテリ組とイシスさんでスキル一覧をめくりながら考え込んでいる。
スキル
『収納』
『魔力変換』
『反射』
『追加効果』
『術式解析』
『魔力操作』
称号 智大のペット
種族特性 アルティメットスライム(???)
そして三人が考え出したスキル構成がこれだ・・・って良く判らないがきっと俺が言った能力は付加されているのだろう
「これでスラちゃん無双が可能になるのか」
「そうじゃな。間違いなく少年よりも強いぞ。このスライムは今迄の常識を覆すスライムになるじゃろう」
俺より強いのか・・・
称号は俺のペットなんだけどな・・・
元々何処かでスキルの一覧を出してハッキリ纏めておこうと思っていたのですが、重複していたり掛けていたり。作者も忘れていたスキルが出てきたりで大変でした
一話一話が長く成りましたが、取敢えずこれで次に進めると思ってます
次の神さまへと話しを進めるつもりですのでよろしくお願いします
読んで頂いて有難うございます