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ギフト~イシス様3

 頭の中で神さまに救いを求めてみても、目の前に居るのだから言葉にした方が早いのは判る。判るのだが実際に言葉に出したところで救われるかどうかは別問題だという事もハッキリと判ってしまう。諦めて話を進める事にしよう


「さて、最弱の勇者様は置いておいて、伶のスキルを構成していくか」

「ローラさん・・・もう少しオブラートに包んでください」


 俺の心情を読んでいるであろうに敢て意地悪な言い方をするローラさん。ポンタさんがこの場に居てくれればとも思うのだが、それはそれで可哀想か・・・


「まず、称号の錬金術士を維持できる状態までスキルを減らしましょう」


 イシスさまの言葉に頷く俺達。しかし、俺達は自分の持つスキルが見えている訳ではない。記憶を頼りに持っているスキルを思い出すのだが、伶のスキルまでは流石に良く覚えていない。


 ステータスを見れる魔法とか有れば良いのだが、神さま専用という事で俺達には開示してもらえなかった。『神眼』で人物を見ればある程度の事は判るのだが、持っているスキルや数値化されたステータス等は見る事が出来ない。精々、力が強そうだとか魔力が多いなと言った具合だ。伶の『解析鑑定』ならば少しは違うのだろうか・・・


「ユニークの『万物の理』は外せませんね。『錬成術』も当然と・・・」

「ふむ。この場だけでも儂らにも見えるようには出来んのか?」

「ああ、そうですね。私一人で考えるのも善し悪しですし、開示しちゃいましょう」


 そういうと片手で空を切る様に動かすと目の前に伶の属性、スキル、称号の一覧が浮かび上がる。こうして見ると只の文字の羅列に過ぎないのだが、これが俺達の能力を決めているのかと思うと言葉に詰まる。方向性とイシスさまは言っているが、一つ一つのスキルを見ただけではそこまでは頭が回らない


 属性 土、水


 スキル

 『万物の理』・・・ユニーク

 『森羅万象』

 『解析鑑定』 

 『詠唱短縮』

 『練成術』

 『流体操作』

 『魔力操作』

 『思考加速』

 『治癒魔法』

 『効率化』

 『同時詠唱』

 『並列思考』

 『鑑定』  

 『複製』  

 『鍛治』  


 称号 賢者、錬金術師


「こうして見ると確かに無駄が多いの」


 って、判るんだ・・・うん、これは黙っていて方が良さそうだ


「森羅万象』と『解析鑑定』は『万物の理』に統合されてますから不要です。『流体操作』?要らないですよね?」

「ええ、魔力を流れとして捉えれたらと思ったんですけど、『魔力操作』があれば不要なスキルでしたね」


 インテリ組とイシスさまでバッサバッサとスキルを削っていくのだが、傍らの俺達は只の置物と化している状態だ。下手に口を出すと怒られそうなのだが、だからと言って(ほう)けているとそれはそれで怒られそうで・・・取敢えずフムフムと頷いておこう


「後半のギフトで貰ったスキルは全部無駄ですね、削ってしまいましょう」

「『同時詠唱』も要らんな。」

「いえ、別の使い方も有りそうです。一先ず保留にしましょう」


 まるでゲームのキャラクター作成の様に付けては外してと試行錯誤を繰り返す。伶自身は何とも無い様だがこんなに能力を(いじく)りまわして何とも無いんのだろうか・・・


「それじゃあ、削った分を他のスキルに置き換えましょう」


 属性 土、水


 スキル

 『万物の理』 ・・・ユニーク

 『思考具現化』・・・ユニーク

 『魔力制御』 ・・・ユニーク

 『事象回帰』 ・・・ユニーク

 『術式制御』 ・・・ユニーク

 『並列思考』

 『同時詠唱』

 『魔力共有』

 『高速演算』

 『付与魔術』


 称号 事象の体現者


「・・・やり過ぎてませんか、これ?」

「い、いえ。そんな事は無いですよ」


 そんな事無い訳が無い。錬金術をベースに方向性を決めた筈が事象の体現者なんて称号になる事自体がおかしい。って言うかスキルにしても称号にしても表現が難しすぎるぞ。事象とか体現者なんて何と無く意味は判るが正確なのか自信は無い・・・あぁスマホが欲しい


「御大層な称号じゃな。しかし結局は魔力とイメージ次第じゃ」

「そうなの?それじゃ邪神の消滅とかも可能な訳?」

「可能ですよ。伶さんが邪神の消滅させるイメージを持てる事と必要な魔力があればですけど」

「それって結局は無理って事ですよね・・・」


 ニッコリと微笑んで具体的には返事をしないイシスさま。可能性がゼロではない以上、可能かと言われれば可能なのだろうけど、出来るかと言われれば無理という訳だ・・・日本語難しい


「さて次は智大さんですね」

「まぁ、戦闘職じゃ複雑に考えんでも良いじゃろ」


 ローラさん、最近冷たくね?・・・なんかストレスでも抱えているのだろうか?


 属性の『暴風』

 『迅雷』

 スキル

 『神眼』・・・ユニーク

 『剣術』

 『起死回生』

 『身体操作』

 『気配操作』

 『高速移動』

 『高速思考』

 『状況判断』

 『危険察知』

 『物理防御』

 『縮地』  


 称号  レシェフの弟子 剣聖


 アイテム

 魔力の腕輪


 おお、今更だが自分のスキル構成を見るというのも不思議な物だ。『起死回生』なんて持ってたのも忘れていたぞ。『縮地』は最近では俺の戦い方の基本になっている位よく使うが、『状況判断』なんて役に立ってるのか?って感じだ


「う~ん。何と言うか・・・普通ですね!?」

「そうね。要るような要らないようなってスキルが多いわね」

「まずは、不要そうなのから削ってみるかの」


 そういうと三人で俺のスキルを弄繰(いじく)り始める。称号の剣聖は重要らしく方向性の基本と位置付けて考えているようだが、なんか扱いが酷い気がするのは気のせいか?


「戦闘職って良く判らないですよね?」

「まぁの。儂らは基本魔法が主体じゃからの。想像でしか判らんな」

「ほら、智大ももっと意見を言わないと判らないわよ」


 とはいえ、俺だって四文字熟語の羅列からは想像がつかないぞ。アスタルテさま(駄女神さま)からスキルを貰った時だって考え抜いての結果なんだからこれ以上どうすれって言うんだか・・・


「あっ。これ!『絶対切断』とか良いじゃないか」

「それはパッシブスキルですからお勧めはしませんよ。確かに無敵の攻撃ですけど調整が効きませんから鞘まで斬れちゃいますし、周りを気にしないと危なくて仲間の人たちも近付けないですからね」

「そうじゃぞ。スキルを得るという事はそれを使える身体でなくてはならんが、それでもいいのか?」


 何でも切れる力を行使できる身体って・・・ムキムキマッチョな感じか?いやそんなもんじゃ済まないよな。流石に人外の身体に成るのは遠慮したい。


「称号の剣聖では無く、スキルに『剣聖』を付けちゃいましょう。そうすれば少しはスッキリする筈です」

「それって意味あるんですか?」


 スキルなのか称号なのかで違いが生まれるのだろうか?俺の場合、属性解放とかも出来るのだがその辺りの仕組みが良く判っていない


「称号はスキルの構成から得られる物です。スキルで持てば必要なスキルが統合されるのでスッキリしますね。後は若干効果が変わります。称号よりもスキルの方が役には立つはずですよ」


 良くは判らないが、取敢えずいう事を聞いておこう。どうせ反論なんかは思い浮かばないんだし、伶が何も言わないのだから問題ないだろう


 属性の『暴風』

 『迅雷』

 スキル

 『神眼』  ・・・ユニーク

 『剣聖』  ・・・ユニーク

 『属性解放』・・・ユニーク

 『起死回生』

 『縮地』  

 『威圧』

 『警戒』

 『穏身』


 称号  レシェフの弟子 剣聖 


 アイテム

 魔力の腕輪


「こんな所かしら、智大どう思う?」

「どうって言われても・・・」

「ふむ。『剣聖』が思ったよりも使えそうでな。スキルを削る事が出来たのは良いのじゃが・・・」

「ちょっと寂しかったので、適当に増やしときました」


 基本的に俺も直感で戦っていた部分もあるし、意識して使っていたスキルは『身体操作』や『気配操作』後は『縮地』位な物だから『剣聖』に統合された結果がどうなるのかなんて想像も付かない・・・それにしても適当って言われるといまいち釈然としない


「まぁ成るように成るだろう。それより『属性解放』ってユニークスキルだったのか」

「そうですね。スキルも無しに良く使ってらっしゃいましたよね。反動が凄かったのではないですか」

「まぁ寝込む位凄かったです」

「・・・」


 苦笑いで答える俺にイシスさまも返答のしようが無いみたいだ。だが本来はそういう無茶の果てにスキルが生じる物の様なので間違ったやり方ではないと思う


「これで大分無駄は省けた筈です。後はご自身で馴染ませてあげてください」


 そっか、それが有るんだった。前の時もロダの魔境で散々修行したんだもんな、今度はどれくらい時間が掛かるのやら・・・


「さて、後の皆さんは少しの調整だけですね。チャチャと済ませちゃいましょう」


 最初に有った時のオドオドしたイシスさまは何処へ行ったのやら、明るく宣言する女神さま。もう引き籠りだった感じは微塵もしない


「勿論、スラちゃんの分もスキル選びましょうね」


 そういうと、スラちゃんを抱きしめる。スラちゃんも嬉しそうだ・・・


「あの、ワイの分も有るんやろうか?」

「シトールさん。お久しぶりです」

「って、ずっとおったやろ!ハッ!し、失礼をしました」


 我慢できなくなったのかやっと声を出したシトールさん


 紅茶を口にしながら鋭い視線だけを飛ばしたエシュム様に睨まれ、そのまま黙ってしまう。


 この様子だとシトールさんの分のギフトは期待薄だろう・・・


 可哀想だがしょうがない。


 きっとそのうち良い事が有りますよ・・・


時間かかりました・・・いつもの倍くらいかかった


しかも書ききれなくてもう一話続きます


読んで頂いて有難う御座います

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