表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
70/97

ここまでチートだと気軽に使えません

 俺は残った剣を構えながら、必死に戦略を練った。


 再び《闇の双剣》を発動してもいいのだが、あのトランプに一瞬で砕かれることがわかった以上、ただMPをなくすだけだろう。この戦いでは無駄なことは一切できない。


 同じく《闇の衣》もMP消費の点であまり使いたくない。あれは油断するとすぐにMPを切らしてしまうスキルだ。


 となれば、残された点はひとつ。


 俺は決意を胸に秘めながら、ニヤニヤ笑いを浮かべる古山と対峙する。


「なんだ、まだ他のスキルを隠し持ってるのかい?」


「……まあ、な」


 佐久間との戦いで入手した、スキル《光の魔法陣》。

 これについてはまだ使用したことがないため、どんな効果なのか判然としない。スキルの名前からして、気軽に使うと相手が危ないと思ったからだ。特にこの《闇世界》においては。


 しかしながら、古山章三においてはそんな手加減は一切できまい。


「いくぞ」


 俺は無意識のうちに両腕を天に掲げていた。


 瞬間、俺の手が金色の輝きに包まれる。


「へえ」


 と古山が感嘆の声を発した。


「光魔法か。なるほど、異世界から身につけてきた魔法だね」


 古山も指と指の間にトランプを挟み込むと、やや警戒したように防御の体勢を取る。

 ここで隙を見せないところはさすがといったところか。


 俺は覚悟を決めてスキルを作動した。


 瞬間。

 巨大な星の紋様が、俺の立つ地点を中心として、突如床に浮かび上がった。


 それは虹色の光彩を放ち、部屋全体を眩く照らし出す。


 そこで古山は初めて動揺の表情を浮かべた。まさかここまで攻撃範囲が広いとは思ってもいなかったのだろう。彼がカードをこちらに投げ出す動作が視界の端に映る。


 直後。

 その魔法陣から、虹色の光が浮き出てーー


「やべっ」

 思わず声に出していた。


 ちょっと待て。これ、もしかして部屋そのものをぶっ壊しかねないんじゃ……


 ふいに肩を捕まれる感触があった。振り向くと、同じくなにかを察したらしい彩坂が、切羽詰まった表情で叫んだ。


「いくよ! 《転移》!」


 虹色の光魔法が発生するよりも早く、俺の視界がブラックアウトする。数秒後に視界が戻ったときには、俺はタワーの前に立っていた。


「あ、危なかった……」


 俺の隣で、彩坂がひどく息をきらしながら言う。


 次の瞬間、ガッシャアアアンというすさまじい轟音が響いてきて、思わず俺は身を竦ませた。


 天を見上げると、タワーの頂上部分が虹色の光に飲み込まれ、瓦解しているところだった。


 転移した際、彩坂がタワーから離れた位置にワープしたのは非常に懸命な判断だった。


 なぜならば、タワーの頂上部分が、煙を発しながら地面に落下してきたからである。


「うっひゃ……」


 自分でやっておきながら、さすがにこの威力は予想外だった。下手に使用してしまえば、きっとリベリオンの構成員どころか、無関係な人間まで巻き込みかねない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ