表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二つの異世界で努力無双 ~いつの間にかハーレム闇魔法使いに成り上がってました~  作者: どまどま
第二章 【そのつもりはないけど事のなりゆきでハーレムになるよね】
PR
21/97

底辺のくせに高レベルとはけしからん

 教室に入って、まず目に入ったものがある。

 


 佐久間祐司 レベル30

 HP 124/124 MP 150/150

 MA 1500 MD 450


 

 やはりだ。ステータスが見える。

 それはつまり、俺のクラスにも能力者が存在していたことを意味する。


 ステータスの浮かんだ方向に目を向けると、ひとりの男子生徒が眠そうに席についていたーーのだが、教室に入った俺を見るなり、その表情が一気に固まった。当然、彼にも俺のステータスが見えているはずだ。


 佐久間祐司。

 たしかスクールカーストの底辺に生息する男子生徒だ。

 黒い髪を首元まで伸ばしており、細い目、細い顔が特徴的である。


 同じ底辺同士だが、彼とはろくに会話したことがない。互いに拒絶感を発していたからだ。


 思わず笑みがこぼれてくる。


 失踪事件の犯人は、きっと古山の他にも存在すると思っていた。あまりに事件範囲、および規模が大きいからだ。

 だからきっと、俺の学校に共犯者がいるかもしれないと考えていたのだが……見事に的中したようだ。


 その古山は、こっちの世界では俺のクラスメイトではないらしい。周囲を見渡しても、見覚えのある黒縁眼鏡は見当たらない。もしくは、奴の魔法によって、彼の存在自体が記憶から消されている可能性もある。


 俺は自分の席に腰を下ろした。


 佐久間とはかなり席が離れている。いまだ俺のステータスを凝視しているのか、粘っこい視線を感じるが、あえて気づかないふりをする。男同士で見つめ合う趣味はこれっぽちもない。


 ほどなくして担任の教師がやってきて、朝のホームルームを開始した。テストが近いので丹念に復習しておくようにーーという話を意識半分で聞き流しながら、俺はふと、なにかが物足りないことに気づいた。


 隣の高城絵美がいない。


 遅刻か?

 いや、高城はいじめっ子ではあれど、遅刻は滅多にしていなかった……ような気がする。


 そこまで思考が至ったとき、俺はひとつの予感を抱いた。古山率いる魔法使いに、すでに殺されているーー


 充分ありうる話だった。高城は女子生徒のリーダー的存在だ。いじめっ子としての黒い噂も何度か小耳に挟んだことがある。


 突如。


 教室の扉が勢いよく開かれ、俺の思考は一時中断された。


 入ってきた生徒の姿を見て、俺は深い安堵を覚えた。高城絵美だ。さして仲が良いわけでもないが、一応はクラスメイトだ。無事でよかった。


 教師がホームルームを中断し、高城に目を向けた。


「高城……珍しいな。遅刻か」

「…………」


 女子生徒のリーダーは、しかし、真っ青な表情でなにも答えない。激しく息を切らしており、まるで何かから逃げてきたかのようだ。


「おい……どうした、具合悪いのか?」

「大、丈夫……」


 高城は声にならない声を発しながら、俺の隣に腰を落ち着けた。それを見た教師はしばらく目をぱちくりさせていたが、気を取り直したようにホームルームを再開した。


 俺は気づいていた。

 高城を見ている佐久間祐司が、意味ありげに微笑んでいたのを。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ