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元世界で俺SUGEEを目指します

 たしかに、あの古山章三にはどこか狂気じみたものを感じた。


 いまでこそいじめっ子に報復するなどと言っているが、それがどうエスカレートするか、わかったものではない。


 だが。

 狂っている古山に対し、俺はたしかな反論をすることができなかった。いじめられっ子の苦悩もわかっているために、古山に共感してしまう部分がどうしてもある。だからこそ、苦し紛れなテンプレートの反論しかできなかった。


 どんな理由があろうと人を殺しちゃいけないーーそんなこと、誰もが知っていることなのに。


 おそらく、俺はまた古山に狙われる。だが俺には魔法の知識などてんでないし、それが原因で負けてしまった。


 たしかな知識さえあればーーきっと俺だって。


 見れば、彩坂の身体が靄のように薄くなっていた。これが彼女のいう「時間がない」ということなのだろうか。


 まだまだ問いただしたいことはあるが、俺はひとつ、彩坂に申し入れることにした。


「最後にひとつ頼みがある。俺を……元の世界に戻すことはできないか?」


「え……?」


 彩坂の表情が絶望のいろに染まるのを見て、俺は慌てて弁解する。


「や、別に古山から逃げようってわけじゃない。ただ……元の世界に戻ったほうが色々と対策を練りやすそうだからな。準備を整えた後でまた、こっちの世界に戻りたいんだ」


 彩坂がきょとんと首をかしげる。


「い、いいけど……戻ってなにするの?」


「まあ、見ててくれよ」

 俺はにやりと笑ってみせた。


すみません、かなり短いですが、区切りがいいのでいったんここで18話を終了とします。ここまでが第一章です。


お読みいただきまして、ありがとうございます。

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