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俺と姉貴がオンラインゲームのオフ会で出会ってしまった話  作者: 黒斬行弘


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4/4

姉と俺の物語-そして伝説へ-

前回までのざっくりとしすぎたあらすじ

・ネトゲのオフ会きたらお姉ちゃんがいました

・あこがれの人は実はお姉ちゃんでした

・気まずいままネカフェでレアボスを倒しました←今ココ

「うひょおおおお、マジで倒しやがった!」


「すげええええええ」


「エリナさんカッコいいです!」



等など、周囲からは興奮の声が、そしてチーム内チャットでは、祝福のメッセージであふれていた。


「あの、えっと、あ、ありがとうございます・・・」


物凄く照れながら姉貴が対応していた。


しかし俺はどうしても腑に落ちないことがある。


「なあ、なんで最後必殺スキルで倒せるとわかったんだ?」


だってさ?このゲームって、与えたダメージしか表示されなくて、敵のHPとか表示されないんだよ?なのに何であれで倒せるってこいつわかったんだ?


「ああ、そりゃあもう何回も倒してるからねー。」


何回もって・・・・。だってこのボスって、中々出現しないレアボスだぞ?

なんで何回も倒せるんだよ。どんだけゲームしてるんだ。


「さあさあさあ、話はそれくらいにして!お楽しみタイムだああ!」


急に団長がハイテンションで話しだす。


「ボスと言えばあ、レアイテムでしょおおおお!」


あ、そっか!強敵を倒した余韻(よいん)とか色んなあれで、すっかり忘れてた。


普通の雑魚(ざこ)敵だと、倒した時に手に入るアイテムは、直接自分の道具袋の中に自動で入るんだけど、ボスをたおした時は宝箱が出現するんだよな。


じゃあ開けるか・・・と思ったらすでに姉貴が明けてました。ですよねー。


シーンと静まったチャット欄に静かに取得アイテムのログが流れる。


「祝福のスクロールを手に入れた」


まあ、ちょっと強い相手だともらえる定番のレアアイテムだ。

みんなもやっぱこれは出るよねーなどと納得の一品。


「森の宝石を手に入れた」

深淵(しんえん)の涙を手に入れた」

「祝福のスクロールを手に入れた」


と、どんどんログが流れる。ここまで、そこそこのレアアイテムは出てきているが、一発でかいレアアイテムはでてないなあ~などと思っていると・・・。


「深淵のスタッフを手に入れた」


「きたあああああああああああああああああああああああああああああああああ」


誰かが叫んでそれから大騒ぎだ!


そりゃそうだろう。これは司祭用の武器だが、今エリナが持ってるスタッフは、1分間に約30MP程が回復するんだけど、これは聞いた話では、1分間に30MP回復+相手モンスターへの攻撃でMP吸収するという、超スグレモノの武器なのだ。


たぶん、このサーバーでも、持ってる奴はいるか居ないかわからないくらいのレアじゃないか?つまりこれからは、MP回復するために休憩したり、MP回復薬(超高価)を持ち歩かなくて良いって事になる。


あー、姉貴の奴、超嬉しそうな顔してんな~。まあ俺には何も出てないけど、あんな喜んでるならまあいいか。とか思ってたら


「ダークソードを手に入れた」


「・・・・・・・・・・・・・」


その瞬間、周りが爆笑に包まれた。


「お前、いくら黒が好きだからってこれはないわーwっw」


「ダーク君さすがの引きね!」


ぐぬぬぬ!ダークソードって、実は俺が持っている剣よりかなり強いので、実はかなり嬉しいんだが、何もこんなタイミングで手に入らなくても・・・。団長なんか、肩に手を置いて「さすがだなダーク!」と親指を突き上げている。うぜえ・・・。


隣を見ると、姉貴が涙目で笑いを堪えていた。っく、そこまでか!これが家だったら指をさしながら笑い転げてたんだろうな・・・。


「ダーク君、まだ宝箱の中身残ってるよ」


団長の声で画面に目を戻してみる。あ、本当だ。ダークソードの件ですっかり見逃してたわ。まあ、ここまでレアが出たら後は大したもんじゃないだろ。


「祝福の真紅の指輪を手に入れた」


ん?なんだこれ?聞いたこと無いぞ。


姉貴になんだこれ?と機構と思って振り向くと、あいつは顔を真赤にしてわなわなと震えていた。ホントこいつ、このオフ会にきてからこんな調子だよな。


いや待て!こいつがこんな調子の時は絶対オレも関係してる気がする!


そう思い、周囲を見てみると、団長初めほとんど全員がニヤニヤしていた。

うわぁ、これ絶対男女のあれをあれこれするアイテムじゃねーの・・・。

そう思いつつも、一応団長に聞いてみることにする。


「あの団長、これ一体何のアイテムですか?」


「うむ!良い質問だ!」


うわあ、すげえいきいきしてるわ・・・。


「君は紅い指輪をしってるかね?」


「あれですよね、ゲーム内結婚で使う結婚指輪ですよね。」


「うむ、そのとおりだ。」


あーもうなんかわかっちゃったよ!


「では真の指輪はしってるかね?」


「紅い指輪の上位版ですね。」


紅い指輪を装備すると、ゲーム内夫婦に限って、自由に相手を指定の場所に呼び出せたり、MPの自動回復が付いてたりと、それ目的に結婚する人もでるくらい便利なアイテムだ。で、真の指輪は、それをさらに強化した物となる。


「と言うことは、祝福の真紅の指輪って・・・・」


「うむ、翠の深淵から君たち二人への最上級の贈り物だろう!」


Orz


最高潮に盛り上がる周りと反比例して盛り下がる俺と姉貴。


「ねえ」


「なんだよ」


ブルーな気持ちに浸ってると姉貴が話しかけてきた。


「姉弟だから恋愛感情とか無いにしても、この指輪使わない手は無いと思わない?」


「は?いや、それだとゲーム内で結婚することになるんだぞ?」


「何よ、あんた誰か相手いるの?」


「っぐ、居ませんが何か」


そりゃ、今日このオフ会に来るまでは、姉であることも知らずにエリナとゲーム内で結婚する為に、必死で紅い指輪を購入するためのお金貯めてましたよ!


やべ、なんか泣けてきた!


「だったら良いじゃない!この指輪があれば、今まで以上にペアハンとが楽に

なるし」


「いやお前、姉弟で今後も今までのようなペアハンする気かよ!」


「仕方ないでしょ!他に相手も居ないし、あんたもそうでしょうが!」


「いや、しかしだな、その指輪を使うってことはゲーム内結婚する上に、恐らくは、盛大な結婚式も漏れ無くついてくるんだぞ?」


「そ、そのくらいわかってるわよ!」


いやー、全然わかってなかったなこいつ。今「はっ」と気付いた顔しやがったもん。


「とりあえず!まずは普通の指輪でこっそりお試し・・・でどうだ?」


あいつは勢いと欲で指輪を使おうとしているが、こっちはたまったもんじゃない。大勢の前で姉貴とゲーム内結婚とか、俺の名前以上に黒歴史だろ!


なので、若干性能は落ちるが、ゲーム内で恋人申請した人も使える紅い指輪でのお試しを提案してみることにする。


「根性ないわねえ。まあいいわ、とりあえず指輪はあんたが用意しなさいよ」


まじでこの女腹パンしてええええええええええええええええええ!


まあ、幸い(不幸?)にも、指輪の資金集めはやってたんで、今すぐにでも購入できるけどな。


「大体なんでこいつがダークなのよ・・・ぶつぶつぶつ」


隣を見ると姉貴はぶつぶつと小声で文句を垂れていた。


いや、それは俺も同じなんだけど!と声を大にして俺は言いたいね!


まあしかし、姉貴とプレイしていれば、立ち回り方とか結構勉強になるのも確かだし、悪いことばかりじゃないか。


「そうだ、あんた「SKYPO」入りなさいよ。」


「SKYPO?」


「ネット電話よ。ID登録しとけば、無料で会話できるのよ」


あー、なるほどね。まあ、姉弟ってわかったし、チャットでちまちま会話するより、電話で話したほうが早いわな。知らない相手じゃないから緊張も無いしな!

でもまあ、絶対言い争いに発展する自信があるけどね。


「わかったよ。帰ったら登録するから後でID教えてくれ」


「OK」


まあ、意中の相手が姉貴とわかった時のショックったら無かったけど、

全く知らない相手とペアハンとするよりは気も使わないで済むし、

同じ家の中だから、都合もつきやすいしな。


「よし!やるか!」


「はあ?何よ急に気持ち悪いわね・・・」


先が思いやられるが、俺と姉貴がオンラインゲームのオフ会で出会ってしまったんだから仕方ない。当初の予定とはだいぶ違うけど、今よりもっと強くなって、色んな場所へ行くためには結構良い結果だった気もする。


「あ、家に帰ったら、もっかい無限の森いくからね。もちSKYPO使ってね」


「へえへえ」


こうやって、今後もエリナ(姉)とダークマスター(俺)は、ゲーム内では恋人として共に過ごしていく事になった。やべ、改めて口にするとなんか気持ち悪いなこれ!


まあ、このゲームをやることによって、今後の俺の人生がかなり変わることになるんだけど、それはまた別の機会にって事で!


おわり

1年以上空けてしまいました。この話は、今度設定とか見なおしてちゃんと書いてみたい。最後までお読み頂きありがとうございます。

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