姉と僕とネットカフェ
・ネトゲのオフ会来たら姉が居た
・自己紹介したら姉がエリナさんと判明した
。もう帰りたい←イマココ
さて、オンラインゲームのオフ会は、場所を変えてネットカフェへと移動していた。せっかくだし、ゲームやっていこうぜ!と誰かが言い出して、まあ勢いですな。
席はみんなでオープン席を選び、あれこれ話しながらゲームすることに。幸い、自分達以外の客がほとんど居なかったので、特に迷惑にもならないだろう。
さすが団長行きつけの穴場カフェである。
「ちょっともうちょと離れなさいよ!」
「無茶言うな、これ以上ずれたら通路にはみ出るわ!」
団長の粋な(余計な)計らいで、俺ら姉弟は隣の席同士となった。
「思う存分いちゃいちゃしていいよ^^」
団長の言葉に、二人揃って咳き込んでしまったではないか・・・。まじでもう帰りたい・・・。
さて、ゲームにログインして、一通り挨拶を済ませた後は、いつもの狩場「無限の森」へと二人してやってきた。
無限の森は、森という名前ではあるけれど、非常に狭い作りになっていて、1キャラしか通れないような場所も結構多い。
なので、俺みたいに相方とペアを組んでいくようなプレイヤーには人気の場所だ。ヒーラーさんを後方に陣取らせて、回復魔法を受けながら、敵モンスターと
一対一で戦えるからね。
姉貴は普段ソロでプレイするときは攻撃力に特化した「獣人族」でプレイしてるんだけど、俺とプレイの時はヒーラーである司祭で後方支援をしてくれる。
今回もぶつぶつは言いながらも、司祭で参加してくれた。てか、俺が戦士以外のキャラクター育ててないからなんだけどね。
まあしかし、やはり姉とのコンビネーションは最高だわ。ずっと一緒にやってるだけあって、呼吸もぴったり。これで姉でなきゃまじでよかったのに・・・・(ノД`)
「そういえば・・・」
そんなことを考えてると里奈が話しかけてきた
「なんでダークマスターなんて恥ずかしい名前つけたのよ」
ちょ!今このタイミングできくか!?ネカフェだしハント中だし逃げ場ないじゃん!
名前つけるときは初めてのネトゲでテンション上がってて、かなりあれな名前だって事に全く気づいてなかったんだよ・・。
で、もうすでに結構LVも上がってるし、ネトゲ内の知り合いも増えたしで,
キャラクター作りなおすことも出来ずに今に至る。んだが・・・・。
「いや、なんか近くにあった漫画か何かから適当にとった」
真剣に悩んでつけた名前だとは間違っても言えず、とりあえず適当な理由付けをしとくことにする。
「嘘つけー。どうせテンションMAXで俺強えええな名前にしちゃっただけでしょうwww」
かあああああ、この女、マジで腹パンしてええええええええ!
「じゃあお前の名前は何なんだよ!里奈だからエリナとか安易すぎるだろうがっ!」
「はあああ?私のはちゃんと理由があるんですうううう!」
「どんな理由だよ?」
「現実世界の私が「里奈」、そして電子世界の私が「ElectronicRINA」、「ERINA」つまりエリナ」
っく、思ったよりちゃんとした理由じゃねーか!
「大体あんあたと一緒にしないでよね!黒を制する・・・・」
それを言うなああああああ!と反論しようと思ったが、急に姉貴はだんまりになって、画面に釘付けになっていた。
「【翠の深淵】きたあああああああああああああ!」
そう、俺たち二人の前には(ゲーム内ね)、無限の森にランダムで現れる4体のボスのうち、最も出現頻度が低いと言われる「翠の深淵」が現れていた。
「まじかよ!俺初めて見たよ!」
「すっごい強そう・・・・・」
「俺見たの2回目だわ。まさかネカフェで見れるとは思わなかったなあ」
などとみんな思い思いに語り始める。
「ダーク!装備良い?あいつは石化攻撃と毒霧の範囲攻撃あるから、アミュレット装備して!で、その反面、直接攻撃は弱いから盾は外して両手持ちで!」
「OK!」
俺たちは、いつものボス戦のように、相手の攻撃を回避しつつ装備を変更していった。そして戦闘開始!てか、姉貴の奴、ここまで詳細な指示出せるって事は、すでに対戦済みなのか?
まずは、エリナが俺に対毒耐性の魔法をかける。アミュレットで石化は防げるけど、毒は完全には防げない。一応解毒薬もあるけど、こっちの方が無駄が無くていい。
そして俺は、戦士が唯一使える補助魔法である筋力増量魔法を自分にかけ、
相手ボスに突っ込んでいく。
よし!かなりのダメージを与えた!そして引き続き攻撃を開始。俺がそれを数回繰り返したところで、相手がようやく最初の攻撃をしてきた。たぶん姉貴がボスに対して、行動スピード低下の魔法を使ってるんだろう。
普通ボスクラスになると、中々能力低下の魔法は効きにくいんだけど、知恵・知識の高い司祭の魔法は結構効くらしい。たしか姉貴の司祭は、最初のステータス振り分けで、知恵にMAX振り分けてたって言ってたなあ・・。
知恵・知識が初期ステータスの奴とMAXの奴では、同じヒールの魔法でも、効き目が3倍くらい違ってくるらしい。LVアップ時のボーナスポイントも全部知恵に振り分けてるから、ノーマルヒールで俺のHPが全回復するくらいだ。
と、そんな事を考えていると、相手ボスの注意がエリナに向かっていた。普通、モンスターとの戦闘では、回復役の人達に敵の攻撃が向かないようにするのがセオリーだ。何しろ職業柄、敵からのダメージにはとことん弱い。
なのでこんな時は、強烈な一撃を敵にお見舞いして、注意を自分に向かせるか、相手の注意を引き付ける特技を使うかの2択になる。
俺はまだ、相手の強さがあまり分かっていなかったので、自分の特技ポイントを温存するために、消費が激しい必殺技ではなく注意を引き付けるスキルを使うことにした。
「今よ!最大攻撃スキルぶっ放しなさい!」
急にエリナの声が聴こえた!とっさに俺は自分が使える最大の技を選択する。
「うをおおおおおおおおおおおお!」
俺が放った技は、相手ボスに見事命中し、そして戦闘が終了した」
うをおおおおおおおおお!深淵のボス倒した!めっちゃ嬉しい!俺は思わずガッツポーズをとっていた!
忙しくて前回から凄い期間が開いてしまいました。そして2話どころか、4話になりました(泣




